マグネトロンの電子のエネルギー変換についての質問

このQ&Aのポイント
  • マグネトロンの電子が磁場によって運動し、空洞共振器との共振によってマイクロ波の共振エネルギーが放出される仕組みについての質問です。
  • 電子の運動エネルギーの回転方向の成分が空洞共振器に移動するのか、静磁場によって中心軸方向へ戻る力を失い外側へ逃げてしまうのか、熱に変換されずにマイクロ波のエネルギーに使われるのかについての疑問です。
  • サイクロトロン周波数と空洞共振器の共振周波数を合わせることが効率向上に重要なのか、また他のメカニズムによって外部のDCエネルギーがマイクロ波に変換されるのかについての質問です。
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マグネトロンの電子のエネルギー変換

マグネトロンの電子のエネルギー変換 マグネトロンは中心極から放出された熱電子が強い電界によって加速され垂直方向の磁場によって円を描くと理解しています(ラーマー半径)。この時運動する電子が作る電磁場と外側電極に構成された空洞共振器の電磁界が結合してマイクロ波の共振エネルギーが放出できるのだと理解しています。 そこで質問があります。 (1)電子の運動エネルギーの回転方向の成分が持つ磁気エネルギーが空洞共振器へ移動するのでしょうか。 もしそう考えると運動エネルギーを失った結果、 (2)静磁場によって中心軸(負極)方向へ戻る力を失い弱弱しく外側の正電極へ到達してしまい、 (3)入力電気エネルギーを熱に変換しないでマイクロ波のエネルギーに使われるようにできる、 とも考えられます。 (4)また効率を上げるためにはサイクロトロン周波数と空洞共振器の共振周波数を合わせておく事が重要であると思っています。 しかし全部想像でどうも自信がありません。それとも全然違うメカニズムで外部のDCエネルギーがマイクロ波に変換されるのでしょうか。 どなたかエネルギー変換についてお詳しい方のご回答をお願いいたします。

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  • loveMySai
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回答No.1

現役を離れて長いですが、参考になればと思い投稿してみます。 (1)電子の運動エネルギーの回転方向の成分が持つ磁気エネルギーが空洞共振器へ移動するのでしょうか。 について、 マグネトロンは、磁界をぶっかけて高周波出力が得られると思います。 一例ですが、工業用CWマクネトロンの2M68は、マグネトロン本体には、磁石は付いておらず、外部の電磁石を使用し、高周波出力を得ていたと思います。 (2)静磁場によって中心軸(負極)方向へ戻る力を失い弱弱しく外側の正電極へ到達してしまい、 について、 中心軸とは、フィラメントも含んだ意味でのカソードで、カソードボンバードのことですよね。 高出力のマグネトロンの場合、フィラメント低減曲線みたいなデータを測定していると思います。(高周波出力に対するカソード表面温度を測定していたと思います。) このデータを利用し、高周波出力に対するフィラメント電圧を設定していたと思います。 高出力時の場合、フィラメント電圧をゼロにするマグネトロンもあります。 また、マグネトロンに限らず、マイクロ波管は、極力、カソードに電子が戻らないように設計に留意するマイクロ波管が多かったと思います。 (3)入力電気エネルギーを熱に変換しないでマイクロ波のエネルギーに使われるようにできる、 について、 マグネトロンの場合、マイクロ波に電圧を加えただけでは、マイクロ波は発生しません。 上記したように、磁界を加えることより、電流が流れ、マイクロ波が発生していたと思います。 (4)また効率を上げるためにはサイクロトロン周波数と空洞共振器の共振周波数を合わせておく事が重要であると思っています。 について、 共振周波数は、ペインの構成などにより、主に、ストラップ容量などより、ある程度、算出できたと思います。 また、(3)と(4)の含みでしょうが、マグネトロンの本体より見た、外部インピーダンスの違いにより、発振周波数、発振出力が異なります。基本的に整合時(リーケの中心)を基本とするみたいですが、2.5のシンク時に設計出力の管球もあります。 つまり、効率を問われるのならば、この外部インピーダンスも考慮すべきです。 質問者さまは、現役のエンジニアみたいですので、MITのMagnetronをお読みになられたほうが、理解に早いと思います。 (但し、ストラップ容量の計算式は、間式だったと思いますが、ガウスの定理などより、式を導いたほうが早いと思います。) 効率までも考慮されているようなので、マグネトロンの設計、試作で、忘れてはならない部分が、入力部分です。 特に、CWマグネトロンの場合、フィラメントボックス部分のコイルの巻き方は、カット・アンド・トライでした。 余談ですが、マグネトロンにも、種類があり、種類の分類方法にも、各位の見解もあると思います。 それぞれ、用途、マグネトロンの構造、発振周波数などが異なっていたと思います。 (1) CWマグネトロン 主に、電子レンジ、プラズマ発生等のような工業用マイクロ波加熱などに利用 (2) パルスマグネトロン 表現次第ですが、俗に言う、パルスマグネトロンとして、レジャ/プレジャ・ボートに利用されるマグネトロンは、ペインの構造自体もCWの場と大幅にことなります。 但し、2J55なども、パルスマグネトロンで、内部構造は、CWマグネトロンに類似し、イージス艦で利用されているらしいパルスマグネトロン6M5*の構造は、CWマグネトロンに似ています。 (3) 同軸マグネトロン パルス動作が、主だと思います。 主に、電力会社で使用されている気象用レーダーや、自衛隊、飛行場で使用されているようです。(基本的に、バリアンのコピー管) (4) ライナック 医療用として、がん治療にも利用されていると思います。構造は、同軸マグネトロンに類似していたと思います。 当時、エックス線管は、薬事対象になるのに、ライナックのマグネトロンは、薬事対象にならず、共産圏への輸出に関しても同軸部分のチューニング次第で、軍事用に転用が容易なのに、上海の病院に納入できたことも不思議に感じていました。 (いまでは、EEV社がほとんどらしいですが・・・) こんな感じでどうでしょうか? -以 上-

yyz1974
質問者

お礼

いろいろご指導ありがとうございました。その後いろいろ勉強してだいぶ解るようになりました。 お礼が遅れて申し訳ありませんでした。

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