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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:レヴィ・ストロースの「構造主義」の考え方について)

レヴィ・ストロースの構造主義について

ghostbusterの回答

回答No.2

「構造主義的分析」といっても、そんなにびびるようなものではありません。わたしたちがふだん行っている分析を、多少精密にしたもの、と考えていけばよいでしょう。 あらっぽくまとめてしまうと、レヴィ=ストロースが構造主義という手法を使ってやろうとしたことは、分析の対象となる直接観察されるものの中に、ふつうは気づかない「対立関係」を想定し、それを機軸とした「関係の束(そく)」を構築して、その束の中から無意識の構造を取り出そうとした、ということです。 もう少し簡単に説明します。 わたしたちは社会や文化を考えるとき、どうしても「人間」を中心に見てしまいます。ある出来事が起こる。そのとき、何でこのようなことになったのだろう、と時系列をさかのぼり、それを引き起こした「人」を特定し、その人の思想と行動に原因を探ろうとします。 「あの人はあんな人だから、こんなことになった。」 ただ、こうした生の現象というのは、一回性のものですから、そんな分析をどれだけ積み重ねたとしても、何かを予測したり制御したりするための根拠とはなり得ません。もう少し科学的な方法が必要です。 たとえば、 ・Aという行為がPという結果を引き起こした。 ・Bという行為がQという結果を引き起こした。 ・Cという行為がRという結果を引き起こした。 この三つの事柄に共通して存在する要素はないか。 ひとつのやりかたとして、A/B/CまたはP/Q/Rに共通する属性はないか、考察する方法があります。これは「相同性の抽出」と呼ばれます。 たとえばさまざまな分野のヒット商品を集めて、それぞれの共通する属性を抽出し、「ヒットする構造」を見つけようとするやり方です。 ただし、この構造の抽出には、多数の事例を必要とします。同時に、事例をとりこぼすことによって、重要な属性を捕らえ損ねている可能性は、つねに起こってきます。 そこで、「相同性」の一種類だけでなく、もっとちがう関係を見出したら、さらに確かな構造が見えてくるのではないか。ここでレヴィ=ストロースの登場です。 レヴィ=ストロースは、言語論の方法、とりわけ「対立関係」を取り入れることによって、その構造主義的分析を画期的なものとしていきました。 どこまで書くか、悩ましいところなんですが、おそらくあまり詳しいことは興味がおありではないでしょうから、ここではごくごくかいつまんで要点だけを書いておきます。 「対立関係」を取り入れる、というのは、たとえば「売れた」に対して「売れなかった」という対立関係を分析に持ち込む、ということです。「売れた」事例を多数観察することに加えて「売れなかった」事例を多数観察することによって、「売れる―売れない」の関係を明らかにすることができます。 問題は、表面に現れた何が売れて、何が売れなかったか、ということではありません。その「売れる―売れない」という対立関係の背後には、どのような構造が存在するのか、その見えない構造を抽出し、考察しようとするのです。 何か、自分で書いていて、これでわかってもらえるか不安になってきたので、具体的な方法について、大変わかりやすく述べられている本を一冊あげておきます。たぶん、質問者さんの助けになるはずです。 高田明典『知った気でいるあなたのための構造主義方法論入門』(夏目書房) 以上、参考まで。

Igriega
質問者

お礼

詳しいご説明ありがとうございます。 なんとなく概要は掴めたかな?という気がします。 ご紹介いただいた本、読んでみますね。

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