pn接合境界面での励起子の挙動について
- ドナーとアクセプターの境界面に到達した励起子は、束縛ポーラロンのペアになる可能性があります。
- 励起子がドナーとアクセプターの境界面に到達すると、一つの電子と正孔が結合し、束縛ポーラロンが形成されます。
- この状態で二つの励起子が同時に結合し、二つの束縛ポーラロンが形成されることもあります。
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pn接合の境界面にて
論文を読んでいると、ドナーとアクセプターの境界面に到達したひとつの励起子が、束縛ポーラロンのペアになると記述されていました。ひとつの電子と正孔が結合してポーラロンがひとつできるというなら理解できるのですが、なぜ束縛ポーラロンのペア、つまり、二つも束縛ポーラロンができるのでしょうか。 原文 Once an exciton reaches the interface between the donor and the acceptor, it will dissociate to a bound polaron pair with a certain probability (prf B 77,165332 (2008))
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励起子は、正の電荷をもつキャリア(正孔)と、負の電荷をもつキャリア(伝導帯の電子)がクーロン相互作用により水素原子様の状態をつくっているものです。したがって、励起子内にはかならず2つのキャリアが存在します。水素原子に十分なエネルギーを与えると、陽子と電子に分離するように、励起子も十分なエネルギーを与えると正孔と電子に分離します。真空中に有る水素原子と異なり、励起子は結晶中にあるために遮蔽効果により正孔と電子間に働くクーロン相互作用が弱められている為に、水素原子に比べて非常に小さいエネルギーで乖離させることができます。繰り返しますが、励起子を乖離させると2つのキャリアができます。 pn接合面には内部電場が存在していますので、励起子中の電子と正孔は互いに逆方向に引っ張られます。 一方ポーラロンは、一つのキャリアがもつ電荷のために周辺の結晶に誘電分極が誘起された状態です。したがって、ポーラロン中にはかならず1つのキャリアが存在しています。 もとの論文は読んでいませんが、おそらく励起子の乖離により生成される電子と正孔のそれぞれがポーラロンを形成し、それらが束縛ポーラロンペアを形成するという話ではないでしょうか。
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お礼
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