- ベストアンサー
バイオマスエネルギーについて
「バイオマスは有機物であるため、燃焼させると二酸化炭素が排出される。 しかしこれに含まれる炭素は、そのバイオマスが成長過程で光合成により 大気中から吸収した二酸化炭素に由来する。そのため、バイオマスを使用 しても全体として見れば大気中の二酸化炭素量を増加させていないと考え てよいとされる。この性質をカーボンニュートラルと呼ぶ。バイオマスを 化石燃料に換えることで、CO2の発生量を抑制できる」 とか、「バイオマ スエネルギーは燃焼時にCO2が発生しますが、同時に植物がCO2を吸収す るため、総合的には二酸化炭素は増加しないことになります。これをカ ーボンニュートラルと言います」 とあり、「化石燃料として静かにしているものを、燃やすことで表舞台に 登場させ、結果的に空気中に炭素を増やすことに繋がる」と指摘している と理解しています。 しかし、樹木が残っている方が、二酸化炭素の吸収が多く行われす。 つまり、二酸化炭素を吸収できる木をたくさん切り倒して(バイオマス) エネルギーとして使うのと、そのまま二酸化炭素の吸収に貢献させながら、 化石燃料を使う場合を比較すると、二酸化炭素の排出量が同じ時には、 後者(化石燃料)の方が、(木が残っている分だけ)二酸化炭素の残量が 少なくなるように思えます。ただでさえ、樹木による二酸化炭素の吸収が 間に合わないこの時代に、「樹木を切り倒してバイオマスエネルギーとして 使用した方が良い」という上記の説明には、どうしても納得できません。 「『二酸化炭素を吸収できない状態にある』バイオマスエネルギーを使っ て」という説明なら、「そうですね」といえますが、単に、樹木の場合、 プラスマイナス零なので、使ってもよいとする説明には、釈然としないものを覚えます。 何か大きな考え違いがあるのでしょうか?
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
まず、ひとつ誤解されているかもしれませんが、樹木は成長過程でCO2を吸収しますが、寿命が終われば枯れ、倒壊し、やがて微生物によって分解されて、成長期に吸収したCO2とほぼ同じ量のCO2を大気中に放出します。 このように森林中には、成長してCO2を吸収する樹木がある反面、枯死してCO2を放出する樹木もあります。成熟した森林では新たに成長する樹木と枯死する樹木が同じになるので、吸収するCO2と、放出するCO2がバランスし、ほとんどCO2を吸収する能力はないといわれています。 では、CO2吸収能力の無くなった森林を開拓して、バイオマスを植えればよいのかといえば、それほど単純ではありません。 森林を伐採し、樹木を焼き払ったら、今まで森林に蓄えられていたCO2が一気に大気中に放出されることになります。一方、この跡地にバイオマス植物を植えたら、この植物がCO2を吸収していくことになります。 結局、森林を焼き払ったときに出てくるCO2を、何年でバイオマス植物が回収できるかという問題になります。 ある研究によると、森林伐採時に放出されたCO2をバイオマスが吸収するには数十年から、数百年かかるといわれています。さらに土壌が泥炭地の場合はもっと長くなります。これではバイオマスエネルギーの意味がありません。しかし、草原や荒地を使ってバイオマスを栽培すれば、数年で元が取れるという計算になるそうです。 今後、バイオマスの栽培にあたっては、森林を破壊するのではなく、草原や荒地(場合によっては砂漠)を使って行う必要があるでしょう。日本やヨーロッパには非常に広い休耕田や休耕地がありますので、これを使う方法もあります。また、面積あたりのバイオマス収量の多い植物を植えることも有効です。 ヨーロッパでは森林を破壊して生産されたバイオマスには、補助金を出さないことを検討しています。アメリカでもバイオマスを生産した土地がもともと森林だったか、草原だったか、農耕地だったかを含めて補助金対象となるかどうかを判断することにしています。やがて世界的な基準ができてくることになるでしょう。
その他の回答 (2)
- yanbaru00
- ベストアンサー率60% (20/33)
現在の世界各国のエコ政策やバイオマス関連政策に対して、非常に疑問を持っておりますが、ご質問に対するご説明を致します。 >二酸化炭素の排出量が同じ時には、後者(化石燃料)の方が、(木が残っている分だけ)二酸化炭素の残量が少なくなるように思えます。 確かに木を切った場所単独では、幼い苗木を植えても成木ほど二酸化炭素を吸収しないと思います。 しかし、樹木の生育にもロジスティックカーブ(生物の成長などをグラフ化したもので、一定時間が経過すると増加が緩やかになる)が当てはまるのではないかと思います。そういった生育の傾向を全世界的レベルに敷衍しますと全体として、古くなった森林をそのまま維持するよりも、新しく再構築した森林を育てる方が総体として二酸化炭素の吸収量が多くなるのではないでしょうか? もちろん、個別の場所については、前に書いたように、古木であっても幼木よりも二酸化炭素吸収量が多いのではないかと考えています。 以下は、話題から脱線した私見です。バイオマスエネルギーとして、報道(マスコミ)でよく取り上げられるのは、トウモロコシやその他作物から作られるバイオエタノールです。これは食料安全保障(人類への食糧供給)と競合する問題です。題材として取り上げられる頻度は、それよりも少ないのですが、生ゴミ・木材系の建築廃材・雑草・人や家畜の排泄物などの今は廃棄物として処理されるものを有効利用できる技術ができれは、バイオマスエネルギー専用の栽培などは避けることができるのではないか、いやバイオマス専用の植物栽培は避けて欲しいというのが、個人的感想です。
補足
ご回答ありがとうございます。 >もちろん、個別の場所については、前に書いたように、古木であっ >ても幼木よりも二酸化炭素吸収量が多いのではないかと考えてい >ます。 そうですね。 >今は廃棄物として処理されるものを有効利用できる技術が >ができれは、バイオマスエネルギー専用の栽培などは避けることが >できるのではないか、いやバイオマス専用の植物栽培は避けて欲し >いというのが、個人的感想です。 ほんとうに、そう思います。 環境によいと言っても、生物が食する食べものを機械がたべるのは、意味がないと思います。
- honekajiri
- ベストアンサー率52% (454/864)
植物が二酸化炭素を吸収するのは植物が生きて生長していくためですよね? それなら年老いた植物が日当たりのいいところを占領するよりより若い育ち盛りの植物に場所を譲ってすくすく成長したほうが効率よく二酸化炭素を吸収すると思いますよ
補足
ご回答ありがとうございます。 >それなら年老いた植物が日当たりのいいところを占領するよりより >若い育ち盛りの植物に場所を譲ってすくすく成長したほうが効率よく >二酸化炭素を吸収すると思いますよ それは理解できます。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >ヨーロッパでは森林を破壊して生産されたバイオマスには、 >補助金を出さないことを検討しています。 そうですよね。 これなら納得できます。 「バイオマスだからよい」というのは変だとわかりました。