ニュートリノの制御

質問

岐阜から茨城にニュートリのを飛ばす実験をするそうですが、そのニュートリノはどうやって集めて、どうやって飛ばすのでしょうか？
ピストルをたとえにして教えていただけませんか。
弾がニュートリノであることはわかりますが、火薬、砲身、引金に相当するものが想像もつきません。そもそもピストルではたとえようがないものでしょうか。そうでしたら、一般人にもわかるたとえで教えてほしいです。

回答No.3

ojisan7 · ベストアンサー

こんばんは。

ニュートリノをどのように発生させ、発生したニュートリノをどのように制御し、ニュートリノ・ビームにするのか、ということですね。ご存じのようにニュートリノは反応断面積が非常に小さいので、一度、発生したニュートリノは制御できません。ですから、ニュートリノが発生する前に制御します。
ニュートリノの発生方法は、シンクロトロン等の高速陽子加速器（茨城県にあります）で加速させた陽子を標的となる原子核に衝突させます。すると、衝突した陽子は、電子やπ中間子（π^(0)、π^(+)）など様々な粒子に壊変します。ここで、生成された電場や磁場を掛け、π^(+)粒子だけを選別して崩壊パイプに導きます。崩壊パイプ内では、π^(+)は以下のように反μ粒子とμニュートリノに壊変します。
π^(+)→μ^(+) + ν_(μ）
π^(+)の半減期は決まっていますし、速度も分かりますので、パイプの長さは自然に決まります。また、パイプ内で強力な磁場を掛けることによって、反μ粒子を特定の場所へ導き除去します。そうすると、ν_(μ）は特定の方向へビームとなって射出されることになります。運動量保存の法則により、π^(+)とμ^(+) の運動量が決まれば ν_(μ）の運動量は決定するということです。制御しやすいものを制御すれば、制御しにくいものの運動は自然に決定する、ということです。
以上のようにすれば、ニュートリノの方向を容易（？）に制御することができるんではないかと思います。

尚、余談ですが、ニュートリノ・ビームはパルス状にして射出し、カミオカンデの検出器と同期させることなどにより、太陽ニュートリノや大気ニュートリノなどの多くのノイズをフィルタリングして、加速器からのニュートリノのみをとりだす工夫もされています。

それでは。

お礼

よくわかりました。モノの性質がわかっていれば答えはでるのですね。