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『犯罪』 『犯罪者』 とは

まったくの素人です。 詳しい方教えて下さい。 『犯罪』とは刑法に違反する行為であり、『犯罪者』とは『犯罪』を行う者、 という解釈で宜しいでしょうか? だとすれば、民法に違反する行為や、それを行う者は、なんと言うのでしょうか? 民法の場合も、『犯罪』や『犯罪者』で良いのでしょうか? また、憲法や労働基準法等の場合は、どうなのでしょうか? よろしくお願いします。

noname#92412
noname#92412

質問者が選んだベストアンサー

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noname#110938
noname#110938
回答No.1

>『犯罪』とは刑法に違反する行為であり、 素人の 大 雑 把 な理解としてはそれでも良いけど正確には違うね。 犯罪とは法律的に正確に定義すれば、  構成要件に該当する違法有責な行為 というのが一般的な定義。 もっともそう言われてぴんと来ないだろう。来るくらいならこんな質問するわけがない。 一般人基準なら、  ある行為に対して法律で刑罰を科すことが定めてある場合のその行為が犯罪である と思っていれば大体合ってる。これは、「刑法(刑法という名前の法律のことではなくて犯罪と刑罰を定めている法律という意味)に違反する行為」という質問の表現と内容的にはほぼ同じだね。だから「大雑把にはそれでも良い」ってわけ。 ちなみに、刑罰というのは、死刑、懲役、禁錮、拘留(勾留じゃないよ)、科料(過料じゃないよ)のいずれか。だから何らかの行為に対してこの6つを科すことを法律で定めてあればそれは犯罪について定めた規定ってわけだ。 ただ、これは論理的によく考えてみれば、法律が犯罪として定めている行為が犯罪であると言っているだけなんだよね。ある意味同意反復でしかないわけ。そうすると厳密には何も言っていないに等しいわけだ。 そこで厳密に言うと、先の定義つまり「構成要件に該当する違法有責な行為」となるわけ。 構成要件というのはちょっとわかりにくいんだけど、要するにある行為が法律の定める犯罪となる行為に該当するかどうかを判断するための基準のことなんだよね。基本は条文に書いてある内容なんだけど、法律の条文そのものではなくてあくまでも条文の解釈により導き出した基準なの。だから条文そのものじゃない。 例えば殺人罪の条文には行為としては「人を殺した」としかないわけ。だけど構成要件的には「人は行為者以外のすべての人のこと。人に胎児は含まない。死亡すればそれは人ではない。死亡するとは通説的には三兆候説により判断する」なのね。だから自殺は殺人罪にならない。胎児殺は堕胎罪の問題で殺人罪とならない。死体に対して殺人罪は成立しない(ただし未遂罪の成否に議論がある)。って話になるわけね。こんな感じで、条文の規定を細かく詰めて犯罪となる行為は何かというのを明らかにした枠組みが構成要件ってわけ。この構成要件に該当しなければ問答無用で犯罪じゃないわけ(ちなみに、殺人罪で殺意というのもまた構成要件の一内容になるんだけど、これは刑法では一般論として、犯罪となるためには犯罪を犯す意思(いわゆる故意)を要求しているのね。それを殺人罪では特に殺意と呼ぶことがあるわけだけど、この殺意がなければ殺人罪にならないというのは殺人罪の条文で決まっているわけじゃないので要注意。だけど38条1項で故意を要求しているから、うっかり殺したでは殺人罪の構成要件に該当しないので殺人罪にはならない。もちろん、その場合にも他の犯罪、つまり殺意不要の犯罪(傷害致死罪とか過失致死罪とか)というのがあるからそっちには該当するけどね。 さらに、仮に構成要件に該当しても犯罪じゃない例外があるのね。 それは、違法性がない(例えば正当防衛)、責任がない(例えば心神喪失)などの例外の場合。 これ以上細かく書くとキリがないからこの辺までにするけど、結局のところ、構成要件に該当する違法有責な行為が犯罪だってわけだ。 >『犯罪者』とは『犯罪』を行う者、 そもそも犯罪者というのは法律用語として厳密な定義がない。 一般的な用法は、犯罪を犯した者という意味だろう。だけど、これも厳密に見れば、事実として犯罪を犯した者という意味かもしれないし、法律的に裁判で犯罪を犯したと認定された者かもしれないし、単に犯罪の嫌疑で警察に捕まった者かも知れない。あるいは、道徳的あるいは一般的な慣習としてそれはどうよ?って場合にも使うことがあるね。例えば17歳の高校生と結婚した40歳のおじさんにその友人が「お前それは犯罪だ」なんて言うことがあるけどこれは法律的には犯罪でないだけでなく他にも何の問題もない。これを前提に他の友人に「あいつ犯罪者だよなぁ(笑)」なんて言うことだってできるわけ。つまり、一般にはかなりいい加減に使っているってことだね。 そして、法律的に犯罪者という表現を使うことがあるとすれば、それは文脈によるけど、少なくとも法律的に犯罪を犯した者と呼べるだけの者じゃなければならない。すると、事実として犯罪を犯した者か刑事裁判手続で犯罪を犯したと認定された者以外で使うことはまずないだろうね。もちろん、法社会学的な記述で、例えば「世間で犯罪者と言えば、警察が逮捕したという意味……」なんてのがあれば、これはまた別だけどね。 >だとすれば、民法に違反する行為や、それを行う者は、なんと言うのでしょうか? 別に何もないよ。なぜなら、特に名称を付ける必要がないから。個別の法例違反行為について、たとえば不法行為者と言ったり、あるいは単に何とか法何条の違反者というような表現をすることはないわけではないけど、それは文脈によって必要に応じて使うだけのこと。 >民法の場合も、『犯罪』や『犯罪者』で良いのでしょうか? 違うね。これは100パーセント違う。 >また、憲法や労働基準法等の場合は、どうなのでしょうか? 同様。特に呼び名はない。必要がないから。まあ労働基準法の罰則規定に該当する人は犯罪者と呼んでも良いけどね。ただ労基法みたいな行政取締法規に違反するだけの場合にことさらに犯罪者と呼ぶ意味はあまりないけどね。でも間違いじゃない。 法律に限らず専門用語というのはその概念を特定の用語に置き換えると話が簡単になるから用意するんで、そういう意味がなければ一々専門用語なんて用意しないよ。 余談だけど、裁判員の裁判で「腹部」と 言 い 習 わ し て い た のを「おなか」と言い換えたらしいけど、これは別に専門用語を置き換えたわけじゃない。「腹部」は別に法律専門用語じゃなくてあくまでも 言 い 習 わ し に過ぎない。慣例で固い表現を使っていたのを普通の人向けに馴染みのある(と思われる)言葉にしただけ。

その他の回答 (2)

  • ryo375
  • ベストアンサー率47% (9/19)
回答No.3

更にVVandE3E3さんの刑罰に修正を加えるなら、主形と付加刑に分けて、 付加刑に没収も加わりますね。 例えば、AがBをピストルで殺傷する故意を持って殺せば、 主刑として懲役刑なりになると同時に、 ピストルをAに返すわけにはいかないから没収する。 といった感じです。 簡略的に刑事と民事については、VVandE3E3さんの回答通りです。 特に民事は、そもそも違法行為ではなく不法行為なので、 区別する必要があります。 労働法の場合は、そもそも先ほどから刑法ではなく刑事、民法ではなく民事といっているのにも理由があって、 例えば、賃金不払いの場合は民事として、原告が被告に賃金の支払いを求める裁判を起こします。 しかし強制労働などの場合は、検察が被疑者に、 「1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下」の範囲で求刑し、それが認められれば(有罪となれば)上記の範囲で裁判官が量刑を言い渡されます。 憲法の場合は、、 これは本当に勘違いしている方が多いのですが、憲法でAさんがBさんを訴えるというのは基本的にはあり得ません。 憲法というのは、国民が国家を縛る為のものです。 例えば、国民の表現の自由や思想、良心の自由を国が侵してはならない。というように。 (厳密には、公共の福祉の制約があったりしますが、ここでは省きます。) また、「憲法でAさんがBさんを訴えるというのは基本的にはあり得ない」と書きましたが、 私人間効力の問題として憲法の趣旨を考慮し、民法の公序良俗違反を求める場合ならばあります。 他にも一応は例外的に直接適用ができるとされている場合もありますが、例外なので省略します。

noname#92412
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 たいへん参考になりました。

noname#110938
noname#110938
回答No.2

>>ちなみに、刑罰というのは、死刑、懲役、禁錮、拘留(勾留じゃないよ)、科料(過料じゃないよ)のいずれか。 ごめん。罰金が抜けてる。 刑罰というのは、死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留(勾留じゃないよ)、科料(過料じゃないよ)のいずれか。 に訂正。

noname#92412
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。 たいへん参考になりました。

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