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ラマンスペクトルの横軸

今、熱電材料のラマンスペクトルを測定したのですが、横軸(Raman shift)は0からの測定はできないといわれました。 というか、してはいけないと。 その理由は、ラマン分光法の勉強をしていれば、わかると先生には言われたのですが、読んでもよくわかりません。 装置の問題なのでしょうか? ヒント、あるいは参考になるような本とかないでしょうか?

みんなの回答

  • nzw
  • ベストアンサー率72% (137/189)
回答No.2

”してはいけない”のは実験装置を壊さないため。 ”できない”のはラマン散乱の原理のため。  ラマン散乱の観測にはサンプルに励起光をあて、サンプルから出て くる光を集めて分光します。この時、ラマン散乱からの光は、原理的に 必ず励起光と波数がずれています。ずれる原因は、ラマン散乱を観測する 理由と直結していますので、これは教科書を読むなりして勉強してみて ください。和書であれば、浜口先生の教科書  ラマン分光法 (日本分光学会 測定法シリーズ) が入手しやすいでしょう。また、基礎的な部分は先生のサイトにも 掲載されています。 http://www.chem.s.u-tokyo.ac.jp/users/struct/basic/RamanTheory.html  ラマン分光では、その原理から励起光の波数を基準とし、そこから のずれを問題にしますので、通常横軸にこの励起光からのずれを取り ます。つまり、原点0は励起光と同じ波数の光です。ここには ラマン散乱の成分は原理的に含まれていません。  これが観測にかかるように分光器を配置してはいけないのは、励起光 と同じ波数の光の強度が、ラマン散乱の光強度にくらべ桁違いに大きい からです。そのためラマン散乱が観測できるぐらいに光強度、スリット幅 積分時間やゲイン等を調整していると、励起光と同じ波数の光強度が 強くなり過ぎ、最悪装置を破壊してしまいます。したがって、”しては いけない”のです。  なぜ、励起光とおなじ波数の光がラマン散乱に比べ桁違いに強いかと いうと、ラマン散乱がきわめて生じにくい現象だからです。これは、 ラマン散乱が仮想準位を経由し、光子とフォノンの同時放出(吸収) を必要とするためです。このあたりも光物性の教科書を勉強し、 フォトルミネッセンスとの違いを理解すれば納得できるでしょう。

moni636jp
質問者

お礼

懇切丁寧な回答ありがとうございました。 なぜ、だめなのかということはわかりました。 ラマン分光法の本を購入したので、勉強します。

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noname#160321
noname#160321
回答No.1

ラマンシフトの原点てどこだかわかっていないでしょう。 ラマンスペクトルの原理、↓ http://atago-giken.co.jp/raman/raman/index.html

moni636jp
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 原点がレイリー線だということはわかりました。 ラマン分光装置では、レイリー散乱を測定できないということですか? CCDとかが関係あるのでしょうか?

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