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地球の自転と走り幅跳び

走り幅跳びで地球の自転を考えると東に向って飛んだ方が飛距離が伸びると思いますが間違いですか?

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  • cyototu
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回答No.2

如何にも、自然科学や物理学に何も興味が無く、論理や理屈その物に興味がある方がしそうな質問ですね。自然には余り興味が在るわけではなく、数学の大好きな方がする典型的な質問です。私は長年大学院の物理の学生を訓練してきましたが、彼等に「物理学では、正しい事を言うことの方が、何故それが正しいかを示す事よりも大事なのですよ」と、とても高度な上級編を教えています。そうすると、中には「正しい事が証明できていないのに、何故それが正しいと判るのか」とわけの分からない理屈を言う学生も在ります。残念ながら、そんな事を本気で言っているような学生は、本物の研究者には成れないというのが、私の経験則でした。 走り幅跳びについて、東に飛ぶか西に飛ぶかより遥かに重要なのは風の向きと強さです。その証拠に記録認定の国際機関では、ある一定の風速の追い風を受けて出した記録は、参考記録としてのみ意味があり、正式な記録とは認めておりません。この規則には東西南北のどの方向に飛んだかの制限はどこにも書いてありません。その理由をご自分で考えて、ご自分で答えを見付けて下さい。 物理学とは、ある現象を出来るだけ精確に記述しようと言う学問では在りません。それはどちらかと言うと工学者の物の見方です。それに対して、物理学とは、自然界の現象の中から、その人の持っている世界観や価値観から見て、一義的に重要なこと、二義的に重要なこと、三義的に重要なことと序列を付け、余り重要でないと思える事を意識的に無視して、その現象の裏にある本質的な原理を探り出そうという学問です。そのような人為的な思索の行為を理想化と言います。理想化された現象はこの世の中には決して存在しません。しかし、この在りもしない仮想的な現象を考えると、数学的な表現が桁違いに簡単になり、しばしばその現象を起こさせる本質的な原理が見えてくるのです。物理学では、例えば1年を365日ではなくて、400日や、もっと極端に500日だとして計算するくらいの大胆さが要求されることが、しばしば在るのです。もちろんこんな荒っぽい計算をしているようでは、具体的な機械を作ることが出来ませんので、物理学者は工学者には向いていません。「物理学者の言う事は常に面白いが、それが役に立つ事は先ず無い」と良く言われますが、それは、この物理学者の持っている固有な思考法に原因が在るのです。 物理学者の本質は、話を出来るだけ簡単にして本質を見抜く能力です。貴方がお望みなら、話を幾らでも複雑にすることも出来ますし、それは何方にでも出来ることです。それよりも遥かに難しいのは、複雑な現象から本質でない事を切り捨てて、話を簡単にして見せる事なのです。優れた物理学者になるためには、いきなり本質に迫る能力が要求されるのです。事実、ボーリングの球を数メートルの高さから落とす時の運動を精確に記述するためには、非線形な流体方程式を解く必要がありますが、そこで記述された運動は、真空中でのボーリングの球の運動と殆ど区別がつきません。「このボーリングの球に対して非線形流体方程式が未だに誰も解けていないのだから、この問題が物理的に判った事には成っていない」とおっしゃる方がいたら、「その問題を解く事にどうぞ勝手に一生を捧げて下さい」と言う以外には私は返す言葉が在りません。 結論としては、走り幅跳びを論じる時に、地球の自転の方向についての議論を直感的に無視で来る方のことを、物理的洞察の優れた方だと言うのです。繰り返しますが、そんな理屈は論理にも何も成っていない意味の無い主張だと言ってるようでは、人のやった事を勉強して理解できる人間にはなれても、人がまだ誰もやっておらず、従ってどこにも書いていないような事に対して、自ら正しい答えを見つけ出すという創造的な営みが出来るような一人前の物理学者にはなれません。 蛇足に成りますが、貴方に自然科学としての素質が在るかどうかを試す質問が在りますので、それを紹介します。 ここに一枚のコインがあります。それを50回、各々デタラメに投げたらいつも表ばかりが出ました。さて、次にデララメに投げたら貴方は表が出ると思いますか、それとも裏が出るとおもいますか。それとっもその確率は五分五分だと思いますか。 もし貴方が、次も表だろうと答えたら貴方には自然科学者としての才能が在ります。もし五分五分だと答えたら、どうも貴方は自然現象よりも理屈をこねる論理の方が好きな方だと考えられます。私は、この質問を何人もの物理学者にしましたが、殆どの方は五分五分と答えました。次も表だろうと答えたのは、ノーベル賞を授賞した方と、まだ貰ってはいませんが今まで何度もノーベル賞授賞の候補者に挙っている方と、他に僅かの物理学者だけでした。

1221_005
質問者

お礼

丁寧な回答をいただき感激しました。物理学(者)の考え方が少し分かった気がします。最近、社会物理学だとか経済物理学という言葉を耳にします。どういう学問なんだと疑問に思っていましたが、なるほどそういう切り口で社会とか経済を論じていくのかと納得した次第です。最後に私も次も表だろうと思いました。いつも表ばかりでるのには何らかの理由があるだろうと思ったからです。

その他の回答 (3)

  • mazeran
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回答No.4

まあ走り幅跳び程度では顕著に表れませんが、実際問題、厳密に考えると重力に違いが出るため飛距離には違いが出てきます。 「厳密」とはNo,2様が書かれているように、いくらでも複雑な「外乱」を持ってきて論ずることは可能です。 しかし、「物理」や「科学技術」と言うのは、三次元状に広がるアナログ的な「自然界」を、人間が理解できるように影響の少ない部分を省いて考える、二次元的なデジタルへ変換して簡潔に問題を解決しています。 「地球の自転」を考えてみると、俗に言う「遠心力」の影響が絡んできます。 「エトベス効果」と言うものを考えて、そこだけ厳密に考えると数字の上では違いが出てきます。 http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/gravity/enshin.html 赤道上で1mm以下の違いのようです。 実際に計算してみるのもいい経験となりますので、お試しを!。 しかし、その影響は問題にならないくらいに小さな影響のため、煩く言われないようです。それよりも風などの影響の方が桁違いに大きいのです。 日本からサン・フランシスコ、サン・フランシスコから日本へ向かうジェツト機に乗ると、自分の体重が0.3パーセント程度変化します。 ジェット機程度の速度になると影響も出てきそうですが、人間が走る程度の速度では、向かい風か追い風かの影響が大きいようです。 「エトベス効果」の最たる例が「スペースシャトル」のような、「人工衛星」です。つまり永遠に落ち続け、飛距離は無限になるわけです。 No,1様が書かれているロケットの発射方向もこの効果を利用したものです。 つまり自転の方向に加速すれば、遠心力と重力の釣り合う速度にするのに、時間と燃料のムダを抑えることができるからです。

参考URL:
http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/gravity/enshin.html
1221_005
質問者

お礼

有難うございました。だから北は日本に向かってテポドンを発射するのですね。

noname#100814
noname#100814
回答No.3

 今でも見られるかどうかわかりませんが、 都内で電車通学をしている小学生たちが、 走っている電車の中でピヨンピヨンはねては何やら話し合っている、 という光景を目にしたことがあります。  そうです、学校でご質問と同じような内容の問いかけがあったので 実際に電車の中で確かめていたのです。

  • yokkun831
  • ベストアンサー率74% (674/908)
回答No.1

 等速度で走っている列車の中で,走り幅跳びは迷惑ですから立ち幅跳びでもやってみましょう。電車の中でこの運動を観察すると,静止した電車の中で跳ぶ場合と何ら変わらず,進行方向前方に向かって跳んでも後方に跳んでも,飛距離はそれによって変わることはありません。  地面に静止した立場からこの運動を見ると,前方に跳んだ時は列車の速度が加算されて,後方に跳んだときは引き算になります。列車が十分速ければ,後方に跳んだときにも外から見れば前方に跳んだように見えるでしょう。それでも,列車内で測定すればもちろん飛距離がマイナスになるなんてことはないですね?  電車を地球に置き換えてみてください。東に向かって跳ぶと地球の自転の速度が加算されて,ジェット機の速度を超えるような速さで前方に跳ぶことになります。ただし,これは地球外から見たとしての話です。地球もその間に自転しているのですから,地球上で測る限り前方に跳んだことによって飛距離が伸びるということはありえないのです。地球外で見れば速度は変わりますから,ロケットの発射などでは速度を稼ぐために東方向に向けて発射・加速することが実際行われています。  等速度で運動する実験室で起こることは,静止した実験室内と何ら変わることがない。これは,物理学上の基本的な原理で,「相対性原理」と呼ばれています。地球の自転による運動は,短い時間の間にはほとんど等速度運動と同じなので,自転の方向に跳んだことが,飛距離に影響することはないのです。

1221_005
質問者

お礼

有難うございました。よく分かりました。

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