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水素のジュールトムソン効果における温度上昇に関する分子論
noname#252183の回答
No1. lycanです。 >ところでジュール-トムスン効果による多少の温度上昇は、断熱膨張(ΔU=W<0)による温度降下が打ち消してしまいそうな気がしますが? 自分で書いた疑問の解答を得ました。断熱膨張に比べ無視できる程度のようです。 改訂版高等学校物理1・II教授資料 http://www.chart.co.jp/goods/kyokasho/20kyokasho/rika/butsuri/kyoujushiryo/images/kyouju_print.pdf このpdf(1枚)の右上小図を拡大し読み取ったものを転記します。 ------- (質問・回答)スプレーやボンベが気体を噴出させると冷える原因は何か。 回答 冷たくなるのは理想気体の断熱膨張が主な原因である。(中略)内部エネルギーを失って温度が下がる。これは理想気体の断熱膨張である。 ジュール-トムソン効果による温度降下もあるが、その寄与は僅かである。 たとえば、300Kの気体の体積を断熱的に2倍にする場合について、理想気体の断熱膨張による温度降下とジュール-トムソン効果による温度降下とを比べてみよう。理想気体の断熱膨張の場合はTV^(γ-1)=一定であり、窒素や酸素のような二原子分子気体を考えると、γ=7/5であることを用いて T・(2V)^(2/5)=300・V^(2/5)、 T=300×2^(-2/5)=227(K) つまり、300-227=73(K) 温度が下がることになる。 一方、常温常圧付近で断熱自由膨張をさせ、体積を2倍にして圧力をほぼ半分にした場合、窒素や酸素に対するジュール-トムソン効果による温度降下は、0.2~0.3Kであることが知られている。 -------- ボンベはともかく、スプレー(洗面台にあり、振ると中で液体がシャラシャラする)の場合は、僅かな質量を噴霧するだけで缶の表面が結露するほど冷えます。 これほどの熱量放出は相転移以外考えられない。断熱膨張よりは、主に気化熱を失うためでしょ、と思います。 (No1.訂正) Air,N2,O2,CO2などでは室温で温度効果が起きる→温度降下が起きる
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補足
ご丁寧なご回答ありがとうございます。 確かに、断熱膨張に比べてジュールトムソン効果による影響は小さいかもしれませんが、圧力減少度がたとえば、20MPaから大気圧と非常に大きい場合には、ジュールトムソン効果の寄与分もそれなりにあるかと思います。(今、ジュールトムソン係数が調べ切れていないので具体的な数値は言えませんが・・) また、断熱膨張は分子論的に考えると、分子間距離が大きくなりファンデルワールス力に起因するポテンシャルエネルギーが増大し、分子の運動エネルギーが減少し(内部エネルギー一定より)、結果、温度が下がると理解できると思います。 最初の質問に戻りますが、水素に限らずジュールトムソン効果は分子論的にどのように理解すればいいのか悩んでしまいますね。。。