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XPSスペクトル71.5 eVって・・・

XPSの結合エネルギー位置に関して質問があります。 アルミナの上にアルミ蒸着が数十nmしてあると言われている試料を測定しました。 最初のうちは当然アルミが72.9 eV付近に検出されているのですが、スパッタを進めていくうちに71.5 eV付近にスペクトルが立ち上がってきます。 X線源としてはアルミニウムのモノクロKα線を使用していて、線源に対するデータベースなどを見ていても、71.5 eVという低い位置に対応するようなものがヒットしません・・・。 スパッタしているので、アルミナに辿りついたとしてもアルミナは74.5 eVのハズなのですが、なぜこんな低位置にスペクトルが立ち上がってくるのでしょうか?

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  • kenojisan
  • ベストアンサー率59% (117/196)
回答No.2

XPSピークの予想外のシフトの原因としては、回答1に有るように、試料の帯電効果の可能性が一番大きいですが、通常は光電子が抜けて試料が正に帯電します。 そのために、正の高電圧で引っ張られて分析機で測定される光電子の運動エネルギーがわずかに少なく見積もられてしまい、束縛エネルギー表示では逆に高エネルギー側にシフトします。 従って、ご質問の低エネルギー側へのシフトは、話が違いますね。 他に考えられる可能性としては、最初に測定されたのがアルミ表面の酸化膜で、スパッターすると内部の金属アルミが出てきたのでは無いでしょうか? 保護膜の無いアルミ膜は、大気に晒すとたちまち1~10nm程度の酸化膜を形成してしまいます。スパッター速度にもよりますが、測定始めでは酸化アルミを見ていると考えるのが妥当です。 次に、束縛エネルギーの絶対値です。試料測定の時に、アルミ以外の信頼できるピークで校正をされていますでしょうか? 通常は、たいていの試料で出てくる炭素の1sピークを使って、装置の表示束縛エネルギーを補正します。 補正後の値だとすると....あとは、測定装置自体の校正不良ぐらいしか思いつかないので、金膜試料でも測定して装置の確認をされては、どうでしょうか?

zze122runx
質問者

お礼

校正に関しては金、銀、銅箔でやっていますので、問題ないことを確認しています。 異常なまでのシフトなので、酸化物とか金属アルミとかいろいろ考えてはみたのですが、どうしても・・・といった感じです。 装置メーカーの分析担当の方にも相談してみたいと思います。ありがとうございました。

その他の回答 (1)

  • leo-ultra
  • ベストアンサー率45% (230/504)
回答No.1

XPSは専門でないのでお答えしようか、躊躇してましたが、特に他の方が回答されないようなので書きます。 帯電効果じゃないですか? X線がアルミにあたると光電子がでていくわけですから、試料は正に帯電します。基板が電気を通すものならば、電流が流れてなんの問題もなく測定できますが、基板がアルミナなので電気を通しません。 試料の電位がゼロでなくなるのでシフトが起こります。 帯電する場合は低エネルギーシフトでよかったか忘れました。

zze122runx
質問者

お礼

帯電の影響は考えてはみたのですが、やはりつじつまが合わなくなりました。

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