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新薬開発について質問です。

新薬開発の初期段階について質問です。 特に新薬の探索研究あるいはマーケティング経験者の方にお聞きします。 新薬を作るには、どんな薬が求められているかという『薬のニーズ』を調べる必要があると思われますが、一体どのようにしてニーズを調査して、『今、求められている薬』を突き止めるのかをどなたか教えてください。

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  • sabidnsk
  • ベストアンサー率76% (42/55)
回答No.4

当方、過去に医薬品の戦略立案に関与したことがありますが、その経験から回答させていただきます。 大きく二つのステップで考えるとよいと思います。 【ステップ1:有望な薬効領域の抽出】 医療用医薬品の場合は基本的に病気を治すことが顧客ニーズです。この観点から考えると、今求められている薬とは、多くの人が直らなくて困っている病気を効果的に治療できる薬ということになります。すなわち、世の中の病を、(1)ニーズの量 (2)既存の薬・治療法に対する満足度 の2軸で評価することで、有望な薬効領域の抽出が可能です。 具体的な(1)、(2)の評価の仕方ですが、(1)は将来の患者数、(2)は医師へのインタビュー等によりランク分けするケースが多いです。(例:1.根治的治療法がある 2.満足できる治療法がある 3.治療法はあるが効果が不十分 4.有効な治療法がない) 患者数については欧米の調査会社から購入できますし(ただし一般に非常に高額です)、粗いメッシュになりますが医療関係の統計等を利用して推測することもできると思います。 このように分析すると、たとえば『XX性XX腫瘍は患者数は少ないけれども、有効な治療法がないし、またうちの持っている技術が生かせそうだから研究しようか』、といった判断を行うことができます。 【ステップ2:他の薬・治療法に対する差別化】 1で有望な薬効領域であっても、実際に薬効で圧倒的に有効な薬を作ることは困難ですから、既存の治療法の弱みを明確化し、最低限その弱みを克服するような薬も視野に入れる必要があります。 そのため、まずは既存の薬・治療法それぞれの強み・弱みを評価し、医師や患者が不満に思っている点を抽出します。 具体的な方法としては、評価項目をリストアップした調査用紙を作成し、その薬効領域の経験が深い医師を数名選んでアンケートもしくはインタビューにて既存の薬・治療法について評価してもらうとよいです。 項目としては、薬効領域によって異なると思いますが、薬効、効果の持続時間、副作用、侵襲性、価格、投与のし易さ、他の薬剤との併用し易さ(特に副作用を抑えるための薬に対して) などがあげられます。価格は国内の場合薬価は自由に決められず、また原価率が低いので一般的にはあまり重要なファクターではないですが、既存の治療法が手術しかない場合や、タキソールのように天然物由来などできわめて原価が高いような場合は差別化のポイントになります。また、投与のしやすさについては、既存の治療法がインスリン注射のように投与時に苦痛・わずらわしさがある場合はこの点が最大の差別化余地となるケースも想定されます。 この際、特に満足度が低い項目については、どの程度まで改善すれば十分なのか、(例:薬効は3日は続いてほしい)も明確にすべきです。 また、他社が開発中の医薬品についても、公知情報からの推定でもよいので強み・弱みを評価します。 この調査の結果から、たとえば『現在主流の薬XXは、薬効は十分だけれども、持続時間が短く、また点滴での投与が必要でわずらわしいから、XXと同等の薬効を持ち、持続時間が長い錠剤』を開発しよう、といった薬のコンセプトの設定や、具体的なスクリーニングの基準などに落とし込むことが可能です。 長文でわかりづらいかもしれませんが、以上ご参考になれば幸いです。なお、医薬品はR&Dの期間が10年以上と非常に長いため、ステップ2のいわゆるマーケティング的な分析だけでは自社がR&Dを行っている間によりよい製品が上市されるケースも多々あり、利益につながらないケースも多いと思います。ですので、ステップ1がより大切になると思います。ファイザーのように莫大な研究開発費をかけることのできる企業であればよいですが、日本の製薬業は規模が小さく、メインストリームの領域ではなかなか勝てなくなりつつあります。ですから、薬効領域をより細かく見て、ニッチな領域を見つけることが最大のポイントです。たとえば肺がんではなく、非小網胞肺癌 といったメッシュでの分析が必要と思います。

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その他の回答 (3)

  • noname002
  • ベストアンサー率36% (97/264)
回答No.3

No.2さまの御回答を拝見して少し驚くと共に改めて認識を新たにしました。私は全く専門外ですから、もとより御読み流しくださればということで投稿しましたものの、「新薬モニター」というのがありまして 発売直前の医薬品、健康食品、化粧品等を使用し、血圧、体温、採血、採尿等の検査に協力するというのが念頭にありました。御質問も、身近なレベルからのニーズの掘り起こしをお考えなのかという印象を持っていました。 質問者さまの仰る「新薬開発」というのは、純然たる疾患治療面での「臨床開発」に限ったことだったのですね、失礼しました、それでは こちらのサイトを御参考に。 臨床開発(新薬)の現状と今後 国内の医薬品の開発状況は、年々、その開発品目数が減少傾向にあります。 その原因としては、新薬候補物質が見つかり難くなったことと、研究開発費の高騰によるテーマの絞込みが減少の主な原因と考えられます。 実際に、ここ数年間の治験届出総数や新薬の初回治験届出数は減少傾向にあります。 このような状況の中、製薬企業におけるサバイバル競争は激化を続けているのです。 結果として、製薬企業の二極分化は、益々進み、その形態は、新薬開発型メーカーと後発品メーカーへの分化とニッチ領域へのシフトが進んでいます。 いわゆる中堅メーカーは、その選択を迫られている状況にあり、一部のメーカーは、ジェネリックへの新規参入を明言し、新薬開発型メーカーからの大きな決断をしている企業が出てきています。 http://www.shinyaku-kaihatsu.com/01 http://www.jpma.or.jp/medicine/med_qa/development/q03_84.htm 米国の法律では、薬とは「病気の診断や治癒、症状緩和、治療、予防の目的で使用する物質(食品や装置を除く)」または「体の構造や機能に作用することを目的とする物質」であると定めています。たとえば経口避妊薬は病気を治す薬ではありませんが、体の機能に作用する薬の1例です。薬を包括的に定義することは法的には重要ですが、この定義は日常的に使用するには些か複雑すぎます。もっと簡単かつ具体的に定義するならば、薬とは「体と体のプロセスに作用する化学物質」とみることができます。 法律では、薬を処方薬と非処方薬の2つに大きく分類しています。処方薬とは、医師の管理下で使用する場合に限って安全であると考えられているもので、政府から処方を行う免許を与えられた公認の専門家(医師、歯科医師、獣医師など。米国にはこのほかに特定の分野の専門資格がいくつかある)が処方した場合に限って調剤される薬です。非処方薬とはアスピリンなど、医師の管理なしに使用しても安全であると考えられているもので、市販薬として店頭で販売されている薬(OTC)です。 http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec02/ch010/ch010a.html Rx(医療用薬):医師がユーザーであり、製品の選択権が医師にある。 OTC(一般用薬):ユーザーは生活者。 転用(スイッチOTC):医療用でのみ使用が認められている成分の中で比較的副作用が少く且つ安全性の高い成分について、一般薬への配合を許可 http://www003.upp.so-net.ne.jp/nozu/otctrend.html どのような生体高分子をターゲットにすれば、どのような疾患の薬が創れるか?それを考えるところから新薬の研究は始まります。 基盤技術系部門ではゲノム情報やモデル動物を用いた解析を通じて、受容体や酵素といった創薬ターゲット探索を行います。見出されたターゲット候補分子が病態に関連している事が確認されると、膨大な化合物ライブラリから最先端のアッセイ技術を駆使して「新薬の種」となる化合物が選出されます。 化学系部門では「新薬の種」となる化合物に対して様々な構造修飾を行い、薬理活性・薬物動態・安全性を高めて患者さんの待ち望む医薬品へと成長させていきます。 http://www.shionogi.co.jp/recruit/information/type/study.html

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  • kgu-2
  • ベストアンサー率49% (787/1592)
回答No.2

 新薬を夢見て、薬学部に入学し、「10年と10億かかる」(40年前で)、1週間で挫折。退学する元気もなく・・・、なんとか薬剤師の免許を取得。今では、立派なぺーパー薬剤師。 単に、需要と供給の関係。  需要からは、第一は、患者数。第二に患者数、三、四がなくて、患者数。  新薬というのは、疾病を治療するためなので。逆に、公害の新薬、なんぞには手をだしません。難しいというのもありますが、患者数が少なく、増える見込みがない。イタイイタイ病だと、生存患者がいるかどうか。  大学の研究だと、利益第一ではないので、開発もあるかも。 患者数は、厚生労働省が公表しています。  供給からは、その薬の単価。利益。「ジエネリツク」なんぞは、新薬ではありませんが、この典型。  生死にかかわらないものは別。毛はえ薬など。これは、新薬とは、普通は認識しません。サプリメントも。

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  • noname002
  • ベストアンサー率36% (97/264)
回答No.1

研究開発部門等と直接の関わりがあったわけではなく、以前の勤務先が製薬関係の大手企業でしたので、そこで少し見聞したことです。ですから、参考程度に お読み流しください。 新薬開発といっても、いろんな分野がありますが、主に一般家庭で使用されるようなものでしたら、この方面は、いわゆるニッチ産業と称されるように、ほんの少しの差別化を図って、業界各社間で しのぎを削っているということでした。 中心的な方法としては、やはりアンケートをとったりするでしょうが、私が所属していた企業では、案外と研究開発所属の社員は もちろんのこと、その他の一般部署の社員も含めて、自分たちが日常生活のなかで、こういう薬があれば、あるいは、この薬の、こういうところが、このように改善されたら、もっと つごうがいいのに、といった身近な発見を社内アンケートや提案システムで どしどし発言していき、そのなかから有望とされたものを(ここにもアンケートを活用していると思います)実際の研究開発へ進行させるという やり方もとっていたようです。 あと、やはり、そのときの時代状況からくるニーズとか、時期的なものにも大きく影響されると思いますが、 私が むかし付き合っていた人が化学畑の人で、やはり製薬関係の研究開発に従事していましたが、あてずっぽうみたいに実験していたら、たまたまオモシロいものができて、それを他分野の企業などにサンプルで打診して、興味を示してもらえたら、実際の製品開発に着手する、といったやり方もする、と聞いたことがあります。 時代や一般家庭の状況などに対する幅広い観察だけでなく、自分の個人的な生活実感からも初期のニーズは探れるのではないでしょうか。

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