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エルゴード性とは何ですか?
エルゴード性とは集合平均と時間平均が一致するもの というような説明はよく聞くのですが、エルゴード性があるとどうなるのでしょうか? 或いはエルゴード性から何が分かるのでしょうか? いくつか本は見てみたのですが、どれもいまいちピンと来ませんでした。 どなたか分かりやすく教えて下さい。
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集合平均と時間平均の違いはわかりますか? 例えば、ある人が時刻t(-∞~∞)に測定した量をx1(t)とします。色々な人が同じ物を測定してx2(t),x3(t)・・・という量が得られたときに ある時刻t=t0に得られた量x1(t0),x2(t0),x3(t0)・・・の平均を集合平均(アンサンブル平均といったりもします)といい ある人が時間t=t0,t1,t2・・・に測定した量のx1(t0),x1(t1),x1(t2),・・・の平均を時間平均と言います。 サイコロを例にしてみると、同じ人が同じサイコロを何回も振って、1が出た回数の平均値が時間平均であり、ある時刻にたくさんの人が一斉に全く同じサイコロを振ったときに1が出た人数(同じサイコロを同じ時間にみんなが一斉に振るのは不可能なのであくまで仮想的にですが)の平均値が集合平均となります。 同じ人がサイコロを何回も振っていくうちに、サイコロがゆがんで目の出方に偏りが生じてきたら、当然集合平均と時間平均は異なってしまいますね。 そのようなことが起こらないという仮定、すなわち集合平均と時間平均が一致するという仮定がエルゴード仮定(あるいはエルゴード性)というものです。 サイコロの目の出方の確率を厳密に求めるには、"全くの同じ"サイコロを"全く同じ時間"に色々な人が投げてある目が出た人数の平均値(すなわち集合平均)を求めなければいけませんが、そういうことは現実的には不可能ですよね。そこでこのエルゴード性を仮定すれば、一つのサイコロを何回も振ってある目が出た回数が(すなわち時間平均が)正しい確率だろうとわかるわけです。 物理の統計力学という分野では、このエルゴード性を仮定した上に成り立っている学問ですので、とても重要な概念となります。 尚、サイコロの例をみてもエルゴード性は正しい物だと直感的には理解できますが、未だに証明はなされていないため、あくまで仮定に過ぎないと言う意味をこめて、エルゴード仮定と言われています。