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共同根抵当権に備えた仮登記

businesslawyerの回答

回答No.6

 ご質問を整理すると、まず最初は「累積式(共同)根抵当権設定仮登記を複数の不動産に最初にしておき、根抵当権の実行が必要になったら本登記(かつ共同化)した上で、実行する。そういうことは可能か?」というニュアンスのご質問をされたと思われます。これについては先に述べたように、少なくとも不動産登記法上について言えば、「本登記の際に根抵当権を共同化することは可能である」と先例番号等と共に回答いたしました。  そして次に、「抵当権の実行が不要になる事がありえる以上、仮登記で済ませる方が経済的合理性にかなっている」更に「あるレンダー(金融機関等)が(A・B各企業に融資したんでしょう)その融資の担保として共同根抵当権をそれぞれ設定したが、A企業には本登記・B企業には仮登記とした場合に、レンダーのA・B各企業への判断に違いがあるのか?」とご質問されています。  これについて回答しますと、「Bの根抵当権仮登記が後に本登記されない限り、「もしAが債務不履行となった場合には、レンダーが根抵当権を実行してその不動産の売却代金から債権を回収することが可能であるが、Bが債務不履行となっても、少なくとも仮登記された根抵当権に過ぎない不動産からは債権を回収出来なくなる恐れがある」という事になり、従ってレンダーの判断としては、「Aに対しては(共同根抵当権の設定契約及びその本登記がされているため)融資の担保を確保出来ており安心できるが、Bに対しては根抵当権の設定契約自体はしているがそれが仮登記に止まるため、仮登記の後順位に抵当権設定登記等があるとその抵当権者に根抵当権者たるレンダーが対抗出来ない事から、レンダーがその根抵当権を実行できないだけでなく、抵当権者が抵当権を実行した場合でも優先弁済権を主張できず、配当も受けられないため、安心できない」という事になるのではないか、と考えます。    最後に、抵当権や根抵当権といった「担保権」は、債務不履行となった時の担保として意味のあるものでなければなりません。従って、仮登記に過ぎない(共同)根抵当権では、債務不履行時に実行できず配当も受けられないため、実質的に担保権としての意味を成さない(特に配当に関して、他の担保権者に遅れを取る事になってしまう)、という事をご理解頂ければと考えます。その上で、しかし質問者さんが言われるように、現実として仮登記に止まる(共同)根抵当権等が実務上存在しているのはなぜか、という疑問に突き当たるわけですが、それはあくまで実務経験の無い私の憶測ですが、こう考えます。  確かに、債務不履行時に実行できないような担保権では実質的に意味が無い。しかし例えば、融資を受ける債務者が大変経済的に信用の高い大企業等であり、本来担保等取らず信用貸ししても良いくらいなのであるが、レンダー側の社内規定等何らかの事情により担保を取る必要がある。そのため融資した当初は、殆ど実行する予定が無いであろうと考えて、登録免許税の安価(担保権の登録免許税は、本登記は被担保債権額×4/1000、これに対して仮登記は不動産1個当たり1000円)な仮登記をしておく。そして、万が一債務不履行に陥りそうな時は、本登記をして実行・配当に持っていく。あるいは別の事例では、その債務者が、融資を受けるのはそのレンダーのみであり、他のレンダー等から融資を受ける事が全く無いという事であれば、他の担保権者との優劣を考える必要がないため、万が一での実行する事になる時だけ事前に本登記すれば良い事になります。このような事例ならば、質問者さんが言われるように(共同)根抵当権が仮登記のままでも良いと考えられるのではないかと思います。

reitdepon
質問者

お礼

たびたびありがとうございます。 理屈上は相手先の信用力に係らず当面は仮登記で問題なく(登記費用を担保に取り、かつ、本登記に変えるのに必要な公正証書等を予め用意しておけば)、担保権実行の段になったら本登記にすればいいような気がするのですがねえ。 どうも実務は違う様子。上記の理屈が間違っているのか、あるいは実務的な事情があるのかと思っての質問だったのですが、実務経験がなければ答えようがないですよね。 どうもです。

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