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脳梗塞の随伴症状
いつもお世話になっています。タイトル通り脳梗塞の随伴症状で顔面神経麻痺がでるのは何故なのでしょうか?また顔面神経麻痺というもの自体よくわかりません。観察のポイントなどあればご教授いただきたいです。
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顔面神経麻痺とは、顔面を動かす神経経路の何れかの部分が障害を受けることにより顔面の筋肉が動かなくなる現象です(正確には顔面神経の担当する涙・唾液の分泌障害や、味覚障害も含まれます)。顔面神経麻痺の患者さんは、麻痺側の瞼を閉じられなくなったり麻痺側の口の周囲が垂れ下ったような感じになります。 手足を動かす神経線維も顔面を動かす神経線維も大脳から脳幹上部までは同じ経路を辿ります。即ち、大脳の運動野(中心前回)から始まり内包後脚→中脳(大脳脚)と神経線維が降りてきます。この一連の運動神経の経路のことを錐体路と言います。この経路のどこかで脳梗塞がおこった時には手足の麻痺だけでなく顔面の麻痺も起こります(従って脳梗塞の際の顔面麻痺は「随伴症状」というよりは主症状の一ついうことになりますね)。 錐体路はその後そのまま中脳→橋→延髄と走行して延髄の錐体交差と呼ばれる部分で反対側に移り、そのまま脊髄の下方まで走行します。一方顔面を動かす神経線維は、橋の部分で錐体路から離れ、やはり反対側に移り橋にある顔面神経核に入ります(顔面の上半分を支配する神経線維は一部交差せず同側にも入ります)。顔面神経核を出た神経線維は脳幹から外側に出て頭蓋骨の中にある内耳道まで聴神経と一緒になって走行し、膝神経節を経てその後顔面を動かす筋肉や涙腺、唾液腺、舌に到達します。 大脳から顔面神経核までの経路が障害されたことによる顔面神経麻痺を「中枢性(或いは核上性)顔面神経麻痺」、顔面神経核より末梢が障害されたことによる顔面神経麻痺を「末梢性(或いは核下性)顔面神経麻痺」と言います。末梢性顔面神経麻痺は「ベル麻痺」とも呼ばれます。 尚蛇足ですが、脳幹の顔面神経核の高さで脳幹梗塞などが起こったときには、対側からの神経線維を貰った顔面神経核とまだ対側に交差していない錐体路が同時に障害されることにより、病変と同側の顔面麻痺と病変とは反対側の手足の麻痺が起こることがあります。これを「交代性片麻痺」と言います。さらにこれに外転神経麻痺を伴ったものを「ミヤール・ギュブレール症候群」と言います。 観察のポイントですが、顔面の上半分・前頭部の筋肉は両側からの神経支配を受けているのに対し、顔面の下半分は同側からの神経支配しかうけていません。従って、脳梗塞などで中枢性顔面神経麻痺が起こった場合には顔面下半分のみの麻痺となり、ベル麻痺など末梢性顔面神経麻痺の場合には片側の顔面全体が麻痺します。診察の際、片側顔面全体が麻痺しているのか、或いは顔面の下半分のみの麻痺なのかを観察することで中枢性麻痺か末梢性麻痺かが判別できます。 以上長々と書いてしまいましたが、いかがなものでしょうか。
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- TAKEUSA
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回答が無い様ですので分かる範囲で回答申し上げます。 何をお聞きなのはしばらく考えたのですが、きっと、「脳梗塞なのにどうして関連の無い末梢の顔面神経まで麻痺するの?=合併or随伴?」とお考えになったのかと想像しています。そうでは有りませんか? 顔面神経は12脳神経のうちの第7神経です。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B3%E7%A5%9E%E7%B5%8C 脳神経とは脳から直接出ている末梢神経の総称です。 ですので左右2つあり顔面の運動をコントロールしています。 よって、脳梗塞で脳神経が障害を持ちますし、それより末梢のトラブルでも麻痺が起こります。 また脳梗塞で障害が起きても「随伴」とは呼びません。「片麻痺」のうちの立派な片方の麻痺の症状に含まれます。
お礼
回答ありがとうございます!まず随伴とは言わないのですね…すみません。確かに末梢神経が何故という疑問がありました。しかし梗塞や出血が起こればどんな症状が出てもおかしくないですよね。脳神経は理解したつもりでしたがまだ間勉強不足のようです。稚拙な質問に回答していただきありがとうございました!!
お礼
いつも丁寧な説明ありがとうございます!まず随伴症状ではなかったのですね…すみません。俗にいう兎眼がでたり涎が垂れたりするわけがわかりました。額のしわ?が消失すると聞いたことがあるのですがそれも同じメカニズムなんでしょうか?観察のポイントも中枢か末梢かの区別の方法もわかりました。稚拙な質問でしたが回答ありがとうございました!