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エステル結合

「C,H,Oよりなり、エステル結合としてのみ酸素原子を有する物質Xがある。このエステル結合を完全に加水分解したところ、同一の分子を有し、塩化鉄IIIと呈色する物質A、Bが同量得られた。Aの30.4ミリグラムを完全燃焼させたら、70.4ミリグラムの二酸化炭素、14.4ミリグラムの水が生成した。また、Aの組成式は分子式と一致していた。 1.分子式を求めよ。 2.Aの推定される構造式を一つ書け。 3.Xの推定される構造式の数はいくつか。」 この問題がどうしても分かりません! お手数ですが、詳しく解説お願いします

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noname#116453
noname#116453
回答No.1

まず、問題文の「同一の分子」というのは「同一の分子式」の誤りでしょうね。そうでなければ意味をなしません。 完全燃焼を行った結果より、CO2が70.4mgということですので、それに含まれるCは70.4x(12/44)=19.2 mg となります。これは基本ですのでわかりますよね?同様に、H2O 14.4 mgより、Hは14.4x(2/18)=1.6 mg です。 Aの30.4mg のうちの残りは酸素であり、その量は 30.4-19.2-1.6=9.6 mg です。これに基づいて計算すると、 C:H:O = ( 19.2/12):(1.6/1):(9.6/16) = 16:16:6 = 8:8:3 となるので、分子式はC8H8O3ということになります。 『塩化鉄IIIと呈色』ということから、Aはフェノール性のOHを有していることになり、その部分でエステル結合を形成していることになります。 問題はフェノール性のOHが何個あるかということですが、「エステル結合としてのみ酸素原子を有する」ということより、酸素を含む官能基としては、OHとCOOHしか考えられず、後者には2個の酸素が含まれています。したがって、OHが2個ということはあり得ないので、この時点で、1個または3個ということになります。しかし、3個あると仮定すればその相手であるBにCOOHが3個あることになり、最低でもOが6個必要になるので、AとBの分子式が同じであると言う記述に反します。 したがって、AはOHとCOOHを1個ずつ含みます。 そうするとベンゼン環とCOOH基をあわせてCが7個必要ですので、残りは1個です。後はそれらのパーツをどう組み合わせるかの問題です。 と、ここまで書きましたが、実はこの問題は論旨的に破綻しています。なぜなら、1分子のXから生じるAとBの数が特定されていないからです。これを特定しなければ3の問題の答えは一義的に決定できません。ただ、それはおそらく出題者の技量不足(あるいは思い込み)ということであって、AとBが1分子ずつが生じると言う記述をしなかったと解釈して話を進めます。 話を戻しますと、上述ことから、AとBは2個のエステル結合でつながっていると考えられますので、2個のエステル結合を含む環状の構造を有することになります。ただし、そのOH由来の部分はフェノールということになりますので、Oはベンゼン環に直結しています。ということは、環状構造が可能になるためには、COOHの部分がつながっている置換基は、OHに対してオルトに位置する必要があります。メタやパラでは、結合の長さや角度の関係で環状構造を形成できないからです。 以上、総合的に考えればAの可能性は5種類あります。まず、サリチル酸を基本として、置換基のついていないベンゼン環の炭素4個のいずれかにCH3が置換したもの(4種類)と、ベンゼン環にOHとCH2COOHがオルトの位置関係で置換したものの合計5種類ということです。Bについても同様です。 上述のように、仮にX1分子から生じるAとBが各1分子であると仮定すれば、その数はAとBの組み合わせの数になります。ただし、AとBは異なっているということを忘れてはいけません。また、AとBが逆になったものも同一物です。すなわち、「Aの構造をア、Bの構造をイ」として考えられるXと、「Aの構造をイ、Bの構造をア」として考えられるXは同一物ですので、重複を避けるために、2で割る必要があります。あとは数学です。 {(5x5)-5}÷2=10 で10通りというのが私の回答です。 ちなみに、「X1分子から生じるAとBが各1分子である」という仮定を外せばXの構造式は無数にあることになります。 なお、この手の問題はかなり煩雑ですので、解答がわかっているのであればそれも記述して欲しいと思います。さんざん考えたあげく答が違ってますでは少々わびしいですから。

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