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選挙の仕組み
私は塾で講師をしているものです。先日、生徒にどうして衆議院と参議院で選挙の仕組みに違いがあるのか?なんで同じやり方にしなかったのか?と質問されました。 比例代表制と選挙区制が併用されている理由はわかるのですが、どうして衆議院と参議院でまったく同じやり方に統一しなかったのでしょうか。わかる方がいらっしゃいましたらぜひ教えてください。よろしくお願いします。
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- hukuponlog
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推測ですが,これは,戦後すぐの選挙の方式の違いを引きずっている,ということだと思います。戦後,貴族院が参議院となった時点で両院の選挙方法は違っていました。 何故違っていたかというと,衆議院は地域代表,参議院は職能代表というニュアンスがあったからです。職能代表というのは,例えば医師なら医師,漁業関係者ならその代表という「職業の代表者」を議会に送る,という意味です。 戦後すぐの憲法論議を読むと,参議院=「職能代表」的な議論がかなり出ています。これは,職業を代表する議員を「無選挙で」出そうとするもので,もちろん公には否定されています。ただ,参議院が選挙に基づいた上で,そういう議員で構成される方が望ましい,という「ニュアンス」は感じられます。 「昭和21年8・24衆院本会議 委員長報告 参議院を設置するとせば、職能代表制を加味するのでなければ、徒らに衆議院と重複する立法機関を作ることになるのではないかと質疑がありました、職能代表制に対する政府の見解は…適当でない、…参議院に付ても国民公選の趣旨を堅持すると同時に、職能に熱意と経験と知識とを有するものが国政に参画出切るやうに其の構成を考へたいと云ふことでありました」 上記の議論は,職能代表として無選挙で(戦前の貴族院のように)議員を出すべき,という意見が否定されたということでして,選挙に基づいて職能代表が出ることは想定しています。 実際,30年ほど前までの参議院はそうした色合いが濃く,全国区(日本全体を一つの選挙区とする,ただし比例代表制とは全然違います)の議員は,医師会推薦だとか看護師会の会長,業界団体の長などが当選していました。 地域代表を選ぶにふさわしい選挙方法と,職能代表を選ぶにふさわしい選挙方法は当然異なるわけです。職能代表を選出するなら全国区の方が適切です。元々の選挙方法が大きく違っていましたから,制度をいじるにしても,あまりにも急激に両院の選挙制度を動かすことはできません。 その名残があって,現在でも選挙方法は異なっている,ということではないでしょうか?
- gohara_gohara
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あくまでも、私見です。 選挙方法が異なっている理由としては、選挙方法によって、有利不利というものができるため、複数の方法をとることにより、様々な考え方が反映しやすい環境を作っている、ということではないかと思います。 例えば、現在、衆議院で行われている小選挙区制というのは、その選挙区で最も得票数を得た人1人が当選する、というものです。 この場合、もし、5人が立候補して、21%、20%、20%、20%、19%という大接戦であったとしても、21%の人がその選挙区の定数を独占することになります。そうすると、79%の投票は死票になります。このシステムは、大政党に有利で、マイノリティには不利に働きます。そうなると、そういう意見が反映されなくなります。 一方で、参議院で行われている大選挙区制は、一つの選挙区で複数の議員が当選するため、選挙戦略の工夫をすることでマイノリティでも議席数を得ることができます。しかし、その一方で、今度はある特定政党が圧勝する、ということができにくいので、連立政権などの形で人々にはわかりづらい関係が優先されることになります。それはそれで問題と言えます。同様のことは、比例代表にも言えます。 衆議院は、優越権があるため、予算、首班指名などで優先されます。 それらは、必ず決めなければならないことですので、多数派がはっきりと決まる小選挙区制の方が良いでしょう。 一方で、その衆議院の暴走に歯止めをかける役割を負っている参議院では、様々な意見が反映される方が良いことになります。とすれば、選挙戦略次第で小政党も議席が取れる大選挙区制であることが良い、ということなのだと思います。 また、衆院、参議院の二院制で、かつ、参議院が半数ずつ改選、というのも、都合3回の時期の国民の意見が国会に反映される(衆参同時選挙でも2回)、ということで慎重さを担保している、と言えるのではないでしょうか。 かつては衆議院も複数人が当選する中選挙区制であり、また、参議院は、比例代表ではなくて全国区があったなど、規定そのものは変更されていますが、敢えて別の方式にしている、ということは同じだと思います。
お礼
早速のお返事ありがとうございます。かなり納得することができました。明日生徒に自分なりに噛み砕いて説明します。本当にありがとうございました。