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極性と溶解度
ポリマーとモノマーをアセトンに溶かした溶媒を、ヘキサンに溶かしました。 そこで不溶化したものは、ポリマーだと言われました。 ポリマーはモノマーより極性は小さいのに、極性の小さいヘキサンになぜ不溶化 するのでしょうか? どなたか分かる方がいましたら教えてください。
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- psa29
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溶解現象について考えてみましょう。 物質Aと物質Bを混合し、お互いを溶解させる場合、物質Aの中のA分子間に働く分子間力と物質B間に働く分子間力を切断し、 新たにA分子とB分子との間に分子間力を形成させなければなりません。 A分子とB分子との間に新たに形成される分子間力A-Bがエネルギー的に非常に安定ならば、物質AとBは溶解します。 このな場合は、溶解熱は発熱となります。 つまり溶解させて発熱する場合は両者は溶け合うことになります。 しかしながら、このような場合はむしろまれなケースです。 ほとんどの場合が、逆に吸熱的なのです。 A分子とB分子の分子間力(極性)が異なるほど自分自身の分子間力を切断し、 異種分子と新たに分子間力を形成することは不利になります。 つまり溶解しないということになります。 この考え方だけですと、ほとんどの場合が吸熱的ですから、 ほとんど全ての物は溶解しないことになってしまいます。 もう一つ、エントロピーの増加を考えなければなりません。 箱の中にたくさんの赤いビー玉と青いビー玉を分けて入れておき、箱を振動させてビー玉を動かすと、 色分けしておいたビー玉は混ざってしまいます。色以外は大きさも重さもいっしょです。 このように、分子は本来は分離しているのではなく混ざりたいのです。 混ざった方がエントロピーが増加するのです。 しかし、あまりに異なった分子同士では先ほどのエネルギーの問題があって混ざれません。 分子間力(極性)の似たもの同士は、エントロピーを増加させ混ざりたいという性質を出来る限りじゃましない組み合わせなのです。 ところで、高分子になるとたくさんのモノマーが共有結合で連結されているので、溶解してもこの結合が切れることはありません。 溶解した後の状況を低分子同士に比べてみると、低分子同士では小さな分子がばらばらになってエントロピーが増加しているにもかかわらず、 高分子の場合には、モノマーユニットの隣に必ずモノマーが存在します。 (共有結合でつながっているのですから) 高分子になるほど、溶解後のエントロピーの増加は小さいので、溶けるためには、 よほど似たもの同士で、エネルギー的なマイナスを小さくしてやる必要があるのです。
モノマーはヘキサンの中に「分散」し「混ざります」。 一方分子量がモノマーの千倍以上もあるポリマーは「分散」出来ず、それ自身で「結晶」状態、ないしは固化しています。 溶けるということは「分散」するということですので、極性が低くても、ポリエチレンやポリプロピレンはヘキサンに溶けませんし侵されません。
補足
回答ありがとうございます。 質問を付け足してもいいでしょうか? 「分散する」「溶ける」の違いは何でしょうか? また、アセトンにはモノマーもポリマーも溶けるのはなぜでしょうか? もしよろしければ教えてください。
お礼
ありがとうございます。 長い説明をしてくださって感謝です。 すべては、理解できませんでしたが (勉強不足で・・・) 高分子ほど、溶解度パラメーターが近くないと溶解しないと いう認識でいいのかなと思いました。 化学は、奥が深いですね。