精進料理のレシピを教えてください
いつもおせわになります。
頭乳羹という精進料理のレシピがわかりません。
なにとぞお助けください。
■ 質問
頭乳羹(ずにゅうこう)という精進料理のレシピを教えてください。
■ 疑問点
頭乳羹は道元の『典座教訓』という本に名前だけは出てきますが、具体的な作り方は一切書かれていません。ネットや図書館で調べましたがレシピはみつかりませんでした。
ネットで調べても『典座教訓』関係のサイトしか見あたらないところをみると、著者は筆の勢いでありもしない料理名を作ったのでしょうか。しかし道元ほどの偉人がそんな事をするとも思えません。
『典座教訓』はレシピ本ではないということは存じておりますが、頭乳羹という名前がある以上実在する料理だと思います。もしかすると現代では別の料理名がついているのかもしれません。
岩波文庫註記には頭乳の「頭」とは1頭2頭と数える牛のことで、頭乳とは要するに牛乳のことだとあります。1頭2頭と数えるのは牛に限らず、馬や羊もあると思うのですが、そのあたりくわしい説明はありません。
■ 今までに調べたこと
『典座教訓』には
たとい苒菜羹を作るの時も嫌厭軽忽の心を生ずべからず。
たとい頭乳羹を作るの時も喜躍歓悦の心を生ずべからず。
という風に頭乳羹と苒菜羹が対になってでてきますが少し後に、
醍醐味を調ふるも未だ必ずしも上と為さず
苒菜羹を調ふるも未だ必ずしも下と為さず
と、
醍醐味と苒菜羹が対になっていることから、頭乳羹 = 醍醐味 の可能性もあるのではと思います。
また、漢和辞典で頭乳羹の「頭」という字を調べると、「最上の」という意味があり、『涅槃経』でいう「醍醐」(最上の乳製品)と意味が似通っていることからも、頭乳は醍醐の言い換えであり頭乳羹は醍醐を使ったスープ料理ではないかと思います。
では醍醐とは何か、ということなんですが、乳→酪→生酥→熟酥→醍醐 の順に精製していくものらしいのです。
道元の時代からはかなり遡りますが、『斉民要術』という本によると酪はヨーグルト、酥はヨーグルトを撹拌すると浮き上がってくる脂肪分を冷水に晒したものだそうです。しかしこの酥が生酥なのか熟酥なのかはっきりしません。
また、この酥という乳脂肪の塊(無塩醗酵バター?)をどうすれば醍醐になるのかもわかりません。そもそも 頭乳 = 醍醐 の仮説自体正しいのかもわかりません。
もうここからはお手上げです。
頭乳羹についてどんなことでもかまいません。なにかヒントなりともご示唆くだされば幸いです。