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漢字の起源となった甲骨による卜占
goo-par1732の回答
司馬遼太郎著『街道をゆく 壱岐・対馬の道』に、かなり詳しく、しかも門外漢の私でも理解できるような文章で載っています。 その部分部分をつなぎながら書いてみます。 動物の骨を焼いて吉凶をうらなうというのは、古代の北アジアの諸民族(中国からみれば蛮族)一般の習俗である。 中国大陸では文字のないころから、周辺の諸民族が流入しては、中央・地方に王朝をたてた。 それらが草原でやっていた骨卜の習俗をもちこみ、やがて殷になって亀卜になったのであろう。 骨卜をやっていた遊牧民族たちが草原で羊を追いつつ信仰していたのは、天であった。 天という中国語も、草原民族たちのテングリ(天)からきたのではないかという説もある。 殷人が夷狄くさいのは、王みずからが天を祭り、天の意思を知るために王みずからが神主の長となって亀卜をおこなったことである。 天という意識なしに、骨卜は成立しえない。 司馬氏によれば亀卜よりも鹿卜の方が古いそうで、日本でも今も鹿卜神事をやっているそうです。「鹿卜の神事」で検索すれば何件かヒットします。 http://d.hatena.ne.jp/hokuto-hei/mobile?date=20040419 ご参考になれば幸いです。
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お礼
早速にありがとう御座います。 司馬遼太郎さんを歴史作家とか文人とかでくくることのできない方なのだと、ご回答を拝読しながら認識を改めました。 小説をあまり読書してきていないので、申し訳なく存じます。 殷人が夷狄くさいのだということも教えていただき、今後よく注意していきたいと存じます。 文身の風俗、天の思想、祭壇を人為の工作で殊更に造作しないという多くの神社なども、何か共通性があるような気もしてきます。 神字というと、現代の正統的とされる多くの学者は、いわゆる古史古伝という用語を使いながら、すぐに胡散臭いという観点からの評釈を加えますが、鹿卜に関連している可能性があるかもしれませんね。 天という観念はまことに精妙であり、奥のあるものですね。 歴史学にも、知性に責任にもないので、どう人が往来したかのことは別にして、殷人の宗教性とわが国の神信仰の話が、なんともいえず、神秘な感じでした。 勉強しなければいけないことが、毎日増えるばかりで、楽しいような死ねないような気持ちになってくるのです。 ありがとう御座いました。
補足
鹿卜というもの、甲骨卜占自体とても奥がありました。 明治の維新継承官僚やらなにやらを耐えて、見失ったものに出遭うのはまことにたいへんなことです。 文化というものの一つの運命なのかもしれませんが、絶滅の生物、民俗、民族、氏族、そして言語のことなどが思い浮かんでまいりました。 ありがとう御座いました。