目的語駆動力と言う考え方について(1)
こんにちは。taked4700 です。
英語文法について、普段からいろいろ考えてきましたが、高校段階でやる動詞の語法について、それを説明するのにとても便利な考え方として、目的語駆動力と言うものがあると思います。
それについて、幾つか、説明を考えてみました。この考え方が正しいか、または、これと同じような考え方が、以前、誰かによって言われていたか、それを知りたいと思います。
1.request とか、recommend と言う動詞の使い方を覚える時に一番問題になるのは、これが第4文型で使えないと言うことです。つまり、I recommend him that he go there at once. のような文は間違えになるのです。これは、request もrecommend も、提案、推奨しているだけで、一体性、既遂性のようなものが無いからです。逆から言うと、第4文型と言う表現形式は、二つの目的語が直接並ぶことによって、一体性、普遍性のようなものが強調され、たとえば、He taught me English. と言う文は、「私が英語を身につけた」度合いが、He taught English to me. よりも高いと言うニュアンスが生まれます。また、He gave me that book. は、同様な行為が結構日常的にあると言う前提があります。He gave that book to me. なら、与えると言う行為があまり無いことを暗示するか、または、その時の一回きりの「本を与える」と言う行為に注目した言い方です。つまり、recommend, request, suggestのような動詞は、提案、示唆しているだけで、行動が決定されるわけではないので、request + 目的語(人)+薦める内容 と言う語順を取りえないのです。 動詞 + 目的語(人)+薦める内容 と言う語順は、I wish you a Merry Chistmas. のように、目的語(人)と薦める内容とが一体感のある文で使われると言うことになります。
2.なぜ、I request to him とは言わずに、I recommend to him は、ある程度使われることがあるかと言うと、request には一種の目的語駆動力というか、目的語に対する働きかけの力のようなものがrecommend よりも強く感じられ、それが、request to him のようにしてしまうと、to him の持つ距離感と言うか、目的語が離れていると言う感覚と矛盾してしまうからでしょう。この目的語駆動力と言う感覚は、実を言うと、とても大切な感覚で、使役動詞などの使い方を理解するうえで、とても役に立つものです。
3.目的語駆動力と言う考え方と、名詞節の独立性、目的語+to不定詞(または原形不定詞)の被駆動性(つまり、動詞によって駆動されやすいその度合いの意味)の組み合わせにより、ほとんどの動詞の動詞パターンを説明することが出来ます。なぜ、hope+目的語+to do の形が取れないのか、などその説明が非常にきれいに出来ます。
たとえば、want は、「望む、要求する」のような意味で、目的語駆動力が非常に高いのです。その結果、I want him to go there. のような形が出来ます。しかし、hope は、「現実的な訳、実現可能性を証明する根拠のようなものが無いまま、希望する」と言う意味なので、当然、目的語駆動力がほとんど無いのです。その結果、I hope him to go there. のような文型は取れないのです。しかし、目的語+to do ではなくて、that節なら、駆動すると言う意味は無くなり、単にある情景を望んでいるだけなので、hopeの目的語として成立できるわけです。つまり、反面から言えば、だれでも、どんなことでも願うことは出来るわけで、その「願う」という意味を表現する言葉がhopeということです。
反対に、駆動力の高いwantは、that節を取ることが出来ません。I want that he go there. のような文章は、駆動力の対象となる目的語が無いわけで、駆動力が空回りする印象になるからです。that節は、一種の文章であり、駆動する対象ではないのです。
want と hope を駆動力と言う視点でもっと強いものと弱いものの両極端とすると、advise は、その中間と言えます。つまり、目的語に何かをしてもらいたいと言う圧力を与えるイメージがwantほどではなくても、かなりあるのです。「忠告する」というのは、単に、何かを解決する方法を述べているのではなくて、友人関係とかで相手と何か関係性があり、「こうしてほしい」という気持ちがもともとあるはずですから、目的語駆動力がある程度あるとイメージするわけです。その結果、I advised him that he go there. も、I advise him to go there. も、I advised that he go there. も I advised going there. も許容されるわけです。
お礼
いつも教えていただいてありがとうございます。 知覚動詞の場合このような文が成り立つということですね とてもわかりやすくご説明いただき、すぐに覚えられそうです また質問することがあると思いますが、 よろしければまた教えてください。ありがとうございました!