牛の除角について。狂牛病（BSE)問題について。

質問

先日偶然、牛の角が切り取られる所を拝見いたしました（除角と言われていました）。
私が見たものは、そこの牧場主さんが除角していたようですが除角の様な外科的な行為を獣医師でない人が行っても良いのですか？
また、狂牛病（BSE)問題から危険部位は決められた場所で焼却をしなければならないとニュースで聞いたことがありますが、牛の角は焼却にあたらないんですか？
終わった頃に戻ってみると、切り取られた角がその辺に角が転がっていたので、、、
久しぶりの主人と2人での旅行だったのに、嫌な物見たなあという印象でした。
長くなりましたがよろしくお願いします

回答No.2

noname#160718 · ベストアンサー

獣医師です。

　BSE(人に伝達されるとvCJD)の病原体である異常プリオンは中枢神経系に蓄積します。そのため脳や脊髄などの中枢神経や、その他プリオンの蓄積が認められた眼や小腸遠位部などが「特定危険部位」とされています。
　ちなみにちょっと話が複雑になりますが、法律(厚労省令)では「舌と頬肉を除いた頭部・・」が特定危険部位に指定されています。
　従って、と畜場でと殺された牛の頭は、角も含めて焼却されなければなりません。舌と頬肉は食用に供されますが。
　ですが、これは「と畜場」にかかっている条文なので、農場で除角された角には適用されない、というわけです。なんだか「法の抜け穴」みたいな話ですが、元より角には伝達性はないので問題なし、というわけです。

　次に「獣医でなくてもいいのか？」という問題ですが、まあと畜場でのと畜行為は元々「医療行為」ではないので問題外なのですが、除角や去勢は医療行為(診療行為)に当たります。
　ですが、獣医師法という法律があるのですが、そこには獣医師でない者が「診療行為を業としてはならない」と書かれているだけです。診療行為を「してはならない」ではないんですよ。
　よって、自己所有の家畜を自分で「診療」する行為はＯＫ、ということになります。たとえ無報酬でも他人所有の家畜を「診療」すると、ちょっと怪しくなりますが。
　ですから自分の牧場の牛を除角するのは問題ないわけです。

　では自己所有の家畜になら何でもできるのかというとそうはいかなくて、治療行為には薬が必要ですが、動物用医薬品は獣医師でなければ購入や処方をすることができません。もしくは獣医師の指示書がないと購入や投与ができません。これは薬事法という法律で決まっています。

　なら、薬局で販売されている風邪薬などを買ってきて牛に投与するのは・・・やはり問題ないんです。
　ただ、獣医師法や薬事法では問題ないのですが、他の法律には引っかかる可能性は高いです。食品安全基本法とか。

　というわけで、結果的には質問者さんが目撃した光景には、特に法律的な問題はない、という結論です。

お礼

ご回答ありがとうございます。と蓄場で殺された牛だけの適応なのですね！本当に法の抜け穴みたいな話ですね！主人も不思議がっていたので伝えておきます。だけど、可愛そうですね、、、生きている間位は、、、本来あるべき物は自然のままで、、、とベジタリアンではないのですが考えてしまいます。複雑です、、、
後、自分の牧場の牛を除角するのは問題ないのですね！（たけどあの時、地区の青年会の人達も来ていたぞ、、、気にしない気にしない、、、）
人間の世界でもよくある話ですが、法の抜け穴はたくさんありますね。
大変分かりやすく丁寧に答えていただきありがとうございました。

回答No.3

noname#160718

Jagar39です。

　地区の青年会の人が手伝っても問題ありません。そもそも「手伝い」自体問題ありませんし、畜産業は家族労働だけではなかなか成立しない業種なので、労力がかかる仕事はヘルパーが来たり近くの同業者に手伝ってもらったりは普通にありますから。そういう「妥当性がある」ボランティアまで問題視することはありません。
　まあ、これは私達の認識であって、裁判にでもなればどういう解釈が主張されて判決がどうなるかは判りませんが。

　除角については、牛同士のケンカで大怪我したりする場合もあるので、やる場合が多いのです。まあ牛が怪我すると飼い主が損するので、結局はヒトのためなんですが。
　それに除角してないとやはりヒトにも危険ですから。ホルスタイン(白黒の牛)はまだ大人しいし動きも鈍いので良いのですが、和牛(黒い牛)はたまに危険なやつがいます。その和牛の方が除角率は低いんですよね。ホルスタインはほとんどの牛が除角されますが、和牛は逆に大半が除角されません。
　農家は投げ縄で牛を捕まえる時、角があった方が捕まえやすいと言いますが、捕まえた後処置をする私達は、「お願いだから除角して・・・」といつも思ってます。
　知り合いの獣医で、角が腕を貫通してしまい、もうちょっとで腕を切断されるところだった人や、牛に突進されて肩を脱臼した人(その牛は除角していたけど、角がある牛なら殉職していたかも)とか。私も角で後頭部を強打されて、糞の山の中に顔を突っ込んで昏倒してしまったことがあります。

　除角ではありませんが、牛の去勢をしていて処置した途端、牛が痛みで蹴りを繰り出してそれが私の股間を直撃し、「牛の去勢をしていて危うく自分が去勢されるところだった」こともありましたっけ。

お礼

なるほど、確かに見ていて大変そうでした。
除角一つとってもJagar39さんが言うように、牛や人にとっても良い面も悪い面もあるのですね。
腕の貫通や肩の脱臼、後頭部の強打は、想像しただけで痛々しく恐いです。
ただTVの厚みが数センチになっているような昨今、除角を行うに対して牛への苦しみが少なくなる又は除角にかわる何か（防御するもの？？？）が出てきてもいいのになーぁと思います。

こんな素人の私のような者に対して親切丁寧にお答えいただきありがとうございました。
Jagar39さんも安全第一で体に気をつけて牛の為にがんばって下さい。間違っても去勢されないようにして下さいね（＞＜）

回答No.1

Lupinus2

う～ん。普通の人にはショッキングな場面でしたね。
私も牧場でツノ焼きを手伝いました。
（角が生える前の牛は、焼きごてで生える部分の組織を焼きます）
もう伸びてしまった角は、切り落とします。

角は危険部位ではないですし、可食部分でもありません。

また、実施についての法規制もありません。
ブタなどは去勢も農場従業員がやるらしいですし。
極端な話、動物への行為（？）を医者がしなければならないとしたら、締めて食肉にするのはどうなの？という話になってしますので。

お礼

そうなんですね！角は頭部に付いているけれど危険部位ではないのですか！知りませんでした！

本当にショッキングでした。あの痛たましい鳴き声が、、、
確かに食肉にするのはどうなの？という話になるかもしれません。
ただ血がピューと出ていましたので、「いいの？いいの？こんなことして？」と一人で騒いでいたものですから。

ご回答ありがとうございました。