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「宴のあと」事件

法律を勉強中の身ですが、憲法の判例百選を読んでいて疑問が生じました。(といっても、大した疑問ではないのですが) 一言で言うと、何故、この判例が重要なのかです。他の多くの事案は最高裁判例ですが、この判例は地裁判例なので。 もちろん、プライバシーの権利性、損害賠償を初めて認めたことはわかりますし、社会的に注目度が高い事件だったこともわかります。 ただ、憲法判例を勉強してして、正直、地裁、高裁判例はあてにならないというか、良いことを言ってくれても、結局最高裁がひっくり返すことが多いので、規範としての「堅さ」がよくわからないのです。 この宴のあと、特にいわゆる三要件は、憲法判例の一部を形成し、最高裁も追認しているということなのでしょうか?? (1)事実又は事実らしく受け取られるおそれのある事柄(事実性) (2)一般人を基準に知られたくない(秘密性) (3)実際にまだ知られていない(非公知性) 百選解説は、あまりこの判例のポジショニングについて言及がないので、ちょっともやもやしてます。 宜しくお願いいたします。

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  • Kaufmann
  • ベストアンサー率50% (4/8)
回答No.2

こんばんわ  もともとプライバシーの権利というものは、「ひとりでほっておいてもらう権利」としてアメリカの判例において発展してきたものです。  そして日本では1964年の「宴のあと」事件の一審判決が初めて、「私生活をみだりに公開されない法的保障ないし権利」と定義し、この私法上の権利は個人の尊厳を保ち幸福の追及を保証する上に必要不可欠なものであるとし、それが憲法に基礎づけられた権利であることを認めました。  あなたがおっしゃるようにプライバシーの権利性をはじめて認めたことが評価されているのです。また、その後の裁判でも、これと同趣旨の立場が打ち出されています。  なお、地裁判例ということですが、この事件は二審の係属中に和解が成立して決着がついています。  

mindspring
質問者

お礼

私のあいまいな問題意識にご回答いただきありがとうございます。 そもそもの疑問点は、例えば、ある問題について、裁判で「最高裁がこう言ってます」というと、かなり勝てる気がするのですが、「地裁がこういってます」だと、あまり勝てる気がしないという、感覚的ものでした。 判例との付き合い方がまだわかって無いのかもしれません。 ただ、その後の判例でも同趣旨の立場が打ち出されているということなので、もやもやは少し収まりました。

その他の回答 (1)

  • amyura
  • ベストアンサー率71% (27/38)
回答No.1

まず憲法の勉強についてですが,裁判例は知っておかないといけないけれども,憲法そのものの学習は基本書によるべきだと私は思います。 ですから,憲法の勉強に関していう限り,最高裁,高裁,地裁のどの裁判例でも,基本書の学習を補うための参考として押さえるという使い方が良いと思います。この考え方を前提にすれば,ちょっと民事系や刑事系での判例のとらえ方とは違う考えを持つことになり,規範としての堅さは,憲法を勉強するという限りは考えなくていいと思います。 その上で「宴のあと」事件ですが,第一に,プライバシーの権利というものをどうとらえるのか,第二に,表現の自由との衝突がある場合の調整をどうするのか,という問題点についての考え方として,とても参考になるので判例百選にも収録されているのだと思います。お使いの基本書がこの点をどう考えているかを押さえた上で,この裁判例に接してみてください。すんなりと整理がつくかもしれません。

mindspring
質問者

お礼

憲法は、他の科目以上に、本音と建前が違うような気がして、困ってます。民法や刑法は、判例に近い結論となる基本書の書きぶりが多くて、戸惑わないのですが、憲法は、基本書を読んで、判例を読むと、学説の理論(?)を一顧だにしないような気がする結論が多くて、混乱してしまうのです。 もう少し、憲法の基本書と判例の間で折り合いの付け方を考えてみることにします。 有益なご助言ありがとうございます。

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