不思議なコップ

質問

私は様々な演示実験について研究しています。
「不思議なコップ」という演示実験について実験をしたのですがうまくいかず、原理もよくわかりません。教えて下さい。
（反応比についても触れてくださるとうれしいです。）

実験「不思議なコップ」
所要時間：5分
目的：過マンガン酸カリウムを用いた酸化還元反応
器具：シェーカー，ワイングラス（３），駒込ピペット
薬品：過マンガン酸カリウム，3M-硫酸，30％-過酸化水素水
事前準備：
過マンガン酸カリウム水溶液は，水１リットルに耳かき２杯ほどと希硫酸20mlを入れ，やや淡い目のワイン色の溶液とし，瓶に入れておくと効果的である。２．の過酸化水素水と水も仕込んでおく。
方法：
シェーカーに過マンガン酸カリウム水溶液を８分目程度入れ，ラムまたはウォッカと称して水を少量加える。
この操作は，雰囲気づくりだけで化学的な意味はない。
ワイングラス２個を用意し，一方に30％過酸化水素水１ml，もう一方に同量の水を入れておく。
シェーカーの液をカクテルに見せかけ，２個のワイングラスに注ぐ。その際，水の方（ア）にやや多めに注ぐ。
均等にするために，（ア）を過酸化水素水入りの方（イ）に少し注ぎ，故意に入れ過ぎる。最後に（イ）から（ア）へ少し戻すと，（ア）は無色になる。
留意点：過酸化水素は濃度が小さいときには還元剤として作用し，濃度が大きいと酸化剤として作用する。

情報元
http://gakuen.gifu-net.ed.jp/~contents/rika_kagaku/cr057.html

回答No.1

c80s3xxx

どうもよくわからない演示ですが．．．説明がよくわらないというか．

この反応は過マンガン酸イオンによる過酸化水素の酸化です．過マンガン酸イオンは硫酸酸性で過酸化水素に還元され，マンガンイオン Mn2+ になります．Mn2+ はほとんど無色なので，過マンガン酸イオンの色が消えることになります．

ワイングラス (ア) には少量の水しか入っていませんから，こちらはそのまま過マンガン酸イオンの色が見えます．(イ) の方には高濃度の過酸化水素が少し入れてあるため，これによって過マンガン酸イオンが還元され，色が消えるはずです．そのことにはまったく触れられていませんが．このとき，過酸化水素は量的に大量に余るようになっているところが，次の操作のミソです．
30% 過酸化水素水は，だいたい 10 mol/L くらいに相当するので，1mL といっても馬鹿になりません．
(ア) で多すぎた分を (イ) に移せば，(イ) の方は色が消えるでしょう．そして，この状態でも (イ) にはたっぷりと過酸化水素が余っているので，(イ) から (ア) に戻すことで，(ア) も同じ反応がおこって色が消えるというしかけでしょう．

過マンガン酸イオンの吸光係数が大変大きく，薄めのワインくらいの色ではかなり薄い溶液になっているというところがミソです．

うまくいかなかったのは，最初に (イ) が消えなかったことでしょうか．ここは，温度が低いと速度が遅く，なかなか消えないかも知れません．そうであれば過マンガン酸カリウムの溶液を少し温めておくといいでしょう．もう一つの手としては，過マンガン酸カリウムの溶液にも少し過酸化水素を入れて，マンガンイオンを発生させておくのです．過酸化水素と過マンガン酸イオンの反応は，マンガンイオンが存在すると比較的速やかに進むからです．

過マンガン酸イオンと過酸化水素の反応については，このあたりを．
http://www.tennoji-h.oku.ed.jp/tennoji/oka/2006/06ko2-06.html

お礼

ありがとうございました。
実験のコツまで教えていただいて、ありがとうございました。
早速、試してみたいと思います。

補足

補足質問です。
実験だと、最後は（ア）だけが消えて（イ）は時間が経っても消えないのは何故ですか？