• ベストアンサー

取立訴訟について

取立訴訟は、一般の給付訴訟や債権者代位訴訟と、どのような 違いがあるのでしょう? 特にその構造の違いについて教えてください

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • un_chan
  • ベストアンサー率60% (219/365)
回答No.2

 条文をきちんと読むことだと思います。  大まかにいえば,  まず,基本として一般の給付訴訟があって,これは原告は,自分に権利があると主張する者であればだれでも,被告は,その権利に関して義務があると原告が主張すれば,誰でもできます。その権利の種類に制限はありません。そして,既判力は当事者にのみ及ぶのが原則です。  債権者代位(民法423条)の訴訟では,これが少し拡張されて,No.1の方が書かれたように,原告の債務者に対する債権の存在を前提として,それを保全する必要があって,債務者が自己の権利を行使しない場合に,債務者に代わって,第三債務者である被告に対して訴訟を起こすものです。被保全権利,代位行使される権利ともに,金銭債権に限られませんが,債務者の一身専属権については,代位行使できません。  この場合,原告は債務者の法定訴訟担当になり,自ら当事者として訴訟を遂行します。そして,保全債権に関する判決については,民事訴訟法115条1項2号により,債務者にも既判力が及びます。もっとも,原告の債務者に対する債権の存在がなければ,そもそも原告に当事者適格が存在しないので,債務者が訴訟参加していたような場合を除いて,既判力は拡張されないことになります。  また,債権者代位の目的は,債務者の責任財産の保全なので,原則は,第三債務者から債務者への義務履行が認容されることになります。もっとも,債務者がそれを受領しない場合等も考えられることから,金銭や動産に関しては,原告債権者が直接被告から受領できると,判例ではされています。  これらに対して,取立訴訟(民事執行法157条)では,原告は差押債権者に,被告は差し押さえを受けた第三債務者に限られ,かつ,一人が訴訟を提起すると,他の差押債権者に訴訟が拡張することになります(1項,3項)。  また,取立訴訴訟は,民事執行の一場面であることから,訴訟自体の拡張以外にも,債権者間の平等に配慮されている面があります。  全体の手続きを考えながら条文を読んでゆくと,違いが見えてくるのではないかと思います。そうしたら,教科書の該当箇所を探して,取立訴訟について,一般の給付訴訟や債権者代位訴訟とは何が違って,なぜ違うのか(趣旨)を,書けばよいでしょう。

oozz2121
質問者

お礼

詳細に教えていただいて、ありがとうございます 参考になりました

全文を見る
すると、全ての回答が全文表示されます。

その他の回答 (1)

回答No.1

 構造が違うというほどのものかどうか分かりませんが・・・制度を論じる場合には,要件・手続・効果というように分けて比較すれば分かりやすいと思います。  一般の給付訴訟は,自分(原告)が債権者となっている債権を,その債権の債務者を被告として,その支払を請求する訴訟です。  債権者代位訴訟は,原告が有している債権の債務者が無資力であることを要件として(したがって差押えを要件とせず),原告の債務者に対する債権を回収するため,債務者が第三債務者(被告)に対して有している債権を行使し,原告への支払いを求める訴訟です。ただし,行使の対象(訴訟物)となる「債務者が第三債務者に対して有する債権」は,金銭債権に限らず,登記請求権や,物の引渡請求権といったものでも可能ですし,原告が債務者に対して有する債権も,金銭債権でなくても,債権者代位訴訟が認められる場合があります。例えば,原告の債務者に対する登記手続請求権により,債務者に代位して,第三債務者に対する登記手続請求権を行使するということも可能です。そのような場合には,必ずしも債務者の無資力を必要としないという場合もあります。  取立訴訟は,原告が有している債権により債務者が第三債務者(被告)に対して有している債権を差し押さえたことを要件として(したがって,債務者の無資力を要件とせず。),債務者の第三債務者に対する金銭請求権を行使する訴訟です。  手続は,どの訴訟も通常の民事訴訟で,違いはありません。  効果は,債権者代位訴訟にせよ,取立訴訟にせよ,債権者(原告)は,第三債務者に対し,直接原告への支払いを求めることができますが,その支払を受けたときは,債権者の有する債権及び債務者の第三債務者に対する債権のいずれもについて,弁済の効力が生じるということになります。  ただ,債権者代位訴訟でも,取立訴訟でも,判決の既判力は,訴訟の当事者になっていない債務者には及ばないということではないかと思います。(この点は,ちょっと不明確です。)

oozz2121
質問者

お礼

わかりにくい質問に丁寧に答えていただいて ありがとうございます。参考になりました

全文を見る
すると、全ての回答が全文表示されます。

関連するQ&A

  • 債権者代位訴訟について

    債権者代位権に関して質問させてください。 債権者代位訴訟が提起され、その旨の告知を受けた債務者は、代位された債権について処分権を失い、債権者は、目的たる債権について管理権を取得することになるとされます(非訟事件手続法76条2項参照)。 そこで、すでに債権者代位訴訟が提起された後に、他の債権者が債権者代位訴訟を提起することは可能なのでしょうか。 最初に債権者代位訴訟を提起した債権者にすでに管理権が移転していることからすれば、他の債権者が別途代位訴訟を提起することは不可能なように思えます(また、記憶違いでなければ、この場合は共同訴訟参加によるべきと教わったような気もします)。 しかし、自分が見た解説では最判45.6.2を根拠に、他の債権者も代位訴訟を提起できるとしています。自分が持っている資料では、最判45.6.2を確認できませんでした。 どなたか教えてください。よろしくお願いします。

  • 第三債務者への取立て訴訟

    第三債務者への取立て訴訟(貸金)をした場合ですが、第三債務者が債務者の売上げ代金を債権者に支払わず、隠して債務者に支払った場合、債権者として、第三債務者に情報開示などの申し立ては出来るのでしょうか。また 、それは法的拘束力があるのでしょうか。第三債務者が嘘の情報を債権者に教えてきても、債権者はどうすることも出来ないのでしょうか。教えてください。

  • 法定訴訟担当が訴訟追行しているときに、当事者も訴訟を提起できますか?

    民事訴訟法に関する質問です。 法定訴訟担当(債権者代位権者など)がすでに訴訟を追行しているときに、当事者(本人)が別に訴訟を提起したり、あるいは訴訟に参加するようなことは可能でしょうか? 教えてください。

  • 取立訴訟

    私個人に対して支払命令の確定判決があります。私が代表取締役になっている会社に役員報酬の差押がなせれました。差押に係わる債権は無しとして提出しました。その後、取立訴訟を起してきました。その裁判のなかで、相手側は私の会社が保管する出納帳の文書提出命令と、税務署に対して確定申告書の文書送付の嘱託を申し立てています。裁判官は文書提出命令の決定をするでしょうか?また、税務署にたいして確定申告書の文書送付を決定するでしょうか?そもそもこんな裁判で相手は私が役員報酬を得ていることを立証できるでしょうか?

  • 管理費等取り立て訴訟での和解

    マンションの一組合員が管理費等を支払わないので、総会の決議によって弁護士に依頼して訴訟で取り立てすることになりました。 私が、理事長なので、私が管理組合の理事長印を委任状に押し弁護士に提出しています。 裁判所から和解勧告があったので和解しようとしましたが、他の一組合員から「裁判所でする和解は無効だ」と言われました。 今回の訴訟は、総会の決議で進めていますが、その反対者は、総会には出席しておらず、訴訟を知らなかったわけです。 同人の言い分は、債権放棄は管理組合員一人残らず賛成しないと放棄はできないと言うわけです。 なるほど債権放棄は区分所有法に規定がなく、民法の原則(251条)から言ってそうかも知れない気もします。 本当に裁判所でする和解は無効となるでしようか ? 教えて下さい。

  • 債権者代位訴訟について

    法律を勉強している者です。 債権者代位権訴訟について疑問点があり、質問させていただきます。 貸金返還訴訟を提起し、訴訟係属中に被告から原告に弁済がなされた場合、請求棄却判決が出されますが、以下の場合も同様に請求棄却となるのでしょうか? 被保全債権を100万円、被代位債権を70万円とします。債権者が第三債務者に対して債権者代位訴訟を提起し、自己に70万円の支払を請求しました。 しかし、その訴訟が係属している最中に債務者が50万円を獲得し、無資力要件を充足しなくなりました。 この場合にも、同様に請求棄却となるのでしょうか?(そうだとすると、請求棄却後に債務者が別の人から新たに30万円の債務を負ったなどという事情が生じた場合、債権者に不都合なようにも思えます。) それとも、50万円を獲得したという訴訟提起後の事情は無視して請求を認容し、債権者は70万円を第三債務者から取得し、残りを債務者から取得することになるのでしょうか? よろしくご教授願います。

  • 債権者代位訴訟で重複訴訟

    Aが、第三債務者Bを代位して、債権者代位訴訟を提起してCを訴えます。 右訴訟継続中に、BがCを訴えれば、二重訴訟で却下となります。 しかし、それ以前に、第三債務者には処分禁止効(非訟事件手続法72条)が働くので、訴えが不適法却下となるのではないですか。

  • 訴訟物について

    訴訟物理論において旧訴訟物理論にたった場合における訴訟物について質問です。 ある授業で、「100万円の貸金返還訴訟と100万円の貸金債権の確認訴訟の訴訟物は異なる。」と先生がおっしゃいました。 訴訟物の内容をなす権利関係が同じ場合でも給付訴訟と確認訴訟とでは訴訟物が異なるのですか? 異なるとした上記の例におけるそれぞれの訴訟物を具体的に教えてください。 教科書を見ると、(おそらく厳密な表現ではないのでしょうが)100万円の貸金返還訴訟における訴訟物は「100万円の貸金債権の存在」とあります。 こう考えると、確認訴訟においても「100万円の貸金債権の存在」となり、両者の訴訟物は同じようにも思えるのですが。

  • 取立てについて★★★

    取立訴訟について 知人に貸金があり、 督促申し立てを行い、強制執行、給与の差押命令まで完了しました。 再三、第三債務者に取立の連絡をして法的処置の旨を伝えたのですが、 「債務者が了承しないから支払えない」と拒否されてしまいました。 こういう場合はやはり取立訴訟するしかないのでしょうか? また、取立訴訟を行った場合、第三債務者が「便宜上」債務者扱いになるのですか? 仮に勝訴したとしたら、私は第三債務者名義の財産(例えば会社名義の口座)に直接請求できるのでしょうか? よろしくお願いいたします。

  • 債権者代位訴訟での、訴え却下と請求棄却

    債権者代位訴訟で、裁判官が被代位債権の不存在の心証を抱いた場合について、解説している書籍・論文を探しています。 この場合、訴えが却下されるのか、請求が棄却されるか、どちらなのかを解説している書籍・論文がありましたら、その文献と該当ページ教えてください。 解説が数行の場合でも構いませんが、被代位債権が不存在だった場合について明確に解答しているものを望みます。