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取立訴訟について

取立訴訟は、一般の給付訴訟や債権者代位訴訟と、どのような 違いがあるのでしょう? 特にその構造の違いについて教えてください

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • un_chan
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回答No.2

 条文をきちんと読むことだと思います。  大まかにいえば,  まず,基本として一般の給付訴訟があって,これは原告は,自分に権利があると主張する者であればだれでも,被告は,その権利に関して義務があると原告が主張すれば,誰でもできます。その権利の種類に制限はありません。そして,既判力は当事者にのみ及ぶのが原則です。  債権者代位(民法423条)の訴訟では,これが少し拡張されて,No.1の方が書かれたように,原告の債務者に対する債権の存在を前提として,それを保全する必要があって,債務者が自己の権利を行使しない場合に,債務者に代わって,第三債務者である被告に対して訴訟を起こすものです。被保全権利,代位行使される権利ともに,金銭債権に限られませんが,債務者の一身専属権については,代位行使できません。  この場合,原告は債務者の法定訴訟担当になり,自ら当事者として訴訟を遂行します。そして,保全債権に関する判決については,民事訴訟法115条1項2号により,債務者にも既判力が及びます。もっとも,原告の債務者に対する債権の存在がなければ,そもそも原告に当事者適格が存在しないので,債務者が訴訟参加していたような場合を除いて,既判力は拡張されないことになります。  また,債権者代位の目的は,債務者の責任財産の保全なので,原則は,第三債務者から債務者への義務履行が認容されることになります。もっとも,債務者がそれを受領しない場合等も考えられることから,金銭や動産に関しては,原告債権者が直接被告から受領できると,判例ではされています。  これらに対して,取立訴訟(民事執行法157条)では,原告は差押債権者に,被告は差し押さえを受けた第三債務者に限られ,かつ,一人が訴訟を提起すると,他の差押債権者に訴訟が拡張することになります(1項,3項)。  また,取立訴訴訟は,民事執行の一場面であることから,訴訟自体の拡張以外にも,債権者間の平等に配慮されている面があります。  全体の手続きを考えながら条文を読んでゆくと,違いが見えてくるのではないかと思います。そうしたら,教科書の該当箇所を探して,取立訴訟について,一般の給付訴訟や債権者代位訴訟とは何が違って,なぜ違うのか(趣旨)を,書けばよいでしょう。

oozz2121
質問者

お礼

詳細に教えていただいて、ありがとうございます 参考になりました

その他の回答 (1)

回答No.1

 構造が違うというほどのものかどうか分かりませんが・・・制度を論じる場合には,要件・手続・効果というように分けて比較すれば分かりやすいと思います。  一般の給付訴訟は,自分(原告)が債権者となっている債権を,その債権の債務者を被告として,その支払を請求する訴訟です。  債権者代位訴訟は,原告が有している債権の債務者が無資力であることを要件として(したがって差押えを要件とせず),原告の債務者に対する債権を回収するため,債務者が第三債務者(被告)に対して有している債権を行使し,原告への支払いを求める訴訟です。ただし,行使の対象(訴訟物)となる「債務者が第三債務者に対して有する債権」は,金銭債権に限らず,登記請求権や,物の引渡請求権といったものでも可能ですし,原告が債務者に対して有する債権も,金銭債権でなくても,債権者代位訴訟が認められる場合があります。例えば,原告の債務者に対する登記手続請求権により,債務者に代位して,第三債務者に対する登記手続請求権を行使するということも可能です。そのような場合には,必ずしも債務者の無資力を必要としないという場合もあります。  取立訴訟は,原告が有している債権により債務者が第三債務者(被告)に対して有している債権を差し押さえたことを要件として(したがって,債務者の無資力を要件とせず。),債務者の第三債務者に対する金銭請求権を行使する訴訟です。  手続は,どの訴訟も通常の民事訴訟で,違いはありません。  効果は,債権者代位訴訟にせよ,取立訴訟にせよ,債権者(原告)は,第三債務者に対し,直接原告への支払いを求めることができますが,その支払を受けたときは,債権者の有する債権及び債務者の第三債務者に対する債権のいずれもについて,弁済の効力が生じるということになります。  ただ,債権者代位訴訟でも,取立訴訟でも,判決の既判力は,訴訟の当事者になっていない債務者には及ばないということではないかと思います。(この点は,ちょっと不明確です。)

oozz2121
質問者

お礼

わかりにくい質問に丁寧に答えていただいて ありがとうございます。参考になりました

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