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同軸ケーブルのαとβの算出
- 同軸ケーブルのαとβの算出について実験を行いましたが、結果と理論値には差がありました。
- Qメータを使用した測定ではαの実験結果が理論値に近くなりました。
- 矩形波及びパルス波を使用した測定ではβの実験結果が理論値に近くなりました。
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丁寧な追加情報を頂きましたので、簡単にコメントします。 実験の概略は理解できました。第一と第三の方法は予想していたものと似たものでした。第二の方法(電圧伝達比)は少し問題がありそうです。 結論からいえば、質問者さんのはじめのレポートの趣旨で良いと思います。 まず、第三の方法でβが比較的良い近似で求まったのは自然です。リフレクト・メータ法では反射波の遅延時間は比較的正確に求まるのですが、振幅の測定確度/精度は良くないので、減衰の比較的小さな同軸ケーブルの場合、αを正確に測定するのは難しいです。 第一の方法でαがそこそこ正確に測定出来ているのであれば、実はβも正確に求まっているはずなのです。R[Ω]とL[H/m]とC[F/m]は1MHz前後であればかなり正確に測定できます。(LCRメータあるいはQメータにも依りますが)よって、α、βともに正確に求まるはずなのですが。(1MHz前後での測定であれば、実はこの方法が最も推奨できる方法です。)実際の計算でβがあまり正しく求まらなかったのだとすれば、L,Cの測り方に何か問題があったのかもしれません。 短絡L、開放Cを測定したときのケーブルの長さはやはり200m程度でしょうか(わざわざ10%異なる3周波数で測定しているので、多分そうではないかと推測します)。そうしますと、1MHzあたりの周波数では一波長分の長さのケーブルを測定していることになりますので、あまり良い条件ではありません。同じケーブルの5m~10mのものを測るのが良いかと思います。もし、1MHzでLやCの小さい値を正確に測れる測定器があれば1mのケーブルをはかるのがベストです。(Rを測るにはあまり適しません) 集中定数の測定として条件が良くなるからです。 第二の方法は、電圧計の入力容量が大きい場合は問題が生じます。また電圧計の入れ方、シグナル・ジェネレータ(SG)の出力インピーダンスとケーブルの伝送インピーダンスの関係も影響があります。教科書などでは、原理的に正確に測定できることになっていますが、実際上はこの方法はあまり確度の良い方法ではありません。とりあえず、電圧計の入力容量が充分小さいか(<数PF)、SGの出力インピーダンスが何Ωか(0Ω/50Ω/75Ω/600Ω/その他?)確認することをお薦めします。このケーブルの伝送インピーダンスは約66Ωなので、いずれにしてもインピーダンス整合していない状態でSGはケーブルをドライブしている訳で、実験(測定)の再現性は完全ではないです。 なお、説明された測定方法もそのままでは少し理解できない部分があるのと、α、βを求める式が正しくないのでは?という疑いがあります。(私の理解では200という数字の根拠が?)友人達と計算式が合っているか確認してください。その結果私の方が誤解しているようでしたら御容赦くださいね。 なお、友人が第二の方法が最適と言われている理由は、その方法だと測定周波数における波長(同軸ケーブルの中での実際の波長)が直接分かるからだと思います。(200mが980kHzの一波長分に相当)これから波長短縮率(ケーブル伝播の群速度/真空の光速度)とかβもすぐに求まることになります。 しかし、上記のように、理論的に綺麗に求まる方法も実際の測定が正確に出来る手段を持たないことには意味がありません。 最初の結果に自信を持って(ただし、第二の方法については、再度、α、βの計算式と実験値を検討・確認してください)レポートすれば良いのではないでしょうか。 詳しく説明する時間がなくて申し訳ありませんが、何等かの御参考になれば幸いです。
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- ringouri
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No.2の文中 R[Ω/m]です。単位のタイプ・ミスあり。失礼しました。
- ringouri
- ベストアンサー率37% (76/201)
せめて、どれくらいの周波数で何メートルくらいの長さの同軸ケーブルを使った実験なのか示してもらわないと、アドバイスのしようがありません。 また、3つの測定法(Qメータ、電圧伝達比、矩形波及びパルス波)と言われても、どんな方法なのか全くわかりませんので、どうしたものやら.... それぞれ、インピーダンス・パラメータを測ってそれらを換算する方法、ネットワーク・アナライザによる(周波数領域)伝達特性の直接測定の方法、時間領域のリフレクト・メータ法、と読み換えていいのでしょうか? 更に、本当に3桁も理論値と実験値が異なるのであれば、どちらかあるいは両方とも何か間違えていますよ。
補足
すいませんでした。それぞれの測定方法等補足致します。 ・Qメータによる測定ではL、C、R等の値を求めそれらを用いてα=(R/2)√(C/L)、β=2πf√(LC)の式から実験値を出しました。f=900,1000,1100(KHz)で測定しました。 ・電圧伝達比による測定では、シグナルジェネレーターと同軸ケーブル(200m)を繋ぎ、受端開放の時入力電圧E1出力電圧E2をそれぞれ測定して縦軸|E2/E1|横軸周波数f(KHz)のグラフを書きました。このグラフが正弦波が徐々に減衰していくような形のグラフでしたので、これの山と谷からα、βを求めました。それぞれの周波数は第一の山が240第一の谷が490第二山720第二谷980第三山1210第三谷1460(KHz)でした。α=(1/200)sinh^-1{1/(|E2/E1|)},β=nπ/200の式を使いました。 ここで第一の谷をn=1、第二の谷をn=2,第三の谷をn=3としました。 ・矩形波信号による測定では電圧伝達比の時に用いたS・Gの変わりに矩形波信号発生器を使いオシロスコープで送端の波形を観測しました。この時受端は開放と短絡の両方の場合において観測しました。 α=-(1/2*200)ln(|(V1/V0)-(V2/V1)|),β=πft/200の式を使って算出しました。ここでV0,V1,V2はそれぞれ入射波、第一反射波、第二反射波の時の電圧です。tは時間遅れです。βに含まれるfは変数のままで良いとの事でした(つまりβ=●●fと表す)。 最後に理論値の計算ですが、用いた同軸ケーブルの内部導体半径a=0.7mm外部胴体半径b=3.75mmポリエチレンの比誘電率εs=2.3として L=0.2ln(b/a)=0.336[uh/m],C=24.1*εs/log(b/a)=76.04[pF/m],R=83*{(1/a)+(1/b)}√f=0.141*√f*10^-3[Ω/m],αとβはQメータによる測定の時に使った式を用いました。 以上が各測定の補足です。補足はこれで宜しいでしょうか?
お礼
お返事遅くなりまして申し訳ございません。 友人と式を見直してみましたが、二人とも同じ式でした。恐らく実験の段階で失敗してしまっていたのだと思います。ですが、ringouriさんの非常に丁寧で分かりやすい解説のおかげである程度理解が深まりました。本当にありがとうございました。