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アリル位の水素
アリル位の水素は引き抜かれやすいですよね。すなわち均一結合解離エネルギーが低いということです。なぜアリル位のC-H結合の解離エネルギーが低いかというと、解離した後のラジカルが共鳴構造をとることができ、電子が非局在化することによって安定ラジカルとなるため、不安定ラジカルになるよりも反応が進みやすいためアリルの場合の解離エネルギーが低いということだと思うのですが、ここで、プロピレンをNBS等によってアリル位の水素を臭素化するとします。しかしアリル位に水素はまだ2つある状態ですが、このとき、臭素が電子を引き寄せるため、アリルラジカルが非局在化しにくくなり、また、立体障害によって、残っているアリル位の水素2つの均一結合解離エネルギーは大きくなり、アリル位の水素が引き抜かれにくくなると思うのですが、実際のところはどうなのでしょうか?
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「臭素が電子を引き寄せるため、アリルラジカルが非局在化しにくくなり」という考え方はナンセンスだと思います。仮に臭素によって電子が引き寄せられたとしても、非局在化が起こりにくくなることはないと思います。つまり、その状態でもアリル系は厳然と存在しているわけですから、臭素によって非局在化の幅が広がることはあっても、非局在化が阻害されることはないと思います。 現実に、条件によっては2個目の臭素が起こると思います。具体的に反応速度がどうなるかは知りませんが、経験的には2個目の方が起こりにくくなっているように思います。その理由はよく分かりませんが、立体的な要因かもしれません。 参考URLに記載されている参考文献を直接あたれば、実験に関する詳細がわかるかもしれません・・・・未確認ですが。 http://en.wikipedia.org/wiki/Wohl-Ziegler_reaction
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- piyoco123
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C-H結合よりもC-Br結合の方が切れやすいので、 ブロモつけたままでC-H結合のみを切るのは無理です。
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ご回答ありがとうございました
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ご回答ありがとうございます。 言われてみればたしかにそうですね。臭素によって電子が引き寄せられるならば、むしろ電子の非局在化が進むことになり、ラジカルの安定化が促進されそうですね。しかし、教科書にはNBSを用いてもほぼ8割以上の生成物が臭素1個がついたものだそうです。2個目の臭素がくっつかないのは他に理由があるみたいですね。ありがとうございました。