- ベストアンサー
DSC曲線について
getty_2の回答
データが見れないので、具体的なアドバイスはできないのですが、 高分子の結晶の場合、一般的に、DSC曲線のピークの最大勾配を得る 部分の接線とベースラインとの交点が結晶化(融解)開始および終了温度と みなすことが多いです。また、昇温時と降温時の融解および結晶化温度が 異なるのが普通です。特に、融解に関しては、結晶の厚さに強く依存する ことが知られており、融解する前の熱的な履歴によって、融解温度や 融解熱が大きく変化してしまいます。これらの現象は、分子の運動性が 低分子と比べて格段に低いため、熱的平衡状態に達するまでに非常に 長い時間が必要となり、熱的平衡に達する前に結晶化が始まってしまう ために起こることです。残念ながら、これらの理由から、求められた 融解熱や融解開始or終了温度は、熱的平衡状態のそれらとは異なり、 したがって、求めた融解熱=凝固熱や融解終了温度=結晶化開始温度 ではありません。 複数の条件のデータを組み合わせることで、熱的平衡状態の融解温度や 融解熱を算出することはできますが、今回の質問の範囲外でしょうか? 詳しい解析法などは、高分子固体物性の教科書に詳しく載っているかと 思います。今手元にその手の教科書がないので、具体的な書名は あげられません。すみません。
関連するQ&A
- TG DTA DSC の原理
DTAの原理についてなのですが、 http://homepage3.nifty.com/agnesokutei/pag24000.htm 上のページには 「昇温過程で試料に融解、相転移、蒸発、熱分解などが起きると、DTA曲線上の吸熱側にピークを生じ、これに対して酸化、熱重合、非晶質の結晶化、結晶歪みの回復などが起きると、発熱側にピークが生じます。」 とありますが、なぜそうなるかがわかりません。 またそれをどのように分析すれば熱的性質、発熱、吸熱反応を 特定できるか分かりません。またDTAとDSCの違いは、 反応熱量の定量的評価が出来るか、出来ないかという違いだけでしょうか?専門の本を呼んでもとても難しく書いてあります。 どなたか教えてください。
- 締切済み
- 化学
- 熱流束型・熱補償型DSCについて
熱流束型・熱補償型DSCについて 質問させていただきます。 熱流束型は温度差を検出し、その温度差から試料に流入した熱流束に換算するのですよね(較正実験で求めた装置定数から)。 そのデータを用いてDSC曲線にするわけですが、得られるDSC曲線は熱流束型、熱補償型、共に縦軸・熱流束、横軸・温度(もしくは時間)で等価なもののはずだと私は考えています。しかし参考書には、熱流束型で得られたDSC曲線のピーク面積はエンタルピーにはなっておらず、その値に更に別の装置定数を掛けろ、と書いてあるのです。 これはつまり、熱流束型と熱補償型で得られるDSC曲線は本質的に違うものである、とされているように思います。この違いが何なのかが理解できないのです。 Mrawのモデルなるものの式から導出されると言っても、定性的に理解できません。 簡潔でなくてもよろしいので、どなたかご教授の程、よろしくお願いいたします。
- 締切済み
- 化学
- 水の凝固点について
水の凝固点について教えて下さい。 1)水だけの冷却曲線を見ると(過冷却の内状態)温度が0℃で凝固が始まり、すべて水が凝固するまで温度は一定に保たれます。これは凝固熱と融解熱が等しいということで理解できますが経過時間毎における凝固点は一定と考えていいでしょうか。 2)凝固点では凝固する分子数と融解する分子数が同じということが知られています。 これは凝固点で水=氷+熱の平衡で水が氷となり凝固熱を出す。この凝固熱は融解熱に使われないで冷却を防ぐのに使われるとすると氷は増えるが凝固する分子数と融解する分子数が同じということに矛盾するように思います。また融解熱に使われると氷は増えないことにならないでしょうか。 2点について宜しくお願いいたします。
- ベストアンサー
- 化学
- DSCのガラス転移温度測定について
「DSCによりガラス転移温度を測定した」と多くの論文や本に書いてあります。 しかし、実際にその論文などに載っているピークを見ると、少しだけ曲がっている場所に強引に矢印をつけてTgと書いてあるものが多いと思います。 どなたかDSC曲線からガラス転移温度を求める方法をご存知な方、教えてください。
- ベストアンサー
- 化学
- 結晶性樹脂の比熱の温度依存性
結晶性樹脂の比熱の温度依存性についてご教授ください。 ある文献で結晶性樹脂の比熱は融点近傍で極大を持つという記述を見ました。比熱は各相では温度に対して直線的に比例し、融点付近で融解熱による熱の吸収があるため熱分析ではピークを持つという認識でおりました。 上記は同じ現象において融解熱を比熱に含めるか、含めないかの違いでしょうか?ただ、定義のはっきりした“比熱”が人によって捉え方が異なるはずはないと思います。 (1)比熱は融点近傍で極大を持つのか? (2)極大を持つなら融解エンタルピーとの切り分けはどうなるのか? 以上、ご教授ください。よろしくお願いいたします。
- 締切済み
- 科学
- 高分子の結晶化
高分子の結晶化はどうして昇温過程の途中で起きるんでしょうか。教科書に載っているPETのDSC曲線を見ると、低温から温度をあげていくと、ガラス転移以上のある温度で結晶化がおき、さらに温度があがると融解することが示されていました。 塩などの結晶化のイメージでいうと、温度を下げていくと結晶化が起きて、その温度以下ではずっと固体で存在しているようなイメージを持っているのですが、PETではちがう、ということでしょうか。 また、ガラス転移温度以上、結晶化温度未満の温度域に高分子をさらした際には結晶化は起きない、ということでしょうか。 アドバイスをよろしくおねがいします!
- ベストアンサー
- 化学
お礼
ありがとうございます。 全くの門外漢なのでデータの見方に困っていたのですが、とても参考になりました。