- ベストアンサー
ロシア語の「太陽」という単語が持つイメージ
ドストエフスキーの「罪と罰」で、ラスコーリニコフに対して、予審判事のポルフィーリが、『太陽のような人になりなさい。』と言う場面があります。そこで、ロシア語の「太陽」という単語には、どのような意味合い・イメージがあるのか、詳しく知りたいと思いました。どなたか教えていただけませんか。よろしくお願いします。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
「太陽」が持つイメージとして一般的なのは、やはり「生命」「生」「光」「喜び」だと思います。 私はロシアに住んでいた時期があるのですが、ロシアの夏は短く、暗くあたり一面雪に囲まれた寒い時期がとても長いです。そのような環境では、太陽は一段と明るく、暖かく感じられました。ちょうど今ぐらいの時期にペテルブルグへ行ったとき、ネヴァ川はまだ凍っていて、上を歩いて渡れるほどでしたが、ある日太陽の光でその氷が割れて流れているのを見たとき、死んだネヴァ川がまるで息を吹き返したかのように感じたものです。 『罪と罰』には「太陽」以外にも象徴的な表現が多いですね。例えば最後にラスコーリニコフが大地に接吻をするシーンがありますが、大地は「母」のイメージを持っています。ほかにも登場人物の名前がある種の象徴的な意味を持っています。例えばポルフィーリイ=神に抗う人間を浄化する炎を想起させる響きをしています(名前のもととなったギリシャ語からのイメージ)。ラスコーリニコフは二面性、分裂、矛盾といったイメージ、ソーニャ(ソフィア)は神の叡智と絶対の善というイメージを持っています。 大いなる心の矛盾を抱えるラスコーリニコフに対して、ポルフィーリイが「太陽のような人になりなさい」という言葉を投げかける。一面的には捉えられずいろいろな解釈ができると思います。
お礼
回答ありがとうございます。「罪と罰」の作品についてもお答えいただき、わかりやすかったです。