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Σが∫ならΠの対応物はなんですか?
- f_i=f(x_i) の積分が lim Σ_i f_i/N = ∫ f(x)dx の時、 lim Π_i log(1+f_i/N) = ∫ f(x)dx が言えそうですが、厳密な証明は出来ますか?もしくは反例がありますか?
- 例えばΠの対応物をP とすると、 exp ∫ f(x)dx = P(1+df_i) のような関係式を定義できるか?(異なる微分形式が混ざっていて僕の知識では扱えません。)
- Pの数学的な正式名称はありますか?僕が調べた範囲では、統計学で使われる "product integral" が関係ありそうですが、その他にご存知な方はおられますか?http://scholar.google.com/scholar?hl=ja&lr=&q=%22product+integral%22&lr=
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まず訂正しておきます。 少なくともfが有界閉区間[a,b]上で連続で 1より小さい正の定数Aについて |f(x)|≦A が全ての x∈[a,b]について成り立つなら lim Σ_i log(1+f_i/N) = ∫f(x)dx (∫は有界閉区間上の定積分) が言えます。連続という条件はRiemann積分可能 という条件にゆるめてもOKでしょう。 |f(x)|≦Aという条件は log(1+f_i/N) が定義されるように入れた条件です。 ですのでこの条件は 1+f(x)>0 x∈[a,b] かつ [a,b]上で有界・連続 やもっとゆるい条件で置き換えることも可能でしょう。 変数変換すれば有界閉区間は[0,1]としてよいので、 以下でfは[0,1]上で有界で積分可能とします。 fの絶対値の上界を一つ固定して |f|≦M<1 が成り立つものとしておきます。 区間[0,1]のN等分割に対応する和 Σ_i log(1+f_i/N) を計算してゆきます。 (ここで和はi=1からi=Nまでの和、 f_i は f(i/N) を略記したものとします。) |f_i|≦M ですから、全ての f_i/N はNが大きいとき 十分0に近いとして構いません。 つまり勝手なε>0に対してNを十分大きくとるとき、 全てのiに対して |f_i/N|≦ε が言えます。 (全てのiに対して一斉にNが取れる所がポイント) これとlog(1+X)のマクローリンの定理(誤差項付きのヤツです)から log(1+f_i/N)=f_i/N + O(1/N^2) が全てのiに対して成り立ちます。 つまり O(1/N^2)が各iに無関係とれる定数Kで |O(1/N^2)|≦K/N^2 と評価できるという事です。 従って Σ_i log(1+f_i/N) = Σ_i (f_i/N + O(1/N^2)) = Σ_i f_i/N + O(Σ_i 1/N^2)) = Σ_i f_i/N + O(1/N) (和の項数がN個なので) fがRiemann積分可能な事から lim Σ_i f_i/N = ∫f(x)dx また上でO(1/N^2)について注意したことから 0≦|O(1/N)|≦K/N が導かれるので lim O(1/N) = 0 以上から lim Σ_i log(1+f_i/N) = ∫f(x) dx lim の内部で変形する事は問題ありませんから lim log Π_i (1+f_i/N) = ∫f(x) dx (積はi=1からi=Nまでの積、∫は[0,1]上の定積分) は言えました。 log とその逆関数 exp は連続関数なので, 各log Π_i (1+f_i/N) が定義され、 lim Π_i (1+f_i/N) が存在して0でないならば lim log Π_i (1+f_i/N) = log lim Π_i (1+f_i/N) が成り立ちます(証明略)。 従って、fに関して適当な条件を仮定すれば lim Π_i (1+f_i/N) = exp(∫f(x)dx) が成り立ちます。 「lim Π_i (1+f_i/N) が存在して0でない」 という条件は結構チェックが面倒な気もしますが。 自分なりにはこれで良いんじゃないかと思うのですが、 誰かチェックしてくれれば安心ですね。 最後に2.についてコメントすると lim Π_i (1+f_i/N) が存在したとして、 これを P(1+df) と微分形式を用いて表現することが 適当かはよく分りません。また Σに対応する∫の類似として、PをΠの対応物と考える というのも若干飛躍があるように思います。 積分の場合は Σ_i f_i/N に 「f_i/N という短冊の面積を足し合わせる」 という意味がきちんとあるのに対し、積の場合は Π_i (1+f_i/N) の意味、特に1/Nをつけることの意味が 判然としないからです。 もしこれについて何か考え(あるいは参考文献)をお持ちでしたら 補足して頂ければ幸いです。 長くなりましたが以上です。
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- alkantala
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Mathematicaが使えるなら数値実験は問題なさそうなので、 ちょっと2次以上の項のところをちゃんと考えてみます。 まとまったらまた書きます。しばしお待ちを
- alkantala
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以下では∫は適当な閉区間上の定積分を表すものとします。 そうでないと区分求積の式 lim Σ_i f_i/N = ∫ f(x)dx がうまくいきませんので。 1.に関して結論から言えば lim Π_i log(1+f_i/N) = ∫ f(x)dx は言えません。 ところでこれは lim Σ_i log(1+f_i/N) = lim log (Π_i (1+f_i/N)) = ∫ f(x)dx が言いたかったのでは?(2.との関連で) こちらに関して言えば、積の展開から Π_i (1+f_i/N)) = 1 + Σ_i f_i/N + (Nについて-2乗以下の項) ですから、log(1+X)のマクローリン展開を用いて log (Π_i (1+f_i/N)) = Σ_i f_i/N + (Nについて-2乗以下の項) なので、極限をとればある近似的な式として exp∫f(x)dx ~ lim Π_i (1+f_i/N) と考えることは出来ます。 但し、(Nについて…)の項に関しても 極限が存在するか否かはfについてより詳細な議論 が必要になりますし、もし極限が存在したとしても ここからの寄与は0とは限りません。 (0にはならないのが普通です。) したがって上の近似~で繋がった式を 等式として理解することは一般にはできません。 ともあれ積(と極限の関係)は難しいので、 大抵は対数をとって普通の積分で色々解析するのが 常套手段です。その場合上ですこしかいま見えたように 積の方からは2次以上の項に積の複雑さが如実に 現われてきますが。 積分は「連続的な和」と言い換える事ができますが、 Pとして想定されているような「連続的な積」の概念は 数学で確立されてはいないと思います。 蛇足ですが、(他の問題に関しても)、 反例を具体的に確かめたいなら 初等関数(多項式・三角関数・指数関数・対数関数) で数値実験してみるとよいと思います。 この程度なら数学ソフトを使わなくてもエクセルで 計算できますから。
お礼
ともかく丁寧なご説明ありがとうございました。 まだ僕は証明が納得いってないのですが、とても参考になりました。
補足
ありがとうございます。仰るとおり lim Π_i log(1+f_i/N) = ∫ f(x)dx は間違いで、 lim log (Π_i (1+f_i/N)) = ∫ f(x)dx が正しいです。 また、アドバイスの通りx+x^2,sin,cos,tan,exp,log(1+x)をMathematica で 0~1 で積分したらO(1/N)で収束しています。 ご指摘の、(Nについて-2乗以下の項) に関してもう少し考えると、 Σ_i Σ_j f_i f_j/N^2= O(N^0) (これを式Aとする) などが入ってきます。(僕も同じように考えて、ここで詰まりました) なので、問題1の証明は exp∫f(x)dx =exp lim Σ_i f_i/N = lim Π_i exp f_i/N = lim Π_i (1+f_i/N+O(1/N^2) ) という流れになりそうなのですが、このいろんなものを交換する所で 数学的な過ちを犯していそうです。(実は僕には良く分かりませんが、上の式A がある以上なんなく誤りのような気がします。) でも、初等関数を使った数値実験では上手くいっているのですが・・・
お礼
alkantalaさま、ありがとうございました。 上記の本を図書館で借りました。3に関してはやはり Product Integration という言葉があるようです。 次に進む手がかりも見つかりましたので、これで 質問を終わらせていただきます。
補足
ありがとうございます。 証明は証明略の部分以外は納得しました。 証明略の部分はあとで自分で調べますので、 とりあえず、問題1が証明されたとしてよさそうです。 また、3に関していろいろ探していると、やはりProduct Integral という名称が"differential equation" とか "high energy physics" などの分野で使われているようです。 例えば、 Product integration with applications to differential equations / John D. Dollard and Charles N. Friedman ; foreword by Felix E. Browder ; appendix by P.R. Masani (Encyclopedia of mathematics and its applications ; v. 10 . Section, Analysis) という本や、 Pacific J. Math. 48, no. 1 (1973), 163 http://projecteuclid.org/Dienst/UI/1.0/Summarize/euclid.pjm/1102945710 という論文が見つけられました。論文(フリーで落とせる)を眺めてみましたが、 正直理解できませんでした。 ここに差分方程式の専門化はいらっしゃるでしょうか・・・