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ラテン系言語で「H」が発音されないのは何故?
スペイン語やイタリア語等で「H」が発音されないのはどういう理由や経緯によるものでしょうか? 成る可く具体的に教えて下さい。
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No.2です。再質問がありましたので。 母音化しやすいというのは、コトバの識別に支障ない範囲で発音がより安易な方向(緊張のない曖昧な母音の方向ですね)に流れた結果、子音が母音の中に呑み込まれて無音化する傾向があるということです。長い歴史的時間の中でそういう傾向が出てくるのは自然なことです。そして、「H音」は母音化しやすい代表といえるでしょう。 また、ロマンス諸語は俗ラテン語と土着語との混交の結果ですが、南欧地域の土着諸語が豊かな母音を有していたため、母音化が進みやすかったのではないかと考えます。 - h - の無音化のほかには、ラテン語の - gli - グリ が イ (イタリア語)になったり、- gnu - グヌ が ニュ (イタリア語、フランス語) になったりしていますが、傾向としては同様かもしれません。 No.1のご回答にもありますが、笑い声の He He He は「H音」を日頃うまく発音できないフランス人でも(エ、エ、エ ではなく) エ、ヘ、ヘ と言ったりします。この場合はむしろ自然に「H音」が出るようです。
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No3です。 >そもそもFがHに変わったのは何故なのでしょうか? 何故FがHに変わると発音されなくなったのでしょうか? 専門的に説明できませんが発音は時代とともに発音しやすい方へ変更するのでF→Hへと変わり、他の方も説明しているようにHはやがて消失したのでしょう。文字(音)によって発音の仕方が違うことを 考えれば(分れば)納得いくと思います。やさしい方へ発音して言葉までが変わる赤ちゃん言葉はその表れのひとつでしょう。
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御回答ありがとう御座います。 >発音は時代とともに発音しやすい方へ変更するのでF→Hへと変わり、他の方も説明しているようにHはやがて消失したのでしょう。 H以外の、他の子音で消失現象が起きなかったのは何故でしょうか?
音韻学の勉強をしていないので、確かなことは言えませんが、他の方も書いておられるように、Hは母音化する傾向が強いのだと思います。ドイツ語などでも、母音の後に来るHは発音されません。 日本語でもHは発音されなくなっていますね。たとえば「会う」は元来「あふ」だし、「甲斐」は「かひ」でした。旧仮名遣いでそう書いているということは、以前はそう発音されたということでしょう。イタリア語などで綴りにHが残っているのも、同様の理由だと思います。 日本語の「は行」は、確かP→F→Hと変遷していると思うのですが、この場合のFは、今のヨーロッパ語のFではなく、はひふへほの「ふ」の子音ではないかと思います。
むしろ発音されないのにスペルに残っているのはなぜかという問題だと考えるとよいでしょう。 ラテン語ですでにH音は発音されない傾向がありました。 以前こちらに書きました。↓ http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1981245 H音の衰退したころはちょうど一般人に読み書き教育が普及し、また富裕な教養層に外国語であるギリシャ語を学ぶことが必須とされた時期と重なります。 ギリシャ語でもまた紀元前2世紀ごろにはそれまで発音されていたH音が発音されなくなってきていました。発音しないが昔は発音していたHを綴り字や特別な記号を使って表記することが始まったのはこの当時のギリシャ語からです。 http://oshiete1.goo.ne.jp/qa2404274.html ローマ人もこれにならって発音上は消失しているけれど古くは発音されたH音を意識するようになったのだとおもいます。ロマンス系の各言語は先祖からの遺産としてそれをも受け継いだのです。
ラテン語まで遡らなくてもスペイン語より古い音を残しているポルトガル語を見ると、スペイン語では中世のある時期まで有声のHをFで表記したことが分ります。このFがHに変わったとき無声音化したり脱落(消失)したようです。 ポルトガル語→スペイン語 Filjo →Hijo 息子 Ferro →Hierro 鉄 Forno → Horno オーブン(かまど) Formosa → Hermosa (形)美しい 日本語でもF-Hと変化してきたことが16世紀のポルトガル人宣教師の残した書類で確認されています。 例 fafaーhaha(母) nifonーnihon(日本)
補足
御回答ありがとうございます。 そもそもFがHに変わったのは何故なのでしょうか? 何故FがHに変わると発音されなくなったのでしょうか?
- Pyratus
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もともとラテン語では「H音」を発音していましたが、「H音」は調音位置(調音部位)が口の前の方から奥へと後退し、母音化する傾向があり、南欧地域で特にそれが顕著に現れたからと考えられます。
補足
御回答ありがとう御座います。 >「H音」は調音位置(調音部位)が口の前の方から奥へと後退し、母音化する傾向があり これは具体的にどういうことなのでしょうか?また、何故こういった現象が起こったのでしょうか? >南欧地域で特にそれが顕著に現れたからと考えられます。 これも何故でしょうか?
- tokai96
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イタリア語、スペイン語、ポルトガル語もhは発音されませんね。フランス語とそれらの言語はラテン語から派生しましたが、ラテン語ではキチンと発音していました。 イタリア語だと発音しないhはスペルからも消えているものが多く、逆にもともとhのつかない語に同音語との区別からhをつけているものがあります。フランス語でもhautはラテン語のaltusに由来していますが、これも同じ理由のようです。 さて、フランス語ではhは読みませんが、それでも有音のhというのがあります。これは 普通はhで始まる語は 母音で始まる語とみなされ、エリジョンやリエゾンが起きますが、発音されないはずのhを発音されるものと仮定し、エリジョンやリエゾンが起こらないものです。 例えば、フランス北部に Le Havreという港町がありますが、Havreのhが有音のhなので L'havreとはなりません。これはどういうことかと言いますと、ラテン語がフランス語やイタリア語に分化する前に既にhの音価が失われましたが、フランス語はゲルマン系の言語であるフランク語の影響を受け、フランク語から入った言葉でhで始まる語はhを発音していました。これが、 有音のhです。しかし、この有音のhも次第に発音されなくなったのです。 最後に実はフランス語にもhを発音する場合のある単語が一つだけあるんですよ。heという間投詞ですが、人によっては「ヘ」と言うこともあるようです。
補足
御回答ありがとうございます。 >「H音」は母音化しやすい代表といえる これは何故ですか? >南欧地域の土着諸語が豊かな母音を有していたため、母音化が進みやすかったのではないかと考えます。 これはどういう意味ですか?もっと詳しく教えて欲しいのですが…。