はじめに、遺伝子産物が活性を持つことを明らかにし、ラセマーゼであることを確定したいということですよね。リコンビナントタンパク質を作製するのは現代の生化学をやっていく上では非常に一般的な手法と思います。活性測定だけでなく立体構造解析などいろいろとできることが広がると思います。ただ、活性を持たせたり効率よく可溶化させる本当に大腸菌での発現がよいのか、酵母や昆虫細胞の系などの視野を広げて考える方必要もあります。一般にHis-tag はtagが小さいことから活性や他の因子との相互作用を阻害しにくい(もちろんタンパクによりますので。)、簡便でdenature conditionでも精製できるため、不幸にも活性を持たないものだとしても、それが不溶性でも発現するのであれば抗体作製などに使用できることから重用されています。さてご質問は生化学的な方法以外にないのか?と与えられたテーマに疑問を持っているということでしょうか?たしか前任者から引き継いだばかりですよね。うまくいかないのを引き継いでしまったので何か妙案はというところでしょうか。例えばですが、その遺伝子の配列をひろくホモロジーサーチするとファミリーがいろいろとわかってきませんか?私はラセマーゼがどのようなドメインをもったタンパク質がちゃんと存知上げませんので、的外れなことをいっているかもしれませんが、活性中心の構造を中心にその遺伝子産物が近縁の種とどの程度似ていて、それらの活性と基質特異性などのコンピューター上での情報は十分集められていますか?これらはリコンビナント作製と平行してやるべきことですが、実験のヒントを得られるチャンスかとも思います。