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1以下と1未満の違い(証明編)

starfloraの回答

  • starflora
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回答No.6

    No.6 の方は、構成数学のことを持ち出され、選択公理にも言及され、「水掛け論」と言っておられますが、わたしはそうは考えません。     まず、質問者の質問については、こういう形の問いに対する標準的な考え方、答え方というものがあり、その考え方からは、提示の証明は、間違っています。     しかし、何故、そういう標準的な考え方に従わねばならないのか、という疑問も出てくるのです。質問者の意図を汲み取ると、これは、その証明は「正しい」という結果にもなります。どうして、正しいと言えるのかの説明を以下に述べます。     デーデキントの切断や、開集合、閉集合の概念なども含め、これらは、「連続実数」とは何かということを探求し、研究する過程で提出されたものです。そして、これらは、いわゆる「選択公理」を前提とする標準的な集合論(ZF等)や、そこからの展開であるカントールの無限集合理論などに繋がっているのです。     「選択公理」は、非常に便利で、有効な強力な公理ですが、おかしなパラドックスを導くことでも有名です。それ故、選択公理を入れて、公理系を構成する場合、外して公理系を構成する場合などの考えが起こり、また、選択公理の公理としての妥当性にも疑問が出てきて、これは、無限操作を認めない直観数学とか、構成数学の考え方にも近寄っているのです。     しかし、そういう話はおいておくとします(と言いいつつ、いまから、選択公理について述べるのですが)。まず、カントールの無限集合論は、選択公理を使っています。例えば、実数の無限濃度を、連続体濃度、あるいはアレプ1の濃度と言います。Rを実数を表現する数点集合だとすると、R^2(RXR)は、Rの無限濃度と同じ濃度です。つまり、R^2とRの集合は、無限体としては、同じ濃度アレプ1です。これは、{R}と{R^2}の要素のあいだに、一対一対応が付けられる、あるいは、そういう写像が存在すると証明できるので、同じ濃度となります。この場合、一対一対応にならないという写像もあるのですが、無限集合論では、写像があれば、無限濃度は同じであるとします。この関係を雄弁に語っているのは、「無限集合とは、その真部分集合と、一対一に要素が対応するような集合である」というような、無限集合の定義というか、説明です。(「真部分集合」とは、真の部分になるという写像があるので、そう言えるのです。にも拘わらず、その真部分集合自身の要素のあいだに、一対一対応の写像があれば、この集合と、その真部分集合は、「同じ濃度」の集合となり、こういうのが、無限集合の特徴だというのです)。     R^2とR^3も、同じ濃度の無限集合です。この場合、対応できる写像があるというのは、任意に要素を集合から選び出すことができるからで、ここで選択公理が使われているのです。     幾何学の図形で考えると、Rを、長さ1,例えば、0<=x<=1の区間の領域の集合と考えてもよい訳です。すると、一辺1の正方形の含む点の濃度は、R^2になり、一辺1の立方体の含む点の濃度は、R^3になります。これらは、無限集合論では、同じ無限濃度です。含まれる点が同じ数(というか、正確には、点のあいだに一対一対応写像が作れるということ)です。     質問者は、1<=xが定義する半直線と、1<xが定義する半直線は、直線としては、同じものだということを主張しているように思えます。そして、これは直線としては同じものでしょう。1=xの点が1<xには含まれていないと言うのなら、選択公理で、どこかから適当な点を取って来て、ここに置けばよいでしょう。ただしx=1の位置にではないです。どこにかというと、(超準解析の話になるのかも知れませんが)、x=1でない、この半直線の端に置くのです。     これで、証明の正しさは出てくるのではないでしょうか。     半直線を構成する集合の話と、その順序位相などの話からすると、これは実はおかしいのですが、また、正方形と立方体は、含む点の数が、無限集合論からすれば同じ濃度であるが、しかし、これらは幾何図形で、構造や位相があり、単なる集合ではないというのでしたら、「ユークリッドの定義」と言っているのですから、ここでいう「領域」は、集合ではなく、線分という幾何図形のことだとなります。     無論、質問者の言葉には、疑問な点が多数ある訳で、「領域」という言葉は、問題があるとか、こういう風に考えると、「数の連続性」とは何のことかという疑問が起きて、それは、おそらく、この「同一の領域」と言っている証明法が使っている数学の論理または公理とは、別のシステムが必要になるのでしょうが、そこまでは、分かりません(責任を持ちません)。標準的な考えでは、上のわたしの説明も、「数の連続性……」という言葉と、「同一の直線を示している」という結論のあいだで、使用している、公理系が、切り替わっているはずだ、という反論になって、それはおかしいと言うことになると思いますが、おかしいかおかしくないかは、質問者が、今後考えてみることで、よいのではないでしょうか。     つまり、質問者の言い分も、それなりに背景あるいは根拠があると言うことで、こういう「数学の拡張」もありえるかも知れないということです。それは、構成主義や直観数学に似た感じを与えるのでしょうが、そうレッテルを張るのもどうかということです。     なお、以上述べたことは、標準的な数学の考え方からは逸脱するのだ、ということは、前もって言いましたが、ここでも繰り返し述べます。     1/3と 0.3333……の3が続く無限循環小数は、同じか違うかという問題もあるようですが、わたしは、違うという意見も正しいと思います。有理数環(または有理数体)の要素として、1/3は定義される訳で、実数体の定義の後では、1/3は実数で、それは、0.3333……と同じ実数を表すと定義されるのですが、有理数環(体)で定義される1/3と、実数体で定義される1/3つまり、0.3333……は、別の集合に属する別の要素ではないのかと言うことです。有利数体は、実数体の部分体であるので、同じなのだというのは、実数体を構成した後の話のはずです。実数体の構成は、大学で学ぶはずですし、すべての人が学ぶ訳ではありません。分数、循環小数というのは知っていても、それらは、有理数のなかの話です。「無限小数」で、すべての数(実数)は表現されるというのは、実数体の定義から出てくるはずです。有理数以外に、無理数や超越数があり、これらは、有理数に較べて無限にたくさんあり、無理数より更にたくさん、超越数があるという話だったと思うのですが、そんなにたくさんある超越数はどこにあるのか、という疑問を抱きます。πやeが超越数だということもかなり証明に苦労したと記憶しますし。……すべての無理数にπだの、π/2だのその他、πの変形数を無数に加えることができ、それだけで、濃度はともかく、超越数は、すべての無理数よりも、無限に一杯あるということは言えますが。閑話休題で、後、続きなしです)。  

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