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正準変換とユニタリ変換のつながり

正準変換とユニタリー変換の共通点が見えなくて困っています。 正準変換は「位相空間における基底の変更」で、 ユニタリ変換は「固有空間における基底の変更(回転)」 だと認識してるのですが、 正準変換(古典)⇔ユニタリ変換(量子)と対応するならば、 なぜ、 位相空間(古典)⇔固有空間(量子) という対応関係がないのでしょうか? 以下の部分で悩んでます。 話を簡単にするため、 仮に、一粒子一次元として、位相空間が座標と運動量の2本の軸で表されているとします。 位相空間の座標軸に相当するのが、 座標表示の固有空間(無限本の基底を持つ複素ヒルベルト空間) 位相空間の運動量軸に相当するのが、 運動量表示の固有空間(無限本の基底を持つ複素ヒルベルト空間) というように、 位相空間の一つの軸に対して一つの固有空間が対応しているように感じるのですが、 本来なら、位相空間の一つの軸に対応すべきは固有空間の一つの軸ではないのでしょうか? 独学ゆえ、どこかもっと前の定義や語句の認識の段階でつまづいている可能性もあるので、アドバイスよろしくお願いします。

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回答No.2

> 位相空間の一つの軸に対して一つの固有空間が対応しているように感じるのですが、 > 本来なら、位相空間の一つの軸に対応すべきは固有空間の一つの軸ではないのでしょうか? ちょっと違うように思います。 なぜなら、座標表示も運動量表示も同じものを違う形式で見ているだけなので、本質的に必要な物はどちらか一方でいいわけです。 実際に、幾何学的量子化では前量子化という操作を行いますが、これはシンプレクティック多様体(位相空間の一般化)から座標の空間に相当する部分を取り出して、ヒルベルト空間を作ったりします。 つまり、古典力学では位相空間がフルで必要なのに対して、量子力学では「位相空間の半分の次元の空間」の上の関数空間(波動関数の空間)が必要なのです。 なので、単純に位相空間とヒルベルト空間が対応するといった描像は成り立ちません。 量子化の問題は、非可換幾何学と関係しながら、現在も盛んに研究されていて、未だはっきりとした解答がないようにも思えます。

snobbery
質問者

お礼

ありがとうございます。私自身も今日図書館で調べて回った結果、 座標表示の固有空間も運動量表示の固有空間も同じ状態ベクトルの空間の基底の取り方が違う。 など、いろいろ曖昧な部分が確認できて、 おっしゃるとおり、『単純に位相空間とヒルベルト空間が対応しない。』 という結論に達しました。 分かりやすい説明ありがとうございます。 なかなか量子化を幾何的に捉えるのは難しそうですね。 もう少し精進します。

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  • moumougoo
  • ベストアンサー率38% (35/90)
回答No.1

ご存知のとおり正準変換は座標の変換です。 一方量子力学では、いろいろな基底をつかってハミルトニアンを表現することができますが、ただし、そのときに、エルミート性と固有値を普遍にしなくてはなりません。つまり、そのような基底の変換はユニタリでなくてはならないのです。 さて、ハミルトニアンは座標変換によって違う変数で記述されますが、正準変換であればどちらの座標で記述されていても量子化したものは物理的に同じものであるはずなので、ユニタリ変換で移りあえなくてはなりません。なので、ユニタリ変換でなくてはならないとなります。 で、量子力学では、正準変換に伴ってどんな変換がされたというのでしょうか?量子力学では座標や運動量に対しても固有状態を考えますが、座標変換は結局この固有状態を変換していることになります。したがって、座標や運動量の固有状態に対するユニタリ変換がなされていると考えればよいのではないでしょうか?

snobbery
質問者

お礼

ありがとうございます。 数式の記述を一通り学んでも、ユニタリ変換と正準変換の幾何的なイメージがまとまらなくて困っていましたが、 ・位相空間、固有空間ともに、無限小正準変換のような連続的な能動的変換と、正準変数変換のような受動的な変換の区別が付いていなかったこと。 ・位相空間、固有空間を類似のものとして比較しようとしていたところ。 が、間違いの元だったようです。 なんとか、質問で知りたかった事については解決いたしましたので締め切りとさせて頂きます。 ありがとうございました。

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