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先駆植生であるアカマツについて

裸地からの植生遷移ではさいしょに侵入する樹木はアカマツであるとされていますが、アカマツはどうして貧栄養な土壌においても生育が可能なんでしょうか? アカマツの根にもマメ科植物みたいに根粒菌とかが存在しているんでしょうか? ただ陽樹であるからという理由であるならばアカマツでなくてもよい気がします。

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回答No.5

#1です。マツの根につく菌根はヤマモモやマメ、ハンノキの仲間の根につく窒素固定菌ではなく、外生菌根といわれるものです。細根の細胞の隙間に菌糸が入り込み、根の周りにびっしりと菌がつくような状態になり、特に乾燥地では菌糸網層と呼ばれる菌とその遺骸で真っ白いマット状になった層を作ります。この層ができると不透水性になり、その下の土壌の乾燥化が一層進むのですが、菌根菌は土壌中の水分やミネラルを効率よく吸収し、マツに与えます。マツは逆に光合成により得た糖分を菌に与えます。この相利共生によりマツは乾燥や貧栄養に強いのです。菌根菌にはマツタケの他にもアミタケ、シメジ、ニンギョウタケなど様々な種類のキノコがあります。

kkoike
質問者

お礼

丁寧に教えていただいてありがとうございました。菌根菌というものを初めて知りました。乾燥地での真っ白いマット状の層というのは土の表面にも見ることができるんでしょうか?

その他の回答 (5)

回答No.6

#5です。菌糸網層ができるのは落ち葉の層の下です。松葉の層をめくったら、真っ白な層が現れます。ちなみに、こんな状態は松茸の適地ではありません。松茸がよく出る環境は、落ち葉があまりつもっていないところです。

  • SaySei
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回答No.4

私なりの解釈なので、間違っているかもしれませんが、一つの考えとして聞いてください。 まず、事実として、アカマツの落ち葉が分解者によって分解されにくいというのがあります。つまり土壌に、利用しやすい窒素などの養分が少ない、ということに繋がります。 当然、アカマツにとっても成長が遅れるというデメリットがそこにあるわけです。ただ、メリットもあります。土壌中の養分をガンガン使ってドンドン成長する植物(陰樹など)が進入できないのです。そうして、他の植物が侵入する前にアカマツは充分に生長し、個体数を増やすことができるわけです。ですから、「マツの根粒菌が相当力不足」というわけではなく、「マツの戦略」ととるべきでしょう。 更に言うと、ヤマモモを導入することにより、アカマツの生長がよくなることは当たり前とも言えます。なにせ、ヤマモモの落ち葉はアカマツのそれよりも分解されやすいでしょうから。なぜなら、ヤマモモは陰樹です。他の植物が多少生えていても問題ないですよね。それだったら、分解されやすい葉を落として、どんどん分解してもらい、土壌中に養分を蓄えたほうが、ヤマモモにとってもプラスになります。 何をもって「健全な林」とするか。私に言わせれば、ヤマモモなどのない「アカマツ林」も健全な林です。自然状態では結構ありますし。むしろ、いきなりヤマモモなんかを人工的に導入することのほうが、文字通り不自然で不健全だと感じます。私が見たことのあるアカマツ林では、コナラやヒサカキなどが一緒に生えているところは結構ありましたが、ヤマモモはなかったと記憶しておりますし。

回答No.3

菌根菌と共生しています。この辺りの共生関係は比較的近年判明したばかりですが、マメ科のように1対1(実際は数種の菌ですが)ではなく、けっこうたくさんの菌類と共生するようですね。マツタケはその一部なわけですが。 ハンノキ科ヤシャブシ属なども窒素固定菌と共生関係を持っており、温帯地方の木本では170種ほどが、そのような能力を持つと知られています。

kkoike
質問者

補足

“貧弱なマツ林に窒素固定性根粒を有するヤマモモを導入することにより、マツの生育と窒素量が増大した試験が報告されている”という記述があるHPを見たんですが、マツに根粒菌が共生しているのにヤマモモの力をかりないと健全な林が形成できないというのはマツの根粒菌が相当力不足ってことでしょうか?

  • suiran2
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回答No.2

マツがパイオニアプラントである理由は,色々あります。種子の散布から枯れるまでの間を順序を追って考えてみましょう。 種子の散布能力 マツやカエデの種子は風による散布能力が極めて高い種子です。いち早く裸地に散布されます。 種子の発芽能力 マツの種子は光により発芽が促進される一種の光発芽種子です。裸地での発芽に適しています。また,菌類によりマツの種子は発芽能力を失います。これも裸地に適した発芽能力といえると思います。 陽樹・成長 マツは代表的な陽樹です。この説明は必要ないでしょう。また,マツの生長は早くすぐに林を形成します。 耐乾性・耐寒性 裸地は乾燥しやすいですから耐乾性の高い植物でないと生育できません。また,裸地の温度変化は森林内より大きく耐寒性の高いものが有利です。一般的に針葉樹は耐乾性・耐凍性が極めて高く広葉樹の生育できない環境に生育できます。 耐風性 マツの幼樹は防風林や防砂林にマツが植えられるように耐風性がかなりあります。しかし成木の耐風性は反対に低くすぐに倒れて枯れてしまいますが… 何かの参考になりましたなら…

回答No.1

乾燥への適応が大きいでしょう。マツは無駄に水分を蒸散させません。クロマツが海岸に生えることが可能なのも同じ理由です。高い浸透圧への適応、つまり、乾燥への適応です。マツ類にとっても肥沃で水分のある土地の方が生育適地なのですが、このような環境では他の樹種に負けてしまいます。

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