• ベストアンサー

プラスミドの大量調製

題字の如くなのですが、プラスミドの大量調製が思いのほかうまくいきません。培養の際の培地を500mlないし1lで大腸菌を増やしているのですが、大腸菌自体はばかばか増えるのに、そこから得られるプラスミドが10μgくらいしかありません。low-copy plasmidかとも疑い、培地の量をかえてトライもしてみましたが、こちらでもうまくいかないんです。 培地には抗生物質を添加しているので、プラスミドを持たない大腸菌が急増するということは考えにくいですし、やはり細胞内でのコピー数が少ないと考えています。 このようなプラスミドの収量を上げるには、どうすれば良いでしょうか?具体的な数字で表すと、100μgは取れるといいのですが。 何か工夫すべき点がありましたら、ご教授願います。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • MIYD
  • ベストアンサー率44% (405/905)
回答No.1

まず、プラスミドの骨格は何でしょうか。 low-copyかどうかは普通は疑うのではなく調べるものです。 プラスミドのoriが何由来なのかを調べれば大体のコピー数と収量がわかります。 http://www.promega.co.jp/cat/technical/17-q.html P1 phage由来のPACベクターに大きいインサートが入っていれば1l培養しても10ugしか取れないということはあります。 それと、1mlで培養した時にはどのくらい取れるのでしょうか。 たいてい少量のスケールで精製したもののほうがml当たりの収量はいいです。 大量培養した時にもそこから1mlとってちゃんと増えていることを確認したほうがいいかとおもいます。 実際の大量調整の時にはどの方法を使ってどのスケールでやっているのでしょうか。 アルカリSDS法かその変法のキットを使っていると思いますが、 ちゃんとリシスしているのか誰かわかる人に確認してもらったほうがいいと思います。 大腸菌が壊れていなければプラスミドは出てこないでペレットとして捨てられることになります。 抗生物質の濃度は適当なのでしょうか。場合によっては2倍くらいにしたほうが収量がよくなることがあります。 もしかりにlow-copyのプラスミドならば 途中でクロラムフェニコールを加えることにより大腸菌の増殖を止めてコピー数を増やすことができることがありますが、 コピー数が少ないプラスミドをわざわざ使っている時には、コピー数が増えると組換えを起こすようなインサートが入っていることがあるので 事前に調べておく必要があります。

oldravenclaw
質問者

補足

使用しているプラスミドはpact5Cという全長約6kbのもので、そこに小さい場合は約2kb、大きい場合は約5kbのインサートを組み込んでいます。 通常のスモールスケールは3mlの系で行い、大体1μl当たり0.5μgから1μgくらいの収量があります。 大量培養の際も、スモールスケールの場合も同じQIAGENのplasmid kitを使用しています。スモールスケールの場合はmini kit、大量培養の際はmaxi kitを用います。抗生物質の濃度は、50μg/mlで統一しています。

その他の回答 (3)

回答No.4

>スモールスケールの場合、大腸菌液3mlの系で1μl当たり0.5μgから1μg位の収量になります。 なので、40~50本やれば100μgは取れると思います。 では、ごく当たり前の収量ですね。 ということは、比例的にスケールアップできていないということですね。多分、培養条件が不適切なのだと思います。 ラージスケールで12~16時間培養というのも長すぎるのではないでしょうか。教科書的には、6から8時間で、プラスミド精製にもって行けるようにしたほうが良いように思います(たとえば、朝からboostをはじめて夕方収穫する)。たとえmaxまで殖えて定常状態になっていなくても、その辺でとめておいたほうが良いと思います。 500~1000 mLの培養に、種が100 uLというのは少なすぎるような。ふつう、定常状態までふやした培養液を、1/100から少なくとも1/1000の体積で加えますが。 それで改善しないようだったら、私は、3 mL培養を4、50本やって、それをプールしてプラスミド精製するほうが現実的だと思います。

oldravenclaw
質問者

お礼

細胞溶解がうまくいっていないことが判明したため、ここを改善したところ、200μg程度の収量を得ることができました。 培養条件については、普段あまり考えずに培養を行ってしまっているので、もう一度培養条件がそれぞれ適切かどうか検討してみます。 いつも丁寧なアドバイス、ありがとうございます。

回答No.3

small scaleでは充分に取れてますか? もしそうなら、small scaleで20~30本やれば100 ugくらい取れるのでは? 培養時間が長くなると死ぬ菌が出てきたり、抗生物質が分解されてきてプラスミドをもっていない菌が増えてきたりして、見かけの菌の増え具合とプラスミドの収量が一致しないことがあります。large scaleの場合、短時間で増やすため、2段階、3段階でboostしてやる必要がありますが、その辺の配慮は?

oldravenclaw
質問者

補足

スモールスケールの場合、大腸菌液3mlの系で1μl当たり0.5μgから1μg位の収量になります。 なので、40~50本やれば100μgは取れると思います。 大量培養の場合、培養時間は12~16時間に設定しており、抗生物質添加済み培地100mlに対し、あらかじめスモールスケール(3ml)で培養した菌液のうち100μlを加えています。あとは、上記の時間になるまで振盪培養装置にかけておきます。 従って、2段階、3段階でのboostはやっていないことになるかと思います。

  • MIYD
  • ベストアンサー率44% (405/905)
回答No.2

追加で、 もしあなたの操作にまったく問題がなく、1l当たり10ugしか取れないプラスミドなのでしたら、 10l以上増やして (一度には増やせないでしょうから少しずつ培養してアルカリSDS法でイソプロ沈のペレットの状態にしてためておいて) 超遠心で精製するときれいなプラスミドが取れます。 前にPAC、BACを扱っていた時には8l位そうしていました。 もちろんそれほどきれいなプラスミドが必要でないのでしたら全部まとめてフェノクロ、エタ沈でもいいのですが。 あなたの操作に問題がなくても、 共通で使っている抗生物質が濃度が間違っていたり、 誰かが日なたに数日おいていたりして効かない可能性もあります。 新しく抗生物質を作って試したことはありますか。

oldravenclaw
質問者

お礼

抗生物質を新しく作り直して、試したことはありませんが、その後細胞溶解の時点で細胞がうまく溶解していなかったことが判明しました。 改善したところ、200μg程度の収量を得ることができました。 いろいろなアドバイスをありがとうございました。

関連するQ&A

  • 大腸菌の形質転換とアンピシリン

    大腸菌の形質転換実験を行いました。 大腸菌のコンピテンとセルにプラスミドを導入させ、それをアンピシリン含有LB寒天培地で培養しました。 培養後、形成されたコロニーを採取し、次は、坂口フラスコ内でアンピシリンを加えた液体培地で培養しました。 ここで、培地にアンピシリンを添加する理由を教えていただきたいのです。 LB寒天培地にアンピシリンを添加するのは、プラスミドを導入した大腸菌のみを培養するためだと思います。 では、坂口フラスコでの培養でアンピシリンを添加するのはなぜでしょう?自分なりにいろいろ調べたところ、「プラスミドを抜け落ちないようにするため」ということを知りましたが、これはどういうことなのでしょうか? なぜ抜け落ちるのか、なぜアンピシリンを添加すると抜け落ちないのか、ということがよくわかりません。 ご存知の方は教えて下さい。よろしくお願いします。

  • プラスミドの回収率が低いのですが…。

    こんにちは。分子生物分野に今年から手を出し始めた者です。 大腸菌に組換えプラスミドを導入し、コロニーPCRで目的の領域がインサートされていることを確認した上で、プラスミドを抽出したのですが、何度やってもプラスミドの回収率が低く、20ng/μlほどしか取れません。 プラスミド抽出にはアルカリSDS法のmini prep kitを利用しています。アンピシリンを添加したLB培地で16時間培養した大腸菌を用いました。またマトリクスにももうそれ以上吸着されていないようです。 何が原因でこのようなことが起こりうるのでしょうか? また高濃度のプラスミドを回収するにはどうしたらよいのでしょうか?

  • プラスミドの導入について

    先日実験で大腸菌へのプラスミドの導入実験を行いました。 この際、プラスミドを加えた培養液Aに比べ、プラスミドと制限酵素(EcoR1)を加えた培養液Bのほうが、 アンピシリン培地でのコロニー数が低下しました(Aは500、Bは10)。 制限酵素によってプラスミドが直鎖状になることがアンピシリン耐性遺伝子の発現に影響していると思うのですが、 具体的にどのように影響しているかわかりません。 詳しい方、助言をお願いします。

  • 大腸菌の培養と抗生物質

    タンパク質合成プラスミドを組み込んだ大腸菌を培養しています。 プレカルチャー開始30分後に抗生物質を添加しました。 抗生物質添加後に耐性菌のセレクトが行われると解釈して いいのでしょうか?

  • 大腸菌からのプラスミド抽出

    現在工学部の大学院生です。 初めて生物的な研究をしますので、初歩的な質問ですみません。 大腸菌からプラスミドを取り出しているのですが、その前段階について質問します。 まず、プラスミドが導入されていないDH5αを、液体培養しております。 少量培養を8h、大量培養を16h行っております。 その際、アンピシリン溶液1mg/mlを、0.1ml(アンピシリン)/ml(培養液)となるように加えております。 そこで、質問させていただきます。 ・プラスミドが導入されていないDH5αですが、大量培養後の大腸菌はプラスミドは入っていますか? ・培養時間は適切ですか? 先輩が言うには、アンピシリンを入れているので、プラスミドを持つ大腸菌以外は死滅するから、最初に導入しなくても良いと言います。 自分の疑問としては、プラスミドをもつ大腸菌が少なくなってしまうので、のちのプラスミド精製濃度が少なくなってしまうのではないかな、と思ってしまいます。 初歩的な質問ですが、よろしくお願いします。

  • プラスミドを用いて蛋白質を用いる場合

    大腸菌にプラスミドを導入して、形質転換して大腸菌を大量に培養した後に、目的の蛋白質を取り出そうとした時に、疑問をもったのですが、 大腸菌などは核内にあるDNAからRNAを作り、RNAを翻訳して蛋白質を合成します。 そうなると大腸菌にプラスミドを導入した時に、プラスミドは大腸菌の核内に導入されたと考えていいのでしょうか?

  • プラスミド不和合性について

    プラスミド不和合性とはどのような機構で起こるのでしょうか? 例えば、同じoriで異なるインサートを持つ2種類のプラスミドを大腸菌が取り込んだ場合、取り込んだその個体の中で一方のプラスミドが排除されてしまうのですか? それとも増殖していくうちに一方のプラスミドしか持たない大腸菌の割合が増えていくということですか? どちらのプラスミドを増やしていくかというのはどのように決められるのでしょうか? 何らかの揺らぎが原因だとしたら、それを拡大させる機構はどのようなものなのでしょうか? 一方のプラスミドは完全に失われてしまうのでしょうか? 先日、GFP遺伝子の入ったプラスミドとYFP遺伝子の入ったプラスミドを混合して大腸菌に導入させ、培養させたところ、緑色に光るコロニーと黄色に光るコロニーの他に円形のコロニーの左半分が緑色、右半分が黄色となっているものがわずかですが見受けられました。単色に光るものは1種類しかプラスミドを取り込まなかった大腸菌が増えたもの、または2種類取り込んだがプラスミド不和合性により一方のプラスミドがコロニー全体で支配的になったものと考えられます。 では、一つのコロニーで2色となったのはどのような機構によるものでしょうか? 最初の分裂でたまたま左側に分裂した細胞にGFPのプラスミドが多く、右側にYFPのプラスミドが多く入っており、それぞれの側で拡大して行ったということなのでしょうか? 自分の専門ではないですし、基本的な間違いがあるかも知れません。お教えいただければ幸いです。

  • TB培地の利用法

    DNAをたくさん採りたかったため、大腸菌をTBで培養したのですが、望む収量を得られませんでした。 後で調べたところ、濃すぎても菌が死滅したりして良くないとか(大抵はLB、濃いものでもYTで培養するそうで・・・)。 では、TB培地は何をするときに使う培地なのでしょうか?

  • plasmid DNAがない

    先輩から目的遺伝子が組み込まれたplasmidを、 competent cellに感染させ、増やして欲しいと 言われ実験をおこなっています。 しかし、コロニーピックアップし一晩培養した 培養上清を回収し、QIAGENのキットでプラスミドDNAの 抽出をおこなったのですが、全てDNAが10ng程度しかなく、 困っています。 私の考えでは、抗生物質含有の培地のコロニーを ピックアップし、さらにスケールアップする際も 抗生物質含有の培地で培養したので、プラスミドDNA が入っていないとは考えられないのですが、、、。 今のところ、キットでタンパク沈殿させた際の DNAの濃度をはかり、プラスミドの増殖をチェックし ようと考えています。(キットの操作には間違いは ありませんでした) 何か、考えられる原因があれば詳しい方お教えください。 ちなみに今までの実験の流れは、以下のように行いました。 1.plasmid DNA(invitrogen pcDNA3.1)を one shot competent cellに感染させる 2.アンピシリン含有LB培地によりセレクション 3.コロニーを一晩5mlのアンピシリン含有LB培地で培養しスケールアップ 4.1mlの上清回収し、プラスミドDNA抽出

  • 大腸菌の蘇生培養

    大腸菌のシングルコロニーをピックアップして、LB培地に抗生物質を加えた液体培地中で培養しているのですが、一向に増える気配がありません。 そこで、大腸菌がVNC状態になっている可能性があるのではないかと思い、蘇生培養を試そうとしたのですが、その方法が分かりません。 どなたか大腸菌の蘇生培養法を知っていらっしゃる方がおられましたら、是非ともご教授下さい。 どんな些細な情報でも歓迎致します。