マルクス経済学

質問

マルクス経済学は資本主義なのですか？共産主義なのですか？
「資本論」という本がマルクスの代表著書だったと思いますが、
これは資本「主義」とは関係ないのですか？
マルクス経済学は現在、中国や北朝鮮で採用されているのですか？
日本共産党のマルクス経済学に対するスタンスはどうですか？

どなたか教えてください。

回答No.2

neckon · ベストアンサー

マルクスが資本の動態分析をおこない、その結果を示したのが『資本論』です。これが経済学者マルクスの功績。
マルクスは哲学者でもあり、唯物弁証法という考え方を提唱しました。
またマルクスは社会主義者でもあり、前記の唯物弁証法に従って、資本主義は必然的に社会主義に移行し、それが高度に発達すれば共産主義に移行すると説きました。

この３種類のマルクスを混同するとわけがわからなくなります。経済学者としては一流、哲学者としては二流、社会主義者としては三流、などと言われますね。

『資本論』は資本の動き方を解明した論文ですから、マルクス経済学は「採用」するとかしないとかいうものではありません。資本主義社会において資本はどのように動くのかということを研究する、社会科学の一分野です。

ソ連など社会主義圏では「マルクス経済学に基づく経済政策」を採用したと言っていましたが、計画経済などをそう呼んだだけという側面が強いと思います。実際、社会主義国家の存在により、マルクスの経済学は政治的なバイアスを強く受けることになりました。これを批判して、「マルクス主義経済学」と「マルクス経済学」をはっきり分ける考え方もあります（科学とイデオロギーの分離）。

日本共産党はかつて「講座派」と呼ばれる立場でマルクス主義経済学に関与しました。社会党が「労農派」です。この両者の争いから距離を置く形で、イデオロギーを持ち込まない「マルクス経済学」を研究した宇野弘蔵のラインが、今の日本のマルクス経済学研究の主流になっていると言えるでしょう（共産党は異論があるかもしれませんが）。

なお日本では俗に「マルキスト」という言い方がよくされますが、正しくは「マルキシスト／マルクシスト」ですね。Ｍａｒｘ＋ｉｓｔですから。

お礼

一昔前は日本の学者は「マルクス経済学」派（マルクス）と「近代経済学」派（ケインズ等）に二分していたと聞きましたが、今はどのような状況なのでしょうか。
立命館大学にマルクス経済派の学者がたくさんいたと聞いたのですが、他のもそのような大学があったのでしょうか。今はどのようになっているのですか？ご存知でしたら教えてください。

回答No.6

netcatme

>日本共産党がマルクス主義だというのは
>どこから見て取れるのでしょうか？
>どこかに書いてありますか？
共産主義というのは学派はいくつかに分かれますが、全て「マルクス主義」と考えて構いません。党名に「共産」の名が付いているかぎりマルクス主義を放棄していないと言うことです。
　下のサイトでも共産主義の議論が未だに続いています。私はまともに読む気がしませんが、興味があればどうぞ。

http://www.linkclub.or.jp/~sazan-tu/index.html

＞一昔前は日本の学者は「マルクス経済学」派
＞（マルクス）と「近代経済学」派（ケインズ等）に
＞二分していたと聞きましたが、
＞今はどのような状況なのでしょうか。
＞立命館大学にマルクス経済派の学者がたくさんいたと
＞聞いたのですが、
＞他のもそのような大学があったのでしょうか。
＞今はどのようになっているのですか？
＞ご存知でしたら教えてください。
　マル経だけしかない大学も結構あったようですね。むしろマル経の方が力があったのではないでしょうか。
　いまはマル経やってもしょうがないので、学生が集まらないでしょう。でも近経は高度な数学の塊ですから、そう簡単には転向できないでしょうから、その教授さんたちは苦労しているのではないでしょうか。
＞今、日本の大学などで教えられている経済学は、
＞普通の経済学一本なのでしょうか。
　まあマル経の教授がだぶついていますから一本にはできないでしょう。
＞「資本主義」＝「近代経済学」と考えてもよいですか？
　よいです。近経は、資本主義の解明と解決のために誕生した学問です。ただし近経で共産主義理論を解析する場合はあります。マル経は保守的なので新しい計算方法や発見を取り込まないため近経の学者が計算式を現代風に作って解釈しています。ただし原則として資本主義以外は、むしろ社会学の分野の人が研究していると思います。
　それとよけいかもしれませんが、マルクスが「労働価値説」を完成させたというのには反対です。マルクスが行ったのは「労働価値説」をはじめとして、他にリカードの学説を中心にごっそり当時の経済理論を取り込んで、まとめ上げたことだと考えています（魚だけでなく釣り針からロッドまで全て盗んだと揶揄されます）。「資本論」自体の独創的な価値を否定するわけではありませんが、経済理論に関しては、それほど独創的な価値があるのでしょうか。（でも、マルクス史観は確かに面白い）

回答No.5

ZeroFight

４です。
マル経の先生のほとんどは、数学が出来ないので、高度な数学モデルを駆使する普通の経済学には転向できません。

マルクスは数学が全く出来ず、『資本論』は、小学生レベルの算数しか使っていないので、マル経には数学の出来ない人が集まってしまいました。マル経の本には、よくＧ－Ｗ－Ｇ’なんていう数式が出てきますが、あんなの、算数ですから。

しかし、マル経の先生も食べていかなくてはならないので、〈総合経済学〉というような名前にして、授業をやっている人が多いようです。〈総合経済学〉や〈政策経済学〉のような科目名は、注意した方がいいです。

〈日本共産党がマルクス主義だというのは
どこから見て取れるのでしょうか？〉

一瞬、釣りかと思いましたが、一応、本当に知らないという前提で、マジメに答えると、共産主義とは、マルクス・レーニン主義と、その後継思想のことです。日本共産党は、最近はマルクス隠しをしていますが、改正前の党規約には、はっきり書いてありました。

回答No.4

ZeroFight

経済学には、生産面から商品の価値を考える労働価値説という学派があり、それを完成させたのが、マルクスだとされています。
『資本論』第一巻が出版された頃、消費の面から商品の価値を考える、限界効用価値説という学説が発表されました。現代の経済学は、限界効用価値説を発展させたもので、マルクスの属する学派とは、系統が違います。
労働価値説では、商品の価値は、生産過程で、どれくらいの労働時間が投入されたかで決まると考えます。簡単に言うと、コストをかければかける程、商品の価値は大きくなると考えるのです。
限界効用価値説の方は、商品が市場で、どのくらい評価されるかで決まると考えます。簡単に言うと、どんなにコストをかけて作った商品でも、市場で売れなければ、価値はないと考えるのです。
ソ連や昔の中国は、労働価値説で経済運営をしたために、コストを下げようと努力するどころか、無駄なコストをどんどんかけたので、経済が崩壊してしまいました。
中国が市場経済を導入したというのは、労働価値説のマルクス経済学を止め、限界効用価値説の普通の経済学に変えたということです。

お礼

今、日本の大学などで教えられている経済学は、普通の経済学一本なのでしょうか。

回答No.3

B-1BLancer

＞マルクス経済学は資本主義なのですか？共産主義なのですか？

共産主義です。

＞「資本論」という本がマルクスの代表著書だったと思いますが、
これは資本「主義」とは関係ないのですか？

マルクスの資本論の中で資本主義という言葉がつかわれています。共産主義と対峙させた言葉です。今の日本のような経済体制のことを資本主義と言っています。資本主義という言葉はマルクスの本の中ではじめて出てきた言葉だったと思います。私に言わせれば「資本主義」ではなく「自由経済体制」と言いたいです。
資本主義が高度に発達したところに革命が起こり共産主義社会がくるのは歴史の必然であると言っています。
しかし革命が起こったのは帝政ロシア、中国などのように資本主義もろくに発達していないところで起こりました。

＞マルクス経済学は現在、中国や北朝鮮で採用されているのですか？

国の都合によってアレンジはされていますがベースはマルクス経済学です。
中国はマルクス経済学ではうまくいかないので「資本主義？」を取り入れています。

＞日本共産党のマルクス経済学に対するスタンスはどうですか？

いまだにマルクス経済学を放棄したという話は聞いていません。

お礼

「資本主義」＝「近代経済学」と考えてもよいですか？

回答No.1

netcatme

共産主義。「資本論」は資本主義を解析し、将来的に共産主義になることが歴史的な必然であることを説いた書物。
　一応、共産主義は全てマルクス経済を採用していることになっていると思うが（中国は資本主義路線で今微妙、北朝鮮も独自の思想があるらしい）、今や共産主義者でさえも「共産主義」が実行されたことはないと言っている。現在、資本論は本の中のお伽噺。もちろん日本共産党もマルクス主義者、マルキスト。

補足

日本共産党がマルクス主義だというのは
どこから見て取れるのでしょうか？
どこかに書いてありますか？