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Jミルトンの言葉の訳を教えてください。

ミルトンが出版物の検閲に関して言った言葉です。 I cannot praise a fugitive and cloistered virtue, unexercised and unbreathed, that never sallies out and sees her adversary, but slinks out of the race where that immortal galand is to be run for, not without dust and heat. 私なりに訳してみました。 「動くこともなく、息をひそめているだけの逃避や引きこもりの価値など認めない。その価値とは、外に出て敵と戦うことも決してなく、誇りと塵にまっみれながらも不滅の名誉が確立されるべくレースから逃れてこそこそ歩くことなのだから。」 添削お願いします。

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回答No.1

検閲といっても出版前検閲(出版差し止めのための検閲)についての文章ですよね。かなり直訳っぽい感じにしてみましたが、どうでしょう。参考にしてみて下さい。 私は後ろ向きで内へ内へと向かうような徳のあり方には賛成できない。それは実践されず、故に誰にも知られることのないような徳であり、冒険を求めて未知の世界へと漕ぎだすことをあきらめること、決して色あせることのない栄光へと向かうレースにおいて、熱やホコリにまみれることなくすごすごと脱落することと同じである。 leroさんの訳でだいたいの意味は取れていると思います。あとは分かりやすさの問題でしょう。あえて言うとすればvirtueは通常「徳」と訳します。価値とはかなりニュアンスがかわってきます。日本語ではあんまり区別がないかもしれませんが。「道徳的な良さ」を表す単語で「徳をつむ」といった表現があるように、いろいろなタイプのvirtueというのがあって、それらを実践している人/性格の内に持っている人は道徳的に良いという感じになります。ミルトンが言いたいのは、徳にもいろいろあるけれど「fugitiveでcloisteredな徳というのは存在しない」ということですね。インモラルあるいは政治的な書物の検閲を求めるような人というのは、検閲によって「不道徳」な書物を駆逐しようとするわけですが、そういう行為は人間の道徳性を高めることとは相反する行為なのだということが言いたいわけです。ミルトンはどんな書物も人の目にさらされるべきであり、人々の自由な議論/批判によってその価値や意味というものが鍛えられていくべきであるという考えの人ですから。そしてそういう行為こそが真の意味で道徳的な実践であるというわけですね。 参考になれば幸いです。

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noname#114795
noname#114795
回答No.5

No.3 です。 このような場合、誤解を避けるため敢えて直訳調にしてみました。 "not without dust and heat" のところですが、「厭う」は一般的でなかったかもしれません。とくに熟語ではありません。 レースの一面である「砂埃や炎暑」「(を)嫌うことなく」でも「(から)逃避することなく」でもよいと思います。つまり、レースでは「砂埃や炎暑」無し(without)には済まされない(not)」という意味です。 また、脱落という客観的な状況よりは、自ら尻尾を巻いて逃げ出すという感覚でしょうね。

lero
質問者

お礼

再びお答えいただき、有り難うございます。 heatを「熱」ではなく、「暑さ」と訳すだけで、文として意味が明白になりますね。日本語に直す、日本語で理解することの難しさが身にしみます。 「脱落」は、私の解釈では、検閲されてもそれに抵抗することなく甘んじて受けてすごすごと引き下がる、という意味に思えます。「逃げる」というのは、「あえて勝負しない」の意味あいが強くなる感じでしょうか。読み手の受け取り方の違いによって、日本語にしたときの印象も随分変わる気がしました。 これが「ラインの間を読む」ということですね。私にはまだその知識も技量もないですが、今回はそういった意味でも中身のある勉強をさせていただき、本当に感謝しております。ありがとうございました。

lero
質問者

補足

今回はどうもありがとうございました。本日、ポイントを発行させていただきます。blue-watermelonさんとskytrain2005さんのご回答は本当に参考になり、勉強させていただきました。しかしながら、マスターポイントはお一人にしか発行できないので、回答順という形で、マスター・準マスターとさせていただきます。お二方にさしあげたい気持ちで一杯なのですが、申し訳ありません。これからも、どうぞ宜しくお願いいたします。

回答No.4

"not without dust and heat"の訳しかたについてですが、 leroさんの理解でも問題ないと思います。私の訳はかなり意訳になっています。skytrain2005さんの訳は割と直訳的というか原文に忠実なので分かりやすいのではないでしょうか。 私の場合、"not without"以下は最終的にはraceを修飾していると見ています。分かりやすくすると"slinks out of the race with dust and heat"で、「熱と埃にまみれたレースから脱落」ですが、この場合出版前検閲についての文章であることを考慮すると、検閲対象の書籍はレースに参加する前に脱落するわけですから(少なくともミルトンの見方はそうですよね)、ちょっと意訳して「(熱と埃にまみれるレースにおいて)熱や埃にまみれる前に脱落(不戦敗)」という風にしてみたわけです。 また、"not without"は"not ... without ..."の略されたものという所から、race以下を"race, (which can)not (be run) without dust and heat"という感じでnot とwithoutの間に省略されている部分を補いながら考えると「熱と誇りにまみれることなくは走りきれないレース」という風に理解できると思います。 どうでしょう。多少クリアになりましたでしょうか?

lero
質問者

お礼

はい、not withoutの解釈の仕方が明白になりました。 すぐに、「熟語」として捉えず、意味が曖昧なときは文として組み立てて考えることが大切さだと実感しました。このような短い文章ですが、本当に勉強になりました。今回は、2度までもお答えいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

noname#114795
noname#114795
回答No.3

praise 「賞賛/賛美」、fugitive 「逃亡した/逃避した」、cloistered 「隠遁した/引きこもった」、unexercised 「遂行されず」、unbreathed 「表現されず/言葉に出されず」、sallies out 「反撃する/敵と戦う」、adversary 「敵/相手」、slinks out 「こそこそ逃げ出す」、garland 「栄誉/名誉」、not without dust and heat 「砂埃と炎暑を厭うことなしに」 「私は、遂行もされず発言もされないような、隠遁的で逃避的な美徳というものを賛美することなどできない。なぜならそれは、決して反撃に打って出て敵に立ち向かうことをせず、不朽の名声を得るべく、砂埃や炎暑をものともせず走るべき競走から、こそこそ逃げ出すことだから。」 でいかがでしょうか? breathe は「呼吸する」以外に「言葉に出す」という意味合いもあります。この場合は、行動と発言という観点の方がよろしいと思います。 「誇りと塵にまっみれながらも」は誇り/埃/塵と混用されていますか? 「確立されるべく」とすると「逃れてこそこそ歩く」を修飾してしまいます。「確立されるべき」でしょうね。 galand は綴りミスですね。 なお、not without dust and heat は slinks out ではなく、run for を修飾しているのでしょうから、「誇りと塵にまっみれながらも」(「逃れる」ではなく)「走る」レースとなります。

参考URL:
http://www5.bartleby.com/66/22/39822.html
lero
質問者

お礼

ありがとうございます。No.1さんからいただいたご回答と共に、プリントアウトして、じっくり考えてみました。 breathは、迷ったところの一つですが、言葉と行動という対比を考えるべきところでした。「誇り」は変換ミスです。質問は見直て投稿した積もりだったのですが、すみません。「確立すべく」は、自分ではレースを修飾したつもりだったんですが、確かに自分以外の人が読むと、「こそこそ歩く」ことの目的になってしまいますね。ミルトンの言葉なので、格式高く訳そうと使った言葉ですが、自分よがりな訳になってました。「garland」は仰るとおり、スペルミスです。情けないですが、見識のない単語で、ミスであることにも気づきませんでした。 no.1さんのところでも書きましたが、not without の表現が今ひとつわからず、単純に with と解釈しましたが、「厭わない」という意思が含まれる熟語として一般的に使われる言葉なのでしょうか。 いろいろと本当に勉強になりました。ありがとうございました。

回答No.2

あ、すみません。adversaryをadventureと間違っていました。 該当箇所のみですが、 「敵と対決することなく、決して色あせることのない栄光へと向かうレースにおいて、熱やホコリにまみれることなくすごすごと脱落することと同じである。」 という感じですね。 「決して色あせることのない栄光へと向かう」は長過ぎてテンポがよくないのでleroさんのように「不滅の名誉/栄光」という訳しかたの方がよいかもしれません。 「敵と対決することなく、不滅の栄光へと向かうレースにおいて、熱やホコリにまみれることなくすごすごと脱落するようなものである。」 という感じでしょうか。 「敵」というのはもちろん書物の出版に反対しているような/するかもしれない人たちのことですね。

lero
質問者

お礼

ありがとうございます。プリントアウトして、じっくり考えさせていただきました。 virtueは辞書で引くと一番最初に「徳、美徳」と出ていましたが、ミルトンはもっと、反戦的な意思を持って検閲に反対していると思い、あえて価値という訳を取りました。「道徳的か否か」の考えを根本にした解釈は、思いもつきませんでした。とても勉強になりました。 けっこう欧米では引用によく使われる有名な文のようですが、日本ではあまりお目にかかりません。ミルトンについては、これからもっと勉強してみます。 また、not without = with と単純に解釈して、レースに参加している人々が熱やホコリにまみれる、と訳してみましたが、それをあえて、レースに参加しない人々は熱やホコリにまみれない、と訳されたのには、何か理由がありますか。

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