• ベストアンサー

アンギオテンシンについて

レニン-アンギテンシン系で, (1)アンギオテンシンIIは糸球体の輸出細動脈を優位に収縮させるから糸球体濾過量(GFR)が上昇し,少々の動脈圧下降に際しても尿生成量を確保する (2)アンギオテンシンIIは腎血管を収縮させるから糸球体濾過量(GFR)が下降し,動脈圧下降に際して尿生成量を減少させ循環血液量を確保する。 という,矛盾した2つの説明が平然と同じ本に書かれているのですが,一体どちらが正しいのでしょうか?

noname#24819
noname#24819
  • 医療
  • 回答数1
  • ありがとう数4

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • nemochan
  • ベストアンサー率33% (11/33)
回答No.1

正常状態における作用なのか、レニン-アンギオテンシン系が亢進した状態での振る舞いか、アンギオテンシン単独の作用のみを記述しているのか、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系(RAA系)全体の動きを見ているのか、整理して考えましょう。アンギオテンシン?(A?)の血管収縮作用や尿細管における再吸収促進作用は生理的状態でも存在します。腎臓の主要な機能は体液の恒常性の維持であり、そのため1日180Lにおよぶ濾過を行い、その99%を再吸収するという、一見極めて無駄の多い作業を行っています。生理的状態でRAA系が亢進しているのは、塩分(体液)喪失状態であり、腎臓がNaを保持しようとしている状態にほかならないのです。従って、RAA系は、糸球体濾過を維持したまま、濾過されたNaを再吸収する必要があります。そのため、慢性的にRA系が亢進している減塩状態・脱水状態・Bartter症候群では、A?は近位尿細管に直接作用して、なおかつ副腎からアルドステロン分泌を刺激して、集合管および遠位尿細管に作用してでのNa再吸収を促進します。詳細は省きますが、腎内では、A?はpositive feed backを行っています。一方では、血管系では、腎血流やGFRを保つための機序が存在します。つまり、ご指摘のように輸出細動脈をより強く収縮させます。その結果、糸球体内血圧は上昇し、GFRは維持されます。血管系のA?受容体はnegative feed backを受けています。以上の作用を併せ持つと、Naバランスを保ちつつ、一方で大量のGFRを維持するように、巧妙なコントロールが行われていることが分かります。腎全体の血流が落ちても、GFRを維持する努力がぎりぎりまで働いているということです。はなしは脱線しますが、脱水状態の患者さんでは、RAA系が亢進していて、ぎりぎり輸出細動脈が収縮して糸球体内圧を保ちつつ、Na再吸収を維持しています。A?はもとより腎血管全体に収縮作用がありますが、一方でプロスタグランジン合成も亢進して、腎血流を維持しています。この様な状態の時にNSAID(非ステロイド系の消炎鎮痛剤)を大量に使用すると、代償性に亢進したプロスタグランジン系がばっさり切られて、一気に腎血流が低下して、急性腎不全になることがあります。特に高齢者の、脱水状態の存在する発熱患者などでよく見られますね。さて、ここで思い浮かべるのは、Bartter症候群の低カリウム血症の治療に、NSAIDを用いることです。Bartter症候群では、ヘンレ上行脚のNa-K-2Cl輸送体が阻害され、ちょうどループ利尿薬(ラシックス)を大量長期に使用しているのと同じ、脱水、RAA亢進。PG産生亢進が起こっています。ここにNSAIDを投与すると、すっぱりと見事に作用して、いくらカリウムを投与しても是正しきれなかった低カリウム血症が改善してくると言うわけです。

noname#24819
質問者

お礼

ありがとうございました。とても参考になりました。 臨床的な内容も凄く勉強になりました。

関連するQ&A

  • 腎クリアランス

    腎の糸球体で濾過され尿細管で再吸収も分泌もされないでそのまま尿に排泄される物質のクリアランスは1.___________をあらわす 糸球体で濾過され、さらに尿細管で分泌されて腎循環を一回通過するのに完全に清浄されるぶっしつのクリアランスは2_________をあらわす 1.2.に入る言葉をかけ 1はGFR(糸球体濾過率)でクレアチニンのことをしめしているのだとおもうのですが 2番がわかりませんでした。 何を表すのでしょうか。

  • 尿生成の過程について

    腎臓における尿生成の過程は、「糸球体ろ過による原尿の生成」および 「尿細管による再吸収・分泌」という大きく分けて2つの過程によってなされるそうです。 利尿薬(尿の排泄を促進する薬物)は、その多くが尿細管の再吸収過程に作用することが知られており、 「糸球体ろ過による原尿の生成」過程に作用する薬物はほとんどないそうです。 この理由として考えられることは何なんでしょう? 教えて下さいm(__)m

  • GFR値の求め方

    下記のQについて、参考書の解答が理解できませんので、どなたか教えていただけないでしょうか。 Q クレアチニン(Cr)は糸球体で自由に濾過され、尿細管で再吸収や分泌を一切受けることなくそのまま尿中に排泄される。いま、ある患者についてCrの血清中濃度が1.6(mg/dl)、尿中濃度が70(mg/dl)、尿量は1.44(l/日)であった。この患者の糸球体濾過値(GFR)を推定せよ。ただし単位は(ml/min)で示すこと。 A.1.6×GFR=72×(1.44×10³÷1440)であるから、GFR=45(ml/min) とありますが、イマイチこの式が理解できません。 どなたか、解説いただけると幸甚です。

  • 尿素とタンパク質

    グルコースやアミノ酸は、低分子量であり糸球体でろ過されるが、尿に含まれないのはなぜですか?尿細管で再吸収されるからだと思いますが、詳しく教えてください。

  • ろ過される尿素とクリアランス

    尿生成の問題で以下のような問いがありました。 ある人の尿中の濃度は21〔mg/ml〕原尿中の濃度は0,30〔mg/ml〕とする。 1分間に作られる尿量を1ml、とすると、糸球体でろ過される尿素は血しょう何mlに相当するか? という問題があったのですが、解説では、「血しょう何mlに相当するかとあるので尿素のクリアランスを求めよという意味である」 とあったのですが、なぜ尿素のクリアランスが 糸球体でろ過される尿素は血しょう何mlに相当するかの答えになるのかが分かりません。 尿素のクリアランスっていうのは、単位時間で尿中に排出された物質がどれだけの 血しょう量に由来するかを示したものですよね??つまり、ろ過血しょう量の何mlに相当する 尿素が排出されたかが尿素クリアランスの値だと思うんですが、 これと「糸球体でろ過される尿素は血しょう何ml」がむすびつきせん。

  • 腎臓の濾過と再吸収について

    糸球体の濾過するとは・・・血中からボーマン嚢へ濾過する? 尿細管の再吸収されるとは・・・尿へ排出される? ということですか? B2MGは、ほぼ糸球体で濾過され、尿細管で再吸収されるんで、血中には殆ど残らず、尿中に排出されるという解釈でいいですか? また、腎前性の血尿(脱水など)は何故おこるのですか? 宜しくお願いします。

  • エリスロポエチンはなぜ腎臓にあるのか?

    腎臓には血圧をコントロールするレニンやプロスタグランジンがあるのはわかります。 ろ過するために、最低60mmHgないといけないし、あまりにも高すぎても、 糸球体が壊れてしまいます。 しかし、造血するためのエリスロポエチンがなぜ腎臓に必要なのでしょうか? 造血するのであれば、赤血球から出たり、下垂体から出したり、肝臓(15%くらいは出ていますが)で出すのが理想なのではないかなと思います。 しかし、メインの仕事が尿を作っている場所なのに、 造血するためのホルモンを分泌しているのは、あまり論理的でないと考えます。 それか、何か腎臓にエリストポエチンを持っているのにふさわしい理由があるのでしょうか。

  • 慢性心不全について質問です。

    慢性心不全について質問です。 慢性心不全になると心拍出量が低下するため、弱っている心臓の働きを元に戻そうとする働きにより、圧受容体反射が起こり、交感神経が興奮する。NEやEPiを遊離し、これらが α1受容体に作用して血管収縮を起こすため、血圧が上昇する。→心負担が増す。 β1受容体に作用して心臓の興奮、腎臓レニン分泌亢進が生じアンジオテンシンIIが産生、血圧上昇と細胞増殖(心肥大)→心負担が増す 悪循環が起こっている。 と考えました。 強心薬としてジギトキシンやジゴキシンを用い、心筋収縮を増強させます。 心拍出量が低下しているから心筋収縮させると考えると分かるのですが、心負担が増していると考えるとなぜ心筋収縮させるのか分からなくなってきました(´xдx`) 私はどこを間違った考え方してるのか分からないのですが教えて頂けないでしょうか? あと心不全と狭心症はどう違うのか考えるとごちゃごちゃになってしまいます(´xдx`)狭心症治療は酸素消費量を減少させるか、仕事量を減少させるという薬の作用の仕方を見ると逆ですが具体的にどう違うのでしょうか? 長々と質問すみませんm(_ _)mスッキリしたいのでお答え頂けたら有り難いです(´;ω;`)

  • 糸球体のろ過について。

    糸球体のろ過について。 脂溶性の高い薬物ほど糸球体のろ過を受けやすい。 という正誤問題があるのですがわからないです。 分子量が多きもの、血漿タンパク質に結合してるものはろ過されず、陰性物質はろ過されにくいというのはよく教科書などに乗っているのですが脂溶性についてはいまいち書いていません。 どなたか教えていただけないでしょうか?

  • 尿の生成ー飲物を取って尿になるまで(経由)?

    医療系の方や一般の方でもご存知の方がおられればお教え下さい。 生理学の初歩的な事で、こんな事も解らないのが恥ずかしいのですが、お願いします。 尿が元々血液から出来ていて(由来)で、腎臓に入ってくる血液が糸球体と糸球体嚢(ボーマン嚢)でろ過されて、200L近い原尿が生成され、尿細管を経由する中で再吸収されて、1~2Lの尿ができるのは何とか理解しています。 しかし、お茶やコーヒーやアルコールを飲んで、すぐ排尿したくなるのは何故でしょうか?お茶などの水分は、食道→胃→小腸→大腸を経由すると思います。この水分が尿になるまでの経由が解りません。 小腸で水分が吸収されて、小腸内で水分が血液に入り、門脈経由で心臓に静脈として戻り、又全身に血液(動脈)が流れ、腎臓に流入するのでしょうか? それにしても、お茶やアルコール等を取って僅かな時間で尿意をもよおし、尿をしたくなり、排尿する時、 さっきの摂った水分が血液に入って、腎臓に入り、そして膀胱に送られ、溜められて、膀胱容量が満杯になって尿をしていると思うのですが、さっき摂った水分が僅かな短時間に尿に変化したと錯覚するほどです。 水分を取って、尿になるまでの経路(ルート)や経過、時間的経過が解りません。 お願いします。

専門家に質問してみよう