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複素環式芳香族化合物のヘテロ原子の混成軌道について
- 芳香族化合物のヘテロ原子の混成軌道はsp2混成である理由について、質問者は疑問を持っています。なぜ芳香族化合物のヘテロ原子はsp2混成なのか、分子構造との関連性について分かりやすく説明してほしいとのことです。
- 質問者は、芳香族化合物のヘテロ原子の混成軌道について理論的な説明ができない状況であり、なぜsp2混成なのかを知る必要があると述べています。自分が間違っていると感じており、誰かに教えてもらいたいとのことです。
- 質問者は、芳香族化合物のヘテロ原子がsp2混成であることを理解するためには、芳香族であることやπ系に2個の電子を提供していることを前提として知る必要があると感じています。しかし、その理論的な説明については理解できていません。
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>>>#1でした議論は四つの炭素がsp2の120°に固定されていると酸素、硫黄、窒素上に結合の無理が来るという意味です >>というのはどういうことなのでしょうか? 4つの炭素がsp2の120°で固定されているとすると、四炭素の両端は非常に離れており、単純にそれと結びつけると考えると、(酸素、窒素などでは)「σ結合間角度」がsp3の109.5°ではもちろんp3の120°でもまだ足りない大きさになるため「キツイ筈だ」という意味です。 この場合もπ電子共有の寄与を考えない、単に立体的な効果だけを考えています。立体的な制約がある場合、σ結合間の角度が大きく制限されるほどs性が高くなります、つまりsp(180°)>sp2(120°)>sp3(109.5°)>p(90°)と言うわけで、これによりLone Pairが共役に関与できるか否かが決まってしまう場合が起きます。 ベンゼンでも六つの炭素にみな大きすぎる基が付くと平面から外れてしまい芳香族性が薄れてしまいます。 なお硫黄の場合C-S結合長がC-NやC-Oの場合より長いので少し遠くなりその分角度による「無理」は緩和されます。
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#1です。 多少乱暴な議論をしたので、事実だけ追加します。 ピロール環はほとんど正五角形で窒素上は107.3°前後、炭素上も同じくらいで、数学の正五角形108°に近いです。sp3のσ結合間は109.5°sp2のσ結合間は当然120°ですので、ピロールでは全ての原子上でかなり環内に締め付けられています。 #1でした議論は四つの炭素がsp2の120°に固定されていると酸素、硫黄、窒素上に結合の無理が来るという意味です。(汗汗;) 炭素が単結合ならこれらの原子もsp3の方が有利です。 それでも、シクロペンタンもシクロブタンも曲がっていますが。
補足
回答有難うございました。乱暴だなんてとんでもないです。大変納得させられました。ありがとうございます。 ですが、ひとつだけまだ引っかかる点があるんです。 >#1でした議論は四つの炭素がsp2の120°に固定されていると酸素、硫黄、窒素上に結合の無理が来るという意味です というのはどういうことなのでしょうか? 結合の無理がくるとsp2が有利になるという流れがいまいち理解できません。 π系に電子を提供して芳香族になった方が分子全体としてエネルギー的に安定する為に、sp2混成になる選択肢を選んでいるという事、ピロールではすべての原子上でかなりの環内における締め付けがある事、ここまでは理解できたのですが・・・結合の無理が生じた場合、なぜ窒素原子がsp2混成をとる事がより安定になるのでしょうか? 図を描いて色々と考えてみたのですが、理解力に乏しくて申し訳有りません・・・。 またしても乱文で申し訳有りません。いつでも構いませんので、お暇な時にご回答よろしくお願いしたいです。
>>何処かで間違えてしまっているのだと思うのですが いや、確かに分かり難いと思います。複素芳香環は専門ですが、学部の時は苦手でした。 >>π系に2個の電子を提供した"結果"、sp2混成になったのでしょうか? これは「因果関係」に見えますが、実際にあるのは「エネルギーが最も低い構造に落ち着く」という結果だけです。分かり難くて済みません。 つまり、フランの酸素、チオフェンの硫黄、ピロールの窒素が5員環の平面内にあるのと、面の外へ出て分子が曲がったenvelope型になるのと両方とも許されて居る訳です。 5員環内に二重結合が二つあり共役している場合、最後の1つの角にある元素には上記二つの選択肢があります。 この原子上にLone Pairがあるときは分子が平面になった時点ではsp2でもsp3でも構いませんが、どちらの方がエネルギー的に有利になるかというと、結果としてLone Pairがp上に乗って他の原子と共役した芳香性の分子軌道を構成した方が「有利だった」と言うことになります。 特に平面内ではC-X-C角が広がりますから、Lone Pairの効果を無視しても、分sp2の方がエネルギー的に有利になっています。 >>構造式を見た分には、これらの原子は何処にも二重結合を持っていないですし、sp2混成ではなく、sp3混成だと思ってしまう気がするのです。 おっしゃるとおりです、ですからホウ素の場合には安定化効果は無い分けです。(それでも構造的にsp2が有利かも知れない) 芳香族性の安定化効果があるのは上記の共役二重結合に隣接した位置にLone Pairを持つ元素がある場合だけです。Lone Pairがあるか否かは分かりますよね。 <(_ _)>
お礼
そうなんですね。つまり「S性が高くなる程、lone pairが共役に関与しやすい」という事でいいのでしょうか?勘違いでしたらごめんなさい。 回答してくださって有難うございました。学校の関係でお礼が遅れて仕舞いました。ごめんなさい。