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国際司法裁判所の信頼性
国際司法裁判所はこれまでにどんな問題について判決を下し、それらの判決の公正さはどう評価されているのでしょうか。 この質問の背景には竹島問題があります。 韓国が国際司法裁判所への提訴に応じないのは自分の主張に自信がないからだという意見を時々目にしますが、この意見は国際司法裁判所が信頼できるものであることを前提にしています。 もし、国際司法裁判が東京裁判のようなものにしかならない可能性があるならば、既に竹島を実効支配している韓国が提訴に応じないのもうなずけます(というか、応じたらバカですね)。 そんな訳で国際司法裁判所の信頼性について確認したくなりました。よろしくお願いします。
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国連ならびに各国際機関への期待/厳しい眼が相半ばするのと同様、悩ましい部分があるかと思います。 やはり国際政治の各主体(各国家etc.)の影響から完全に逃れることが出来ないのが悩みでもありジレンマでもあるのは否定できないところでしょう。 とはいえ、勝者が敗者を裁く、といった一方的なものでないのもまた事実です。(こうなってしまっては、国際機関としての信頼が失墜してしまう・・・) もしご興味あれば、以下の書籍等に眼を通されてはいかがでしょうか? ----- 国際司法裁判所 著者名 小田滋著 出版社 東京 日本評論社 出版年月 1987.7 価格 3800円 ----- 新しい国連-冷戦から21世紀へ- 著者名 臼井久和編 馬橋憲男編 出版社 東京 有信堂高文社 出版年月 2004.4 価格 3000円 ------
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- lequeos
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ご質問に対しては、もっとも国際司法裁判所の中立性について声望を高めた判決の一つ、米国対ニカラグアの事件を指摘すればよいでしょうか。 これは、ニカラグアに成立した共産政権に対し、アメリカ(レーガン政権)が「隣国エルサルバドルの反政府ゲリラを支援している」という理由で、集団的自衛権を根拠に軍事介入したため、ニカラグアが「国際法違反である」と提訴したものです。国際司法裁判所は1986年に、「アメリカの軍事介入は集団的自衛権の行使にあたらない」としてニカラグアに賠償を命じました。 国際司法裁判所の裁判官は、一応地域的なバランスに基づいて選出されますが、基本的には近代国際法を形成してきた先進諸国の判事たちが大きな影響力を持っています。そうすると、例えばこの例のようなニカラグアと米国の裁判は米国有利に運びそうなものですが、実際は逆の展開になりました。その意味で、国際司法裁判所は、国際政治の次元とは独立して、法と良識にそって裁判を行っていると斯界では大変評価される先例となっています。 (ただ、結局アメリカはこの判決を無視し通してしまいました。国際司法裁判所の判決の強制力を担保するのは、国際世論を別にすれば直接的には安全保障理事会であり、ここで拒否権を持つアメリカに対しては、ニカラグアも判決の執行を求めることが出来なかったわけです。その意味で、国際司法裁判所の優れた機能と限界を、端的に示した事件としても知られています。) ご質問に即していえば、国際司法裁判所の公平性に疑念を抱く国は、(国際裁判で裁かれることを基本的に嫌うアメリカ以外には)ないといっていいでしょう。もしそれでも疑念があれば、常設国際仲裁裁判所なり、その他の仲裁裁判の形式を取ることも可能です(この場合は、裁判官は当事国の合意で選ばれるので、自国の意に添わない裁判官による裁判を排除できる)。 竹島についていえば、韓国側が自分の主張に自信がないかどうかはともかくとして、裁判で白黒をつけようといった段階で国内政治的に持たないでしょうし(苦笑)、現に実効支配しているわけですから日本の対韓国世論がこの問題で決定的に悪化して、例えば戦争にまで発展しかねない形勢にでもならない限り、裁判に応じる利益がないと判断しているからだと思われます。特に領土に関する国際裁判は、過去、戦争を避けるために行われてきたのが通例ですし、現在においても、武力紛争に発展するのを避ける手段の一つと位置づけられていますからね。
補足
具体的な説明をありがとうございます。ご紹介の事件についてもう少し調べてみようと思います。
お礼
ありがとうございます。近くの図書館でも借りられそうなので、この機会に勉強してみます。