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日本における戦後の高度成長の理由

goottttの回答

  • gootttt
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回答No.13

まず高度成長とは、大量生産技術の導入です。 大量生産技術とは、1900年ごろアメリカで完成した生産方式です。 広大なアメリカをモノで埋め尽くすために考え出された方式で、巨大な工場に巨大な生産設備を導入し規格化した製品を一度に大量に生産する生産方式です。 そして高度経済成長とは、工場を立て大量生産技術を導入し作ったモノを売り、その金で工場を立て生産を拡大するサイクルのことを指します。 この大量生産技術の導入をしているかどうかは天と地ほど違います。我々が一般的に思い浮かべる先進国とは大量生産技術の導入が終了している国のことを指します。 また日本がアメリカに負けたのも、アメリカが大量生産技術の導入に目処が立っていたのに対し、日本は極一部にしか導入ができていなかったことによる生産力の格差が最大の原因です。(当時のアメリカの生産力はアメリカ以外の全ての列強国の生産力の合計を上回っていました) ですので、大量生産技術導入前の経済水準など所詮どんぐりの背比べに過ぎないのです。 そして戦後の日本は大量生産技術を導入するために非常に都合のいい条件がそろっていました。 1.教育水準が高く勤勉で真面目な労働力がいたこと 2.大量生産技術導入を阻害する可能性のある既得権益者がいないこと 3.元々の国民性に加え、明治維新や戦時に際して高められた国民の団結力 4.経済システムを動かすために必要な法制度と優秀な政府 5.アメリカが開発した大量生産技術とその消費方法である現代式ライフスタイル 6.WW2により効果が実証された最新の経済理論(ケインズ経済学) などです。 まず1.当時日本レベルの質と量を兼ね備えた労働力を保有している国はアメリカくらいしかありませんでした。そしてそのアメリカは日本よりずっと給料が高かったわけです。アメリカと同じくらい優秀でアメリカよりずっと安い労働力がもっていた日本は大きな可能性を秘めていました。 さらに4.国民の持っている可能性を最大限生かすためには、法制度などのインフラや何より有能な政府の存在が欠かせません。アフリカがいつまでたっても駄目駄目なのはアフリカの政府が駄目駄目だからです。 また2.戦時統制とGHQの政策によって、資本家や地主などの既得権益者が壊滅していたのも大きいです。そのため戦後の若い官僚や企業家たちは既得権益者に気を使うことなく思う存分高度経済成長に没頭できましたし、3.はそれをさらに推進させました。 これらの要素がそろった上で、5.アメリカという格好の教材があったわけです。 20世紀はアメリカの世紀です。自動車・家電・雑誌・ファーストフード・大規模商店・コンピューター、現在我々の周りにあるものは殆どがアメリカで開発もしくは実用化されたものばかりです。 どのようにものを作り使えばいいのかは全てアメリカの真似をすればよかったわけです。 そして6.により経済を合理的に計画的にコントロールできるようになりました。 また5と6により需要コントロールが可能となり戦前悩まされていた恐慌を克服することも出来ました。※ これらの結果日本は高度経済成長を遂げることが出来たわけです。 ちなみに1-6の条件がそろっていたとしても、最初に工場を建てる元手がなければ工場を建てることは出来ません。 当時の日本は戦争で全て失ってしまったので、最初の元手を集めるのに苦労しました。その元手の半分は日本人が必死に働き節約して集めたお金であり、もう半分が朝鮮特需です。 また現在の中国の場合、最初の元手は海外からの投資です。 中国は80年辺りから必死に人材を育て、インフラを整備し、法律を整えました。そしてグローバル化により海外から資本を集めるのが容易になったため中国は海外からお金を借りることで、一挙に高度経済成長に突入することが可能になったのです。 このように中国が高度成長を遂げることが出来たのも日本が合理的かつ効率的に高度経済成長を遂げるためのノウハウを確立したからです だからこそ今では沢山の国が、当時『奇跡』と言われた日本と同じように、大きな発展を遂げているのです。 ※ 大量生産技術が完成した1900年代初頭の戦前の社会では大量生産技術によって生産された沢山の生産物を何に使うかを見つけられず、そこで作られた大量のモノが売れ残り恐慌を引き起こしていました。 ですから、この技術が完成し各国で導入され始めると各国は恐慌に多発しました。 そして各国はやがてその生産力を『軍事力の拡充に費やす』ようになります。そして拡大した軍事力に伴い軍部が台頭を初め、世界はWW2に突入しました。 戦後はそのような反省を踏まえ様々な制度が導入された結果、大量生産技術で生産されたモノは人々の暮らしを豊かにするために消費されるようになりました

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