rsk001さん今晩は
ブレーキの片減りは浮動キャリパー型(純正)の場合はピストンによる油圧をダイレクトに受けている内側(inner)が早く減り外側(outer)は反力を利用しているので減りが遅い(少ない)と云うのが一般的で、固定キャリパー型(4POT)は内側と外側がダイレクトに油圧を受けているので条件は同じなので、減りは同じであると一般的には言われています。
ブレーキはペダルを踏むとピストンがPADを押しペダルを放すと戻りますが、PADはピストンに固定されていないのでピストンと一緒に戻る訳では有りません。(一部の車種はキャリパーに固定もあり)ピストンもピストンについているOリングの弾性変形のみで戻ります。
強制的にディスクから離すようにPADの表面から裏面に貫通した穴(直径3mm)を明けそこにスプリングを掛けてPAD同士をスプリングで離している物を採用しているメーカー(MAZDAに多く採用されている又、MAZDA以外はPADの側面に3mmの穴を明けてスプリングを掛けています)もありますが、殆どの車種はリターンスプリングは付いていません。スプリングを採用している車種はブレーキの引きずり音を無くす為も有りますが、MAZDAの場合は燃費向上のためです。これを付けてPADの引きずりを無くすとテストでは最大で5%の燃費向上が観られたからです。では何故、他のメーカーは採用しないのか?これは特許等が絡んでいるからです。
MAZDAはスプリングの穴をPADのpuressuer plateのプレス加工時に穴を明けていますが、他のメーカーはPADのpurssuer plate側面にプレス加工の後に機械にてドリルで穴を明けているのです。この工賃だけでPADのpressure Plateの製造原価が倍近くになるのです。これでは採用できないので大体のメーカーは高級車のみに採用しています。(R50テラノと旧型シーマは同じPADなのにテラノ用にはスプリングは有りませんでした)
PADの内側外側で戻る戻らないは何故起きるのか?これは遠心力が働くからですカーブをすれば外側にある物が大きな力が掛かり、ハンドルを切ればこれまた外側のPADが外に向かいPADから離れる、そして一番の遠心力はサスペンションの上下動です、翼を羽ばたくようにサスペンションが動くと外側のPADはディスクから離れますが、内側のPADはディスクに張り付くのです。これはPADのみではなくピストンにも同じ力が働きます。これにより内側のPADは引きずりが多い為に早く減るのです。遠心力が大きく働くような走りをするともっと内と外で差が出るのでしょう。
最後に#1さんの回答にある内側と外側のPADを入れ替えるのは固定キャリパー(4POT)の場合には使える手段ですが、浮動型キャリパー(純正)のブレーキには使えない手段ですので注意が必要です。浮動型キャリパー(純正)はPADの外側と内側で形状が違うので入れ替えるとキャリパーに干渉したりするので危険です。内側のPADは早く減るのでウェアインジケータと云う摩擦材の消耗を知らせる物(キーキー音を出すステンレスの板)が付いていますし、外側のPADは外周の円弧形状部にキャリパーとの干渉を避ける為の面取り(角取り)があります。
この回答を読むとキャリパーの型式は片減りにはあまり関係が無いのが分かると思います。
以上robocutでした。
お礼
robocutさん こんばんわ わかりやすく明快な回答ありがとうございました。 MAZADAの特許の件にも触れられ、非常にためになる知識を教えていただきました。 遠心力の大きさが内外差を大きくするとのことですが、まさに私の毎日の通勤道は、峠道(約15キロ)であり多数のカーブがあります。 だから、キャリパーの形式に関係なく浮動(純正)のときも固定のときも内側のみが異常に磨耗していたのですね。PADの入れ替えについても適切なアドバイスをいただき参考になりました。 以上、今回のご回答に非常に納得かつ満足です。理由が判明したので、これから安心してステアリングを握れそうです。ありがとうございました。