国際通貨問題におけるアメリカのbenign neglect政策とは?

このQ&Aのポイント
  • アメリカのbenign neglect政策は国際通貨問題におけるアメリカの態度を表す言葉です。
  • この政策はドル安容認について言及している可能性がありますが、具体的な出来事を指しているのかは不明です。
  • 教授のテーマ設定が曖昧なため、アメリカのbenign neglect政策がどのような意味を持っているのかを教授に確認してください。
回答を見る
  • ベストアンサー

benign neglect??

学生の質問ですので、とにかく無知で申し訳ありません。 「国際通貨問題におけるアメリカのbenign neglect政策について」、説明しろという課題を出されたのですが、 いろいろ調べたところ、 そもそもbenign neglectの訳自体いっぱいあり、あるひとつの事柄を言っているわけでもなく ただの「態度」をあらわした言葉のようです。 課題はほんとにそれだけ書かれていただけなのですが、 これが現在のアメリカのドル安容認について言っているものなのか、それともほかの事なのか。 教授のテーマ設定があいまいなのか、 それとも「アメリカのbenign neglect政策」といったら○○年のなんたらというひとつの出来事を指すのか。 それがわからないと考えようがありません(>_<) どうかアドバイスお願いします。

  • 経済
  • 回答数2
  • ありがとう数3

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • ionized
  • ベストアンサー率80% (8/10)
回答No.2

 まず、「赤字」を容認することがなぜ「好景気」になる か、ということから。  非常に単純化して言えば、赤字分だけ余分に買い物が できる(財を購入することができる)という事です。  10000円の収入があるAさんという人がいて、  Aさんにパンを売るBさんという人がいるとします。  Aさんが収入分だけパンを買えば  10000円分だけ買い物ができます。  Bさんにとっては10000円分の収入となります。  ここで、Aさんが借金を1000円して11000円分の買い物 をしたとします。そうすると、Aさんが「いま」持って いるパンの価値は11000円という事になります。  当然、BさんはAさんから110000円の現金を得ること になり、Bさんの経済も10%増加していることになります。  この増加分によって、Bさんはいままで買わずに置い たものをCさんやDさんから買い、CさんやDさんは そのお金でまた買い物をしたり、新しく機械を買ったり と、Aさんの最初の借金から経済が拡大していくわけ です。  一般に前の期よりも経済の拡大幅が大きくなること を「好景気」と呼びます。やや極端に単純化しましたが 、これが財政出動(財政赤字)による有効需要の創出と 乗数効果と言われるものです。  で、この経済の拡大は最初のAさんの借金によって 賄われました。Aさんは借金をしたわけですから、何ら かの形で返さなければAさんは破産をしてしまいます。  ではAさんがBさんからの買い物を減らすことで 、Aさんの財布に黒字を生み出し、それを借金の返済 に充てたとします。こうするとAさんは破産を免れる ことができます。  しかしBさんが貰える収入は減ります。そうすると Bさんは買い物を控えますから、CさんやDさんの収入 も減ってしまうことになります。Bさんからの買い物を 当てにして新しく機械を買ったDさんは甚だ困ります。  かくてAさんが借金を返そうとする(黒字にする)と 経済全体が不景気になってしまうわけです。  これが有効需要の減少による経済収縮(景気後退)と 言われるものになります。よく消費が低迷しているから 景気が悪い、と言われる時にはこういうイメージが あると思って頂ければ。  さてAさんは借金をすることができました。借金が できたということは、誰かからお金を借りることが できたということです。  貸した人をEさんとしましょう。このEさんは、A さんが当然返してくれると思って貸しているわけです。 果たして期日が来たので返してくれと言ってきます。  しかしAさんは手持ちがありません。  しょうがないから鉛筆に「1000円」と書いた紙を Eさんに渡します。野口英世がよく似ていたので Eさんは納得し1000円として受け取ります。  さてEさんは鉛筆の1000円札を持ってBさんのパン 屋で買い物をします。Bさんはそのお金を見てなんか 変だと思ったものの、それを受け取ります。そして Cさんの店で使い……としていくうちに、鉛筆の1000円 札は巡り巡ってゆくのでした。  Aさんが一般人ならばこの話はただの偽札ということ になるのですが、Aさんが政府という事になれば話は 全く違ってきます。  「1000円」が「1000円である」という事を決めている のは政府であり、その政府が「この鉛筆書きの札も1000 円札である」と保証すれば、市場に1000円分だけ余分に お札が出回ることになります。  これが財政赤字に起因する追加的通貨発行と呼ばれる ものです。新しく「お金」を作ることで借金を賄って しまおうというわけですね。  しかし、この鉛筆のお札は、新しく買い物をするため だけに用いられたもので、稼いだお金ではありません。 稼いだお金でないということは、モノの裏打ちが伴い ませんから、いままでのお金の価値を一斉に下げる効果 を持ちます。単純に言えば、これが財に対する貨幣価値 の下落(インフレーション)を齎すわけです。  さて、ドルと金の話に戻りますと、もともと第二次 世界大戦後に成立したブレトン・ウッズ体制で、ドルと 金の交換を前提とした金為替本位制度が成立し得たのは 、当時経済的に非常に豊かだったアメリカに世界の金 保有残高の大半が集まっていたという事情がありました。  しかし、1960年代に入ると、アメリカはベトナム戦争 による戦費や「偉大な社会」と呼ばれた福祉支出の増大 により、財政赤字を生み出します。  財政赤字が生み出されたとき、貯蓄によって賄われない 時は、通貨の発行によって賄われます。普通の国であれば 通貨の発行は激しいインフレを齎します。  しかし、ドルは金と交換できることになっていました から、経済復興が進んだヨーロッパや日本が外貨準備と して保有するようになっていきます。  ところが、アメリカの財政赤字、貿易赤字は好転する 兆しがまるでなく、経常収支赤字は恒常的になりました。 という事は世界にドルが流出していくということに なります。  繰り返しになりますが、この流出したドルも、当然 ながら金と交換できることになっていました。アメリカ の経済の先行きが好転する見込みが無いことがはっきり してくると、世界中でドルと金を交換してくれ、という 動きが活発になります。  暫くはアメリカは金とドルの交換に応じていました。 しかし、金とドルの交換に応じる、ということは、 アメリカ国内の金が、交換を求めた国に流出すること を意味します。  果たして1940年代に世界中の金を集めていた筈の アメリカの金準備は急速に下落していきます。  金が流出するのはドルがアメリカ国外にあるからです。 金を流出しないようにするには、ドルを増やさないこと、 つまり、アメリカの経常収支を均衡させることが必要 でした。  しかし前述のように、ベトナム戦争をし、社会福祉 支出を増やしている当時のアメリカにとって、財政収支 を均衡させることは不可能でした。となると、このまま 放置しておけば、アメリカ国内の金がなくなってしまう。  金が無くなって困るのは、金本位制度であるからだ。 それならば、金とドルの交換を止めてしまえばいい。  かくて1971年アメリカはドルと金の交換を停止します。  つまり、誰がどういう目的で、というところは、 アメリカが自国の借金経済を続けるため、というのが 一番手っ取り早い理由です。  アメリカはAさんの役割を果たしていますから、 Aさんが借金をやめると皆困るわけです。といって Aさんがいつまでも鉛筆書きの千円札(十ドル札か?) を書き続けるのも困るわけです。  まとまりが無さ過ぎますが、ひとまず。

syagia
質問者

お礼

すごく丁寧に説明してくださって、ありがとうございます!!こんな私にもよく理解できました♪ 早速課題がんばりたいと思います!

その他の回答 (1)

  • ionized
  • ベストアンサー率80% (8/10)
回答No.1

出題背景が良く解らないので微妙なのですが、 国際金融論での課題とすれば、 「アメリカのbenign neglect政策」 といった場合は、ブレトン・ウッズ体制が崩壊した 1971年以降のアメリカの国際金融政策一般を指す 表現として用いられることがあります。 ブレトン・ウッズ体制は変形的な金本位制度 (ドルと金の交換を前提とした金為替本位制度) と、それを前提とする固定相場制度でした。 しかし、1971年にアメリカが金とドルの交換を停止し、 金とドルとのリンクをなくしたドルを機軸通貨とする 変動相場制度へと移行します。 このとき、ドルは、アメリカ国内のための通貨である と共に、世界経済の主要決済手段としての二つの顔を 持つことになりました。 金とのリンクを欠いたドルが、安定した機軸通貨であり 続けるためには、国際収支の均衡を維持する必要が あります。 しかし、もともとアメリカ国内の景気浮揚政策のために ドルと金との交換を停止したアメリカ政府は、国際収支 の赤字を許容し、機軸通貨の不安定化を黙認します。 これが国際通貨問題に対する、アメリカの 「優雅なる無視(benign neglect)」 と言われるものです。 特に財政赤字の含まれる経常収支赤字が問題にされる 事が多いのですが、経常収支、貿易収支の双子の赤字の 結果、国際収支の赤字が膨らみ、世界各国に機軸通貨で あるドルが撒かれることになります。 このドルは、機軸通貨国であるアメリカの国内事情に よって増えたものであって、国際的な金融決済手段の 便宜の為には多すぎることになります。このため、国際 的な金融取引において、浮動性、流動性が高まりました。 結果として通貨が投機目的で使われやすくなり、メキシコ 通貨危機、アジア通貨危機に代表されるような、国際 金融市場の不安定性の一因になっているという指摘が 為されることがあります。

syagia
質問者

補足

とても丁寧にお答えいただいてありがとうございます。 授業は国際社会を「統計」の観点から考えようという広い範囲のものです。 ただ、ブレトンウッズ体制については直前に扱っていたので、おっしゃるとおり、1971年以降のアメリカの国際金融政策一般を対象にしているのかもしれません。 回答のなかで分からなかった点が2つほどあります。 (1) >もともとアメリカ国内の景気浮揚政策のために >ドルと金との交換を停止したアメリカ政府は、国際収支 >の赤字を許容し、機軸通貨の不安定化を黙認します。 のところがよく分からなかったのですが、ドルと金との交換を停止し金本位制を廃止することがどうしてアメリカ国内の景気を回復させることになるのでしょうか?また、「好景気」のために「赤字」を容認というのは私にとっては矛盾して聞こえるのですが、どういう意味なのでしょうか? (2) >経常収支、貿易収支の双子の赤字の >結果、国際収支の赤字が膨らみ、世界各国に機軸通貨で >あるドルが撒かれることになります。 の部分なのですが、国際収支の赤字が膨らんでドルが撒かれるとは、誰がどういう目的で「撒いて」いるのでしょうか。 そもそも金融とか通貨とかいう範囲にはまったく無知なため、言っていることが的をはずれているかもしれなくてすみません(--;)

関連するQ&A

  • 強いドル政策について

    最近のニュースで米国が強いドル政策からの方向転換を容認している内容を拝見しました。 そこで疑問なのですが、あれだけ貿易赤字を出していても今までは強いドル政策をしてきていたわけですが、なぜ米国は強いドル政策をとってきたのでしょうか。そもそも通貨が強いことの利点は何でしょうか?

  • 金融緩和 円高、円安

    (1)日本は黒田さんの金融緩和政策により、先日まで円安、ドル高、傾向ですが、今後、アメリカ自身の金融緩和政策が継続する場合、アメリカは、ドル売りにより、ドルを市場に増やす事になり、ドル安、円高となるのでしょうか。それとも、ドル高、円安になるのでしょうか。 (2)今回発表のアメリカ雇用統計数字が悪い、あるいは改善されていないと判断された場合は、アメリカの金融緩和政策が継続されてドル安、円高となるのでしょうか。 (理論上は金融緩和政策により自国通貨は、安くなると思うのですが)

  • ドル本位制について

    ドル本位制のアメリカにとっての意味は 自国通貨ドルが国際決済に使われるようになったため、他国に比べて対外債務を気にすることなく景気刺激策を展開できることだと思うんですが、 ドル本位制が及ぼすアメリカの国際収支への影響についてざいまいち分かりません(~_~;) わかる方教えてください。お願いします…

  • 何故、円の国際化が実現しないのか?

    世界の軸となる通貨は当然ドルです。 しかし、アメリカは多くの債務を抱えた国であるため、もう少しドルにかかる負担を軽くは出来ないのでしょうか? アジアにおいて円を国際化することでアメリカの負担が軽くなり、日本のドル債買いも抑えられると思います。 何故、日本は円の国際化に踏み切らないのでしょう? あと、アメリカは中東地域で武力を行使し続けていますが、それは一体何故なのでしょう? ドルの価値に関係があるのでしょうか? 御解答の程宜しくお願い致します。

  • 国際金融論に関する卒論

    タイトルの通り、卒論のテーマについて助言を頂きたいのですが、 国際金融という枠組みの中で、卒論のテーマを探しております。 過去の歴史では金本位制、アジア通貨危機等々 現在ではオフショア史上や各国の金利政策について 云々と多々ございますが、上記以外にも国際金融というテーマの中で 面白そう、タメになる等の理由からお奨めのテーマを推薦して下さい。 よろしければ理由等添えていただければ幸いです。

  • 変動相場制の下、ドルが国際基軸通貨になりえた理由。

    変動相場制の下、ドルが国際基軸通貨となったわけですが、なった経緯や、その理由を詳しく教えてください。よろしくお願いいたします。

  • 日本の借金の返済について・・・よく分からないので教えて下さい。

    日本の借金の返済について・・・よく分からないので教えて下さい。 日本には800兆円を超えた借金がありますが、そのほとんどは日本国民が買っている国債によるものなので、そんなに深刻ではない(楽観はできないけれど)。と聞きます。 よく、アメリカも借金大国だけど、世界の基軸通貨がアメリカドルなので輪転機をまわせば返済できる、と聞いたことがあります。 アメリカドルは基軸通貨なので「1ドルは1ドル」というわけで、外国にもそれで通用するというわけです。 そこで質問ですが、国が国民に借金をしているのだったら1万円札を大量に印刷してしまえばすぐに返済できるのではないでしょうか? これが外国人に対する借金ならば為替や日本に対する信用問題になりそうですが、日本の借金はあくまでも日本人に対してなので「1万円は1万円」です。 国内にお金が大量に流通すれば景気も上昇しそうな気もします。 また、仮にその政策で日本円が国際的に暴落しても今は超円高なので、かえっていいのでは? それをやらない理由を教えて下さい。わかりずらい書き方ですいません。

  • 貿易赤字国への通貨安批判

    普通は通貨安は貿易黒字につながるので問題視されると思うのですが、貿易赤字国に対して通貨安批判して意味があるのでしょうか。 政治的に合意したり中央銀行が介入もできますが、介入をやめれば自然に通貨安に戻ってしまうので経済的にも無理があるのではないでしょうか。 昨今アメリカの対貿易赤字国の2位が日本ですが、最近の日本の貿易黒字はそれほどでもなく、むしろエネルギー輸入などを含めるとトータルで赤字が続きました。経常黒字は資本収支から来ています。 つまりアメリカからドルで儲けても、そのお金は中東に原油代としてドルで支払ってしまいます。赤字の足りない分をどうするかですが、資本収入で得たドルは基本的に世界中の儲かるところで運用すればいい事で必ずしも円転される資金でもありません。赤字の足りない分は結局円でドルを買って原油代を払うのではないのでしょうか。これでは自然に円安ドル高になります。 これは政策的に通貨安誘導しているのではないので、政策的に円高にしたところで結局長期的には円安に戻ってしまうのではないでしょうか。 つまりそのような円高はファンダメンタルズ的には長期的に絶好の円売りのチャンスになるのではないでしょうか。 つまりアメリカは中国に元安批判するのは理にかなっているけれども、日本に円安批判しても仕方がないんじゃなかろうかと思いますがいかがでしょうか。

  • 円高・円安になる要因は・・・

    こんにちは。最近、アメリカ経済の悪化からドル安(円高)方向にあると思うのですが、この場合ドル安からドルに対する円が高くなるというのはわかります。しかし、日本経済も決して良くはなく、むしろアメリカ経済を受けて悪化の方向に向かっていると思うのですが、USドル以外の通貨に対しても全体的に円高へ向かっているように思います。この場合はどのように考えればよいのでしょうか。通貨の価値は、その国の経済が上向けば上がり、下向けば下がるというわけではないのでしょうか。

  • 通貨ペアの順序は世界共通ですか?

    お世話になります。 また、つまらないことを聞いて恐縮ですが、ひとつ教えてください。 日本では、ドル/円を始めとしてすべての通貨ペアにおいて、円は右側に来ますが、日本での表記は世界共通ですか?、それとも各国でその国の通貨が右に来るように表記されているのでしょうか? たとえばアメリカで、米ドル/円、濠ドル/米ドル、米ドル/カナダドル、ユーロ/米ドル、なんて表記されているとしたら、米ドル高・安いを考えるのに、ややこしくて仕方ないと思います。 でも一方で国際取引なのですから世界共通で統一したほうがいいようにも考えてしまいます。 もちろん自分はアメリカに移住する予定など、これっぽっちも無いのでどうでもいいといわれればどうでもいい話なのではありますが、ふと気になりました。 よろしくお願いします。