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「勧める」と「奨める」の違い
国語辞典、漢字辞典、ネット上でも調べてみましたが、 是非専門家の方にお伺いしたく投稿しました。 申し訳ないのですが、「言葉の専門家」にお聞きしたいので、 その他の方はご遠慮ください。 タイトルどおりなのですが、 「勧める」と「奨める」の明確な違いはなんでしょうか。 過去ログに、「薦める」と「奨める」の違いについて質問がありましたが、 こちらはだいたい理解できます。 QNo.816336 http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=816336 しかし、「勧める」と「奨める」についてはほぼ同意として使われているように思います。 本来はどのような状況で、どちらを使えばより相応しいのでしょうか。 国語に関してまったくの素人ですので、 できるだけわかりやすく説明していただけると助かります。 よろしくお願いいたします。
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こんにちわ(/は)。 各種の言葉を細々と研究しているただの人ですが・・・。 日本語に取り入れられたいわゆる漢字は、中国大陸から借用または移入した件はご存知だと思います。 日本には、極く少数の国字(/和字)が存在しますが、本題の二字は借用文字であることは巷の学説を持ち出すべくも無く歴然としています。そこで、中国古来から現代に至るまでどのように使用されてきたのかを探れば疑問は氷解すると思います。 まず"中国本土"における原義と使用例からご案内、以下。 >「勧める」と「奨める」の違い 端的に言うと、両者の意味は"明確"に異なっております(汗)。(日本へ移入された後の"経過"はとりあえず除外します)。 *勧:quan4:チュエン。 いさめる。説得する。仲直りさせる。忠告する。励ます。← 全て動詞用法。 勧服(かんぷく):なだめて従わせる。 勧告(かんこく):忠告する。説き勧める。 勧架(かんか):喧嘩を仲裁する。 勧戒(かんかい):信徒に受戒をすすめること。 勧解(かんかい):仲裁する。 勧奨(かんしょう):すすめ励ますこと。 勧進(かんじん):臣下がその君主の徳をたたえて帝位につくよう要請すること。金品を募り集める。物乞い。 観世(かんせい):人々に呼びかけ勧める。 勧誘(かんゆう):行いたい気持ちになるようにすすめる。 勧酒(かんしゅ):お酒をすすめる。 勧留(かんりゅう):引き止める。 勧説(かんせつ):説得する。 奉勧(ほうかん):敬辞。勧告。 ------ *奨:jiang3:ジアン。 a:褒(ほ)める。励ます。奨励する。← 動詞用法。/ b:奨励のために与える名誉・賞状・賞品・賞金など。← 名詞用法。/ c:当たりくじの賞金。← 名詞用法。 奨金(しょうきん):奨励金。賞金。 奨励(しょうれい):すすめ励ます。 奨懲(しょうちょう):奨励と懲罰。 奨進(しょうしん):すすめ励まし引き立てること。 褒奨(ほうしょう):褒めて励ます。 嘉奨(かしょう):賞賛と奨励。 ------ 蛇足で、 *薦:jian4:ジエン。 a:推薦(すいせん)する。紹介する。← 動詞用法。/ b:供(そな)える。ささげる。献じる。← 動詞用法。/ c:草。← 名詞用法。/ d:敷く。← 動詞用法。/ e:敷物。しとね。むしろ。← 名詞用法。/ f:しきりに。かさねて。← 副詞用法。 薦抜(せんばつ):推薦し抜粋する。 薦酒(せんしゅ):酒を献ずる。 薦挙(せんきょ):推挙する。 薦牲(せんせい):いけにえの畜類。 薦書(せんしょ):推薦状。 薦羞(せんしゅう):祭りの供物の飲食物。羞は食物をすすめるの意。 ---------- 総括すると、 「勧める」は有る程度骨を折って説得しながらすすめる。 「奨める」は褒めて励ましながらすすめる。 「薦める」はうやうやしくすすめる。 のような感じになりましょうか。 -------------------- 言葉と言うものは生きています。漢字でも日本語に移入された後に、時代とともに本来の意味が消滅したりその寸前の文字も有ります。または異なる意味が補足・追加された文字もあります。 「勧める」と「奨める」は、現代日本ではすでに同義語扱いになっているようですね(不明)。日本語の中で拝借"漢字"を一般的に使用するのであれば、日本の習慣に従って表現されたほう良いのは言うまでも有りません。そのほうが万人に通じます。より美しい文章表現が出来ると思います。 仮に本件の様に語義が複数存在する文字に遭遇してしまったら、"古来・本来"の意味を把握しながら選択するように若干でも心掛ければ更に的を得た文章表現が可能になると信じております。 極く小さな中国語"字典"でも可です、日本で手に入ったら是非ご覧になってください。すぐに謎が解けると思います。日本人が作った辞書・字典では本質が見えない恐れが無きにしも非ずです。 以上、ご参考までに(^^♪。
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- ChM
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「物書き」のひとりです。 #1のご回答にもあるように、同じと考えていいと思います(と言うより、同じと考えることがむしろ正しいでしょう)。 「勧・奨」はいずれも常用漢字ですが、常用漢字には文字そのもののほかに、その読み方を示す音訓表というものがあって、読み方にも一応の制限があります(制限と言っても、使っては「いけない」ということではありません。常用漢字は一応の基準でしかありませんが、文章を書き表すときの指針ということはできましょう)。 それによると、「すす(める)」の読みを与えているのは「勧」のみです(別の意味で「進」と「薦」)。すなわち、常用漢字の主旨では、「奨める」を使いたいとき、これに代えて「勧める」を使うことを、すす(勧)めているワケです。その意味で、「奨める」は、できるだけお使いにならないことを、私も勧めます。 アドバイス : MS-IMEをお使いでしたら、このような場合、「すすめる」と入力してスペースキーまたは変換キーを2回以上押すと、「勧」「奨」「薦」「進」の使い分けが、簡単ながら示されます。参考にされると良いでしょう。ATOKも同様と思われます。
お礼
ご回答ありがとうございました。 大変わかりやすい説明で、素人の私にもよく理解できました。 要約すると、「勧める」と「奨める」は同意であるが、 「勧める」を使うほうが好ましいということですね。 常用漢字では「奨」に「すすめる」という読みはないということ、 まったく知りませんでしたので、非常に勉強になりました。 今まで「勧める」と「奨める」で迷うことが多々ありましたが、 これからは「勧める」で統一したいと思います。 MS-IMEにその機能があることは知っていました。 これによると「勧める」と「奨める」は同意となっていますね。 色々と詳しいご説明ありがとうございました。 重ねてお礼申し上げます。
補足
質問の内容から少し逸れてしまうのですが、 いくつかの疑問がありましたので、まだしばらくは開けておこうと思います。 引き続きよろしくお願いします。
- ichao
- ベストアンサー率52% (49/93)
「すすめる」の意味ですが、 勧・・・すすめみちびく「勧学」 奨・・・すすめはげます「奨学」 でどうでしょうか。
補足
ご回答ありがとうございました。 なるほど、そういう考え方もあるのですね。 ですが、辞典には「奨学」はあっても、 「勧学」という言葉は載っていません。 私の勉強不足もあると思いますが、 これは頻繁に使われる言葉なのでしょうか。 そうならば、実際にはどのような場面で使われるのか 教えていただけないでしょうか。 よろしくお願いします。
- earlywater
- ベストアンサー率31% (111/351)
「薦める」「奨める」の違いは理解できていますね。それならば、「勧める」は「奨める」と同じと考えてよいかと思います。「勧奨」という言葉がありますが、早めに退職をすすめるとき、勧奨退職というように使います。
お礼
ご回答ありがとうございました。 同じ意味と考えていいということですね。 たしかに、辞典にもそのように書かれていたので、 そうなのだろうとは思っていましたが、 専門家の方に言っていただけると心強いです。
補足
「勧奨」という言葉は「すすめる」が二つ重なっており、面白い言葉ですね。 辞典を見たところ、 「【勧奨】 はげまし勧める。奨励。」となっていましたが、 「勧奨退職」という言葉には暗に 「早く辞めてほしい」という意味が込められているように思います。 実際はどうなのでしょうか。 これについてもお答えいただけると嬉しいです。
お礼
ご回答ありがとうございました。 >日本語に取り入れられたいわゆる漢字は、 >中国大陸から借用または移入した件はご存知だと思います。 はい。そうであることは知っています。 実は質問の文頭で「言葉の専門家」としたのは、 中国の漢字について指摘してくださる方がいるだろうという考えもありました。 元々の意味を考えることが大事なのですね。 とても勉強になります。 総括しますと、日本では日本の習慣、時代背景に従って使用したほうがいいが、 本来の意味を念頭に置いておけば、より適切な使い方ができるということですね。 是非そのように心掛けたいと思います。 >極く小さな中国語"字典"でも可です、 >日本で手に入ったら是非ご覧になってください。 いい加減私の持っている辞典も古くなってまいりましたので、 この機会に「中国語字典」も含め、色々探してみようと思います。 アドバイスありがとうございました。
補足
まだ疑問に対する回答が得られていないので、 しばらく開けておこうかな・・・とも思ったのですが、 「勧める」と「奨める」の違いについては理解できましたので締め切りたいと思います。 ご回答くださった皆様、本当にありがとうございました。 重ねてお礼申し上げます。