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ミミズが成虫になれる確率について
コンポストの土を調べたら極細の糸くずのようなミミズの幼虫が高密度で見つかります。すべてが成虫になるはずがないほどの密度ですが、生存競争のようなものがあるのでしょうか。あるいは天敵のようなものがいるのかなとも思いますが、そうなのでしょうか。
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小型の土中生活者類の天敵というか捕食者と言えば何と言ってもゴミムシ類ですね。特に「メクラチビゴミムシ」の仲間は現在、確認されているだけでも日本国内だけでも300種以上も居ます。おそらくの全容は1000種を超えるんじゃないでしょうか? - "地下に生息する節足動物": https://www.jstage.jst.go.jp/article/taxa/44/0/44_39/_pdf ゴミムシ類は名前こそ「ゴミムシ」などという不名誉な名前が付いていますが、そもそもはゴミ捨て場などに多く見られる事から「ゴミ漁りをする虫」という意味で名付けられました…が、実際にはゴミムシ類はオサムシ類の仲間で、その食性は非常に獰猛な肉食性でかなり攻撃的な昆虫種です。彼らがゴミ捨て場に多いのは、生ゴミを食べるためでは無くて、逆にその生ゴミに発生するハエの幼虫などを捕食するために多く集まって来ているのです。 同様にメクラチビゴミムシ類は地中生活に最適化したゴミムシの仲間で、よく洞窟の地面に堆積したコウモリの糞の山の中から毎年の様に新種が発見されています。これもはやり糞を食べる訳では無く、糞食性の小動物を狙って集まって来ているだけでメクラチビゴミムシ類も地上性のゴミムシ類と同じくその全てが肉食性の捕食者であると思われます。 因みにゴミムシ類がカマキリやクモなどが足元にも及ばないくらいの、非常に獰猛な捕食者である様子は以下の動画で確認出来ます。 - "Epomis Beetle! frog tracker, frog hunter.": https://youtu.be/5GDUwlKzJxY ゴミムシ類、オサムシ類は幼虫も成虫と同じ食性を持ち、同じ様に攻撃的で獰猛な肉食性のハンターですので。卵から生まれたばかりの小さくて移動能力がまだ乏しい幼体ミミズなどは、簡単に捕まえて捕食する事が出来る手軽な獲物として手あたり次第に狩り尽くされていると思われます。 他にも「ホラヒメグモ(Nesticidae属)」と呼ばれる小型のクモの仲間が居て、彼らは土中の隙間に不規則な形の網を張って獲物が引っ掛かるのを待ちます。ヤスデの幼体とか前述のチビゴミムシも運が悪いと餌食にされますが、この中にミミズの幼体なども含まれます。 一般のイメージだと「クモの獲物=チョウやガなどの昆虫」と言ったイメージがありますが、実際には巣に掛かるモノであれば何でも選り好みせずに捕食します。南西諸島に生息する『オオジョロウグモ (Nephila maculata)』がネズミやトカゲ、小鳥などを捕食する事は割と知られていますが。本州に生息する普通のジョロウグモ種であっても、網に掛かりさえすれば昆虫以外のトカゲやコウモリなんかもお構いなしに捕食します。 後は「カニムシ」とか「ハサミムシ」ですね。ゴミムシ類ほどではありませんが、やはり彼らも土中の捕食者です。あと産卵(放卵)されたばかりのミミズの卵であれば、通り掛かったトビムシやヨコエビなんかに食べられているかもしれません。 P.S. 質問は「ミミズが成体になれる確率」ですが、これは正直に言って皆目検討も付きません。一般に多くの昆虫種での野生下での成体への成長率が概ね10%以下、5%~7%程度と推測されてます。 ですので食物連鎖の下位グループに属するミミズ類は多めに見積もっても5%程度、恐らくはもっと少ない3%前後になるのではと推測しますが…こればっかりは実地検証しようにも環境再現などが極めて難しく、また野生下でのミミズの継続的観察も困難なので推測の域を出ないと思います。 因みにミミズは1度に大量の卵を産むのでは無く、1日に2~3個ずつを毎日繰り返して少しずつ沢山を広範囲に放卵する生存戦略です。
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- bellflaw17sai
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目で見えなかったり見にくかったりするサイズなら センチュウ類や細菌も天敵なのではないでしょうか?
お礼
おっしゃる通りだと思います。体の大きさというのはかなり重要な決定要因だと思います。今までミミズというとそれなりの大きさを持ったものしか考えていなかったので恥かしいと思います。我々と同じく初めは一個の受精卵だったことを考えると、いまさらのように同じ生き物なのだと思えます。
- 4017B
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直接の質問事項には関係ないのですが、ゴミムシ類(オサムシ類)の奇妙な生態習慣について補足情報というか…彼らは肉食性の昆虫である事は前段で述べた通りですが。それに加えて少し変わった習性と言うか、奇妙な生態が確認されています。 質問者もそれなりに自然科学に造詣がお有りの様ですので、"マイマイカブリ" という昆虫の名前を聞いた事くらいはあるかと思います。このマイマイカブリはゴミムシ類と同じくオサムシ科の昆虫で日本固有種でもあるのですが、その最大の特徴として「成虫も幼虫もエサとしてカタツムリしか食べない」という変わった習性を持っています。この変わった習性のため、子供向け昆虫図鑑などでは必ず一項別にページを設けて解説してあるくらいです。 ですが…実は飼育下だと必ずしもカタツムリでは無くて、魚の切り身とか他の昆虫の死骸など、他の代替の動物性タンパク質のエサを与えても特に好き嫌いする事無く食べる事が分かっています。幼虫もそれで成虫まで育てる事が可能で、特に問題無く羽化して成虫になってくれます。じゃあ何で野生下ではマイマイカブリはカタツムリだけを好んで食べるのか?確かにカタツムリは動きが遅くて補食し易い獲物ではありますが…それならば動物の死骸とか、動きが鈍いイモ虫(ガやチョウの幼虫)なんかでも良い訳です。 またマイマイカブリは羽が完全に退化してしまっていて、成虫になっても飛ぶ事が出来ない昆虫です。ですので基本的には地面を徘徊する事しか出来ず、草木の上の方に居るカタツムリにはそれこそ手も足も出なくなります。そうなると尚の事、必ず地面に落ちて動かなくなっている動物の死骸を専門に狙った方が効率が良い様に思えます。しかし現実にはマイマイカブリはカタツムリだけを選んで捕食し続けており、そうやって進化の果てに現代まで生き延びて来ています。一体、何故なんでしょうか? 近年、この様なオサムシ類に関する奇妙な "狭食性" の生態が解き明かされつつあります。オサムシ類(ゴミムシ類)も通常は特に選り好みする事無く、手近に手に入る獲物であれば活餌も死骸でも何でも食べる強捕食傾向の肉食性昆虫であると考えられて来ました。実際に飼育下でも生き餌や人工飼料のどちらでも食い付きが良く、卵から孵化させた幼虫を人工飼料だけで成虫まで育てる事も可能です。しかしながらある時、奇妙な事に気付いたのです…! 特定の種類のオサムシ種に一般的な自然界で捕食しているであろう生き餌、ミミズやイモ虫などをメインに与えながら累代飼育しようといたところ。十分に大きく立派な成虫になったにも関わらず、何時まで経っても産卵行動に移らないのです。成長させた成虫はいずれも四肢欠損なども無く、エサ喰いも良く病気などの兆候も見当たらなかったため、どうして繁殖行動に入らないのか謎でした。 やがて寿命が来て飼育していたオサムシ達は死んでしまったため、原因を調査するため解剖を行ったところ…何故か十分にエサを食べていたにも関わらず、成虫のお腹の中はスカスカの空っぽでとても健康体とは思えない状態になっていたのです。これに驚きさらに詳しく調査したところ、この傾向はメスに非常に顕著に見られる事が判明しました。外見上は立派に大きく成長し切った様に見えていたオサムシのメスが、実はその体内では異常が発生していて、特に繁殖産卵には必須の卵巣が全く発達していない事が分かったのです。 この結果に基づき、次は与えるエサに変化を持たせた複数のグループに分けて飼育してみたところ。特にメスが産卵前にカタツムリを1匹以上捕食出来ないと、メスの体内の卵巣を十分に性成熟させる事が出来ずに寿命を迎えてしまう事が分かって来たのです…!そしてさらに観察実験を続けてみたところ、カタツムリにも特定の種類が存在しており、オサムシ種とカタツムリ種には互いにベストマッチする相関関係にある特定の組み合わせがある事が分かって来ました。 つまりオサムシ類は食べられる肉ならとりあえずは何でも食べるし、それで寿命を全うするまで生き長らえる事自体は可能なれど。種の存続に必要な繁殖、産卵行動のためには、それぞれに種固有の特定の "スタミナ食(精力剤?)" とも言うべきカタツムリ種の捕食が必須であり、それ出来なかった場合は次世代を残すための産卵行動が不可能になるみたいなのです…! しかしながら一体、何故に「カタツムリ食」が必須になるのかまでは解明されていません。単に栄養価だけの問題であれば、必ずしもカタツムリ食である必要は無い訳で、他にも簡単に捕食可能な栄養価の高そうな獲物は自然界にもあふれています。この習性にはまだまだ謎が多いです。 前述のマイマイカブリも自身の生命活動を維持するだけであれば、選り好みせずに何でも捕食しますが。産卵行動を行うためには、代名詞にもなっているカタツムリの捕食が欠かせない訳です。これらの実験結果などから、恐らくはそしてほぼ間違い無く、土中生活者の中のゴミムシ類にも「特定のミミズ種のみを産卵行動のために狙って捕食するゴミムシ」が存在するのではないかと推測されます。 全ては地面の下で、しかも1cm以下の小さな世界で繰り広げられるため、なかなか人間の目では観察出来ないのですが…いつの日にかその全貌の一端でも解明されればなと思います。
お礼
大変興味深く素晴らしい発見であると思いました。カタツムリにしかない卵巣成熟促進因子の本態が解明されたら学界のみならず一般的にも衝撃的ではないでしょうか。カタツムリが死んでいても同様の効果があるのかななどと思いました。
- m5048172715
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モグラがミミズを食べる。 鳥たちはもちろんのこと、ムカデやコウガイビルなどの虫もミミズたちの天敵である。 https://niigatamimizu.com/412/ あと、最近は地表が土ってのが減ってるので、ミミズが冒険したときに干からびてしまう危険が大きい。のではないかなあ。
お礼
真っ白い糸くずのようなもので、太さは0.1ミリ以下長さ1センチ以下という小さく細いものです。モグラが食べるには小さすぎると思います。この段階での天敵もいるのかなと思いました。
お礼
大変興味深いお話を伺えました。捕食者のお話は知らないことばかりでした。ミミズの幼体の小ささとその数に驚くとともにミミズの卵というのはそれこそ肉眼では見えないほど小さいのだろうと想像しました。