SDGsの基本的な考え方について
SDGsが全世界全分野に通じた1つの思潮として浸透しつつあります。これは国連広報センターHPを見ると、国連で決議されたとのことで、全世界的にもろ手を挙げて大賛成という印象です。何の屈託もなく受け入れられているということなのでしょうか。
この中で"誰一人取り残されない世界の実現"という言葉が枕ことばに出てきます。しかし、どの社会(国)でもみられること、社会から排除され埒外に置かれる人たちが必ずあります。刑務所に収監される囚人であり、極刑囚です。この人たちは世界(社会)から取り残された、というカテゴリに入るのではないかと思うのですが。
SDGsの文章をみると、なるほど、この"誰一人..."のところは、"『開発の恩恵』から誰一人取り残されない世界"ということであり、刑の執行方法が『開発の恩恵』を受けた穏便なものである、とみるとわからないではないですね。SDGsはそこまで含めた思潮なのでしょうか。
そういう特殊な話ではなく、ただ,激しく変動しつつあるとみなされる世界において持続可能な開発を実現して"か弱き善良な人々を救え"、というスローガンのように見えるのですが。つまり、救うべき善良な人々を規定してその中のか弱き人を救え、ということです。とすると、一種の選民思想とも通底してそうに見えます。
耳当たりのいい、”自由・平等・博愛”など、19世紀のヨーロッパには既にあったのですが、その名のもとにアジアアフリカでは何が行われたかはご承知の通りなのですが。SDGsの耳当たりのいい言葉群を見ていると、どうしてもそのようなことが想起されてならないのですが。