金属の電析と水素過電圧について

このQ&Aのポイント
  • 亜鉛とアルミニウムの電析を考えた場合、亜鉛/亜鉛イオン系は標準電極電位から考えると-0.76Vであり、酸性水溶液中では水素発生(0.0V)が優先的に起こると予想されるが、実際には酸性水溶液中から高効率で亜鉛は電気めっきできます。
  • アルミニウムはプロトン溶媒中ではめっきできないと言われています。これは水素過電圧が異なるためだと考えられています。
  • 亜鉛上での水素過電圧は極めて大きく、実際の水素発生は極めて卑な電位でしか起こらないため、亜鉛は高効率で電気めっきできます。
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金属の電析と水素過電圧について

亜鉛とアルミニウムの電析を考えた場合、標準電極電位から考えると亜鉛/亜鉛イオン系は-0.76Vであり、酸性水溶液中では水素発生(0.0V)が優先的に起こると予想されるが、実際には酸性水溶液中から高効率で亜鉛は電気めっきできます。それに対して、アルミニウムはプロトン溶媒中ではめっきできないと言います。とある文献にはこれは水素過電圧がことなるためとありましたがこの事が良く理解できません。例えば「亜鉛上での水素過電圧が極めて大きく、実際の水素発生は極めて卑な電位でしか起こらないからである」と言う記述もいまいちピンとこないのですが・・・。 この内容を何とか理解する為のツール若しくはわかりやすい解説等をご教授頂けたら幸いです。 ちなみに電気化学は専門分野ではなくただいま勉強中です。みなさん宜しくお願い致します。  

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  • c80s3xxx
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回答No.1

要するに反応速度の問題なんですよ. 標準電極電位ってのはあくまでも平衡論に基づくもの.その反応の速度が遅いかどうかなんてまるで関係なし. 極端な例を出すと,砂糖の空気酸化.空気中に砂糖を出しておいても酸化されないでしょ?でも,これは常温でも酸化できて大きなエネルギーを取り出せるから,生物はこれをエネルギー源にできるわけで. 亜鉛電極における水素イオンの還元も同じで,速度が極端に遅い.電極の場合は電位印加で速度を上げることができるわけですが,ふつうに観察できるような速度で反応がおこるように余分にかける電圧がここでいう「水素過電圧」なわけです.水素過電圧が大きく,酸性溶液中でも水素発生のおこりにくい金属の典型は水銀で,これがポーラログラフィーという方法が成立し得た大きなポイントです. 亜鉛は酸性溶液中に漬けておくと水素発生して溶けますが,これは実際には最初にゆっくり溶けて行く間は水素発生せず,亜鉛内に電子が蓄積され,結果として卑な電位を印加したのと同じ状態になり,ここではじめて水素発生が始まります.ポテンショスタットで電位規制してたり,水素過電圧の低い白金や銅のような金属と接していれば,亜鉛上では水素発生せずに対極上で水素発生することになるでしょう(ボルタの電池の原理).

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