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非~ という熟語
否定を表す接頭語には、不・非・無・反といろいろありますが、 近頃あまり見かけない「非~」をときどき見かけるようになりました。 今日の新聞にも、立て続けに 「非合理な」 「やせ過ぎは、非健康的な現象」 という言葉を目にし、辞書で確かめました。 すると、非合理という言葉は広辞苑に載っていました。 ただし哲学用語で、「不合理」とは違う意味合いでした。 しかし「非健康的」はもちろん無く、「不健康」で良いのではないかと思いました。 皆さんもこういう現象を最近みかけられませんでしたか。 またどう思われますか?
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#8です。 >私は主に意味的な違いの有無が気になっています。この点はどうなのでしょうか? : それも結局、品詞的な意味合いに基づくものなのですが…。 不合理(相言):合理のなされ具合の否定(合理性がない)。 非合理(体言):合理の枠組みには入らないという否認(合理外れ)。 非合理的(相言):合理のありようの否定(合理的ではない)。 不人情(相言):人情のなされ具合の否定(人情性がない)。 非人情(体言):人情の枠組みには入らないという否認(人情外れ)。 非人情的(相言):人情のありようの否定(人情的ではない)。 参考:須賀一好「否定」(「日本語使い方考え方辞典」岩波書店) 「語彙的な手段による否定を作る接辞に「非・不・未・無」がある。「非」は名詞や形容動詞の語幹に付いて、…<その枠組みには入らない>という意味を表す。「不」も、名詞や形容動詞の語幹に付いて、…<それを否定する>という意味を表す。「非」と「不」は、意味的に対立するわけではないので、「非合理」と「不合理」、「非人情」と「不人情」のように、どちらも使われる例がある。」(同書381-2頁)
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- kine-ore
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#7です。 >「学校文法」とは異なる体系の文法論ですね。 : 学校文法においても、(1)名詞と形容動詞語幹・断定の助動詞の判別、(2)サ変複合動詞と名詞+助詞+する動詞の関係、といった形でこのことに触れています。 ただ、それらの課題は本来漢文の文脈に用いられたものなので、中学国文法では特に言及がなされていない方面といえます。 >同じことを言っているのですよね? : 違います。 「不」は体言や用言を相言(「事態・状態・様子」)にする「品詞決定機能」がありますが、「非」の方にはそれがありません。 ですから不合理(相言)≠非合理(体言)と両者は品詞の上で不合であり、あえて品詞を揃えるなら不合理(相言)=非合理的(相言)と言ったまでです。 参照: 「「不」は動詞や形容詞を否定し、「非」は名詞や名詞的な句(理由や内容)を否定する」(藤堂明保「漢語と日本語」秀英出版) 「漢語系接頭辞の「不・無・未」などは、結合対象語基に否定の意味を添えるとと同時に、結合形を相言類すなわち形容動詞の語幹相当に変えるという点で共通性がある。つまりこれらには、品詞決定機能があるといえるのである。…これに対して、同じ否定の接頭辞である「非」は、単に否定の意味を添えるだけで、本来は品詞性を変える機能はない。」(山下喜代「「不衛生」と「非衛生」はどう違うか」(「國文學1994年12月号・日本語の常識Q&A」學燈社)
お礼
分かりました。接頭辞が接続する品詞をどう変えるかの違いを述べておられるのですね。 私は主に意味的な違いの有無が気になっています。この点はどうなのでしょうか?
- kine-ore
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>「非合理」は広辞苑の説明とは全く違う説明ですね。これなら、不合理も非合理も同じになってしまいます。 : ここでの「相言」は「相言類」のことで、名詞に極めて近い「形容動詞の語幹」相当を指します。 また、「用言」は「用言類」で、主に「サ変複合動詞の語幹」に相当する品詞性を持ちますが、「合理」のような名詞に対しては「不合理」は「非合理的」とほぼ同義性があります。 「不」は「合理」のような体言もそうですが、主には用言(動詞や形容詞)を「否定」し、且つ相言にする機能があります。 「非」はそのままでは用言には用いられず、主に体言や相言の内容に対してそれを「否認」しますが、「不」のような「品詞決定機能」はありません。ここがおおきな違いです。 ここから、広辞苑(岩波書店)に、さらに国語大辞典(小学館)を挟んで、拙言と対比してみてください。 「不合理:道理に合わないこと。矛盾していること」(広辞苑) 「不合理:道理に反していること。論理にかなっていないさま」(国語大辞典) 「不合理(相言):道理に適っていない様」(拙言) 「非合理:論理の法則に当てはまらないもの」(広辞苑) 「非合理:論理に合わないこと」(国語大辞典) 「非合理(体言):道理に適わないこと」(拙言) ですから、「合理」に対して筋が通らず矛盾している相言の「不合理」には、「合理」を相言にした「合理的」な内容において、それを否認した「非合理的」が同義的意味合いに当たります。
お礼
「学校文法」とは異なる体系の文法論ですね。 >ですから、「合理」に対して筋が通らず矛盾している相言の「不合理」には、「合理」を相言にした「合理的」な内容において、それを否認した「非合理的」が同義的意味合いに当たります。 つまり、私の言った「不合理も非合理も同じになってしまいます。」 を肯定し、同じことを言っているのですよね? なぜ反復して説明を?
- kine-ore
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1.合理 合理(体言):道理に適(かな)うこと 合理性(体言):道理に適った性質 合理的(相言):道理に適っている様 不合理(相言):道理に適っていない様 不合理性(相言):道理に適っていない性質の様 不合理的(相言):道理に適っていない様 非合理(体言):道理に適わないこと 非合理性(体言):道理に適っていない性質 非合理的(相言):道理に適っていない様 2.健康 健康(体言):元気で正常に働く心身のこと 健康(用言):元気で正常に働く心身の状態 健康的(相言):元気で正常な機能をする心身の状態の性向 不健康(相言):元気が出ず正常な機能をなさない心身の状態 不健康(相言):元気が出ず正常な機能をなさない心身の状態 不健康的(相言):元気が出ず正常な機能をなさない心身の性向 非健康(体言):元気が出ず正常に働かない心身のこと 非健康(用言):元気が出ず正常に働いていない心身の状態 非健康的(相言):元気が出ず正常な機能をなさない心身の性向
お礼
「相言」という言葉を初めて知りました。 形容詞などの状態を表す品詞のことのようです。(「状詞」) 「非合理」は広辞苑の説明とは全く違う説明ですね。 これなら、不合理も非合理も同じになってしまいます。
- qdo0obp
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接頭辞ですね。 非はそれに当たらない、それ以外である、という消極的否定の構え 不は打ち消し、否定という積極的否定(明確な否定)の構え だと考えています。 しかしすべての言葉が確実にそういう定義通りになっていると言えないのは、日本語の柔軟性を示しているのだと考えます。 手持ちの和英辞典では 非合理はirrationality、不合理はillogicalityというのが一番に掲げられていました。 不合理の英訳にirrationalityはありますが、非合理の訳にillogicalityはありませんでした。 英和辞典では irrationalは理性のない、分別のない、道理のわからない、不合理な、ばかげた、無理の illogicalは非論理的な、不合理な、筋の通らない とあります。 以上により、 非合理は理性で、不合理は理論でとらえているのではないでしょうか。 不合理はirrationalityとillogicalityの英訳があると上述しました。それでもあえて非合理を用いるのは、理性でみた判断を主張しているのではと考えます。 参考辞書:大辞林、ウィズダム和英辞典(第二版)、ウィズダム英和辞典(第三版)、Weblio英和辞典
お礼
私も、 非~は消極的な否定、 不~は積極的な否定、 と考えていました。 ただ、「非常識」は積極的に否定していますし「不常識」という語は存在しません。 となって、また振り出しへ戻るのでした・・・。
- eroero4649
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「非健康」の謎が解けました。 「不健康」を英訳すると「unhealthy」になるのです。ところが、英語の表現で「Non-health」という言葉があるのです。このNon-healthは「健康ではない状態」を示す言葉で、「不健康」ともちょっと違います。というかそもそも不健康はunhealthyなので、Non-healthを「不健康」と訳すのも間違いです。 ですから、Non-healthの訳語として「非健康」という言葉を充てたのだと思います。「痩せすぎはunhealthyかそれともNon-healthか」となれば、この場合はNon-healthを充てるべきだと思います。痩せ「すぎ」ですから、健康とはいえません。 機械的な用法になりますが「Too thin is non-healthy.」という一文があったらその訳文は「痩せすぎは非健康である」が相応しいかなと思います。 ただし、ネイティブの感覚として「Too thin is non-healthy.」がしっくりくるのかそれとも「Too thin is unhealthy.」がしっくりくるのかは分かりません。しかし、WHO(世界保健機関)の表現で「Non-health」はよく出てくるので、これの対訳語は必要かなと思います。 英語圏の造語は日々作られるので、翻訳が追いつかないことがしばしばありますね。「クラウドサービス」とか「オンデマンド」とか、どんな言葉を充てればいいのか分からんですよね。
お礼
英語からのアプローチをありがとうございます。 新聞記者ですから、世界語?の英語圏の影響もあり得ますね。 un とnonの二つがあるって、どういう了見でしょうね(笑)
- double_triode
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ご返事ありがとうございます。 非合理:合理ではないもの (合理という名詞を否定) 不合理:理に合わない (合という動詞を否定) 同様に 非動物:動物ではないもの(非+動物) 不動物:動かないもの(不動+物) ************************* 非健康的:「健康的」は形容詞なので,たぶん間違い。 現代中国語の用例を辞書 https://cjjc.weblio.jp/sentence/content/%E5%81%A5%E5%BA%B7%E7%9A%84/2 で調べると, ーーーーーーーーーー引用 那些不健康的生活方式,终将为人们所唾弃。 あんな不健康な生活パターンは最後には人々によって唾棄されるであろう. ーーーーーーーーーー のように,「不健康的」とされています。 「非健康的な現象」までをとり,「健康的な現象」(名詞)を「非」で否定しているとも考えられますが。まあ,日本人は漢字の本家ではなく分家ですから,いいかげんなんでしょう(笑)。
お礼
現代中国の用例まで調べていただき、ありがとうございます。 とすれば、間違い・いい加減とまでいえるかは分かりませんが、 やはり最近の新しい傾向ですね。 まあ、分家の日本から本家に逆輸出した例もありますから、微妙ですが。
- double_triode
- ベストアンサー率26% (520/1997)
基本は,古典中国語(漢文)および現代中国語の使い方に準じるはずです。 つまり 非+名詞 不+動詞,形容詞,助動詞,副詞
お礼
とすると、今回の表記および近頃の「非~」は、まったく説明がつかなくなりますね。
- Dr_Hyper
- ベストアンサー率41% (2483/6032)
その文面を直接読んでいないので自信が無いですが,記者が勘違いをしていないと仮定すると,「非」合理的 「非」健康的とか非・合理的,非・健康的という意味合いで使っている印象をもちます。不合理や不健康は,似ている意味ですが not 合理 not健康的 にダイレクトな感じでは無いですよね。もっと単語の意味を直接否定した意味合いにしたくて非合理的,非健康的という使い方をしているのかなと想像します。
お礼
不合理や不健康の方が意味が強く感じますが((+_+)) 回答をありがとうございました。
お礼
わかりました。 不と非は強い弱いの違いではなくて、否定の「性質」の違いなのですね。 ありがとうございました。