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歯車の規格不明な図面を再現するには?
- 昭和初期の製造の減速設備修理依頼で、歯車の諸元が記載された図面がありますが、モジュールや圧力角が書かれていません。取引先での回答も理解できず困っています。
- 加工時間がかかっても、図面のまま再現したいとの要望があります。諸元の解説や指導をいただけると助かります。
- 質問の要点は、規格不明の歯車の図面を再現するために、諸元の解説や指導が欲しいというものです。
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諸元設定までの過程をご説明します 大歯車外径 φ1031.37 歯数 90より モジュールを概算する D=mz OD=m(z+2) より m=1031.37/92≒11.21 参考 昭和40年代で実際に採用されていたモジュール例 時計 m=0.1382 カメラレンズシャッター m=0.224 ダイヤルインジケーター m=0.1592 などがあります 通常歯数の大きな大歯車側は転位を施さないと仮定する JISの第1系列で近いモジュールは 10,12 JISの第2系列で近いモジュールは 11 となり合致しない ホブで歯切りする事を考慮すると10か12になるが算出数値と かけ離れるため11を敢て選定する z1=9、z2=90、m=11、α=20°,a=562の条件で演算開始 ここで、α=20°z=9の場合切り下げが発生するので 切り下げが起きない限界転位係数を設定する x1=0.4736に決定 この数値にて計算すると中心距離が不足するので大歯車にも プラス転位が必要となる(先の過程を棄却する) 逆演算によりx2=1.2918の解を求める ここで得た中心距離は a=561.99983・・・・ 誤差は充分ネグレクトできる値である 以上の数値より各諸元を再計算する 確認の為中心距離を歯数比で内分すると 51.0909:510.9090となり 先に計算した噛合いピッチ円の2分の1つまり半径に合致する このときの誤差は0.00003である 転位係数はx=の形で演算出来ない為逐次近似で行なっています これにより大歯車の噛合いピッチ円直径は 1021.81788となり この数値を大歯車歯数90で除すると 1021.87/90≒11.35の数字が導かれる この数値は先に仮定した11.21に比較的近く更に大である また、この時の噛合い圧力角は24.43°となります もしm=11.35、α=24.43のホブが存在すればそのまま 加工できる歯車になります現実には存在しないはずです モジュールが若干大きくなり、材質も良くなっている現在なら 提示申し上げた諸元で加工は可能と判断します 気になるのはm=11のホブがあるかという点です当方手持ち無しです そうなるとm=10かm=12での再設計になります 先回提示した諸元はバックソルバーとニュートン方による演算結果です 検算した結果小数点以下2桁までは保証できます 以上の結果をCADで歯形作図を行ないましたが歯形干渉は無いようです 今後とも、宜しくお願いします バックラッシはホブの追い込みで対応してください 実際加工される方が詳しいと思います
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少し見難いんですが 再計算してみました 現状の機械設備で加工した場合の仮定です 近くの加工やさんとご相談なさってください 数値は参考程度にお考えください 計算値 小歯車 大歯車 モジュール m 11 基準圧力角(deg) α 20 歯数 z 9 90 転位係数 x 0.473599997 1.2918 またぎ歯数 zm 2 13 またぎ歯厚 W 53.66029333 429.503632 転位係数の和 x1+x2 1.765399997 インボリュートα' invα' 0.027885254 かみあい圧力角(deg) α' 24.4348807 速度比 i 0.1 歯数の和 z1+z2 99 中心距離補正係数 y 1.590893855 中心距離 a 561.9998324 基準円直径 d 99 990 基礎円直径 db 93.02956946 930.2956946 噛合部のピッチ円直径 d 102.1817877 1021.817877 歯末の丈 ha1 14.29003241 23.29023244 歯丈 h 22.83043244 歯先円直径 da1 127.5800648 1036.580465 歯先円圧力角(deg) αa 43.18182126 26.17304581 歯先円弧歯厚 sa 5.478606393 8.432664678 歯底円直径 df1 81.91919993 990.9196 円弧歯厚 s 21.07103824 27.62264806 歯厚の半角(deg) ψ 12.19476324 1.598647629 弦歯厚 s-bar 20.91231064 27.61906415 弦歯丈 ha-bar 15.40698976 23.48289941 歯溝の半角(rad) η 0.121322696 -0.007899464 追記 バックラッシは零で計算しています
お礼
面倒な試算までしていただき本当にありがとうございました。早速取引先の歯切メーカーに連絡して加工段取りの検討したいと思います。また困ったことがあれば相談しますので宜しくご指導願います。
ご提示戴いた情報でCAD作図してみました なんとなく歯車の形は形成できましたが 噛合いの動作になると心配です どちらも円弧歯面とのこと回転がスムーズには 行なわれないと思われます ただ、昔の機械は慣らし運転があったから お互いに馴染んでうまく回ったんでは無いでしょうか この歯形の歯車を作れというのは現状の技術では 制約が多く難しいと思います(規格が邪魔して機械の設定が出来ない) 一番気になる重要な中心距離が提示されていないのが 気がかりです 入力軸径、出力軸径、ギヤ比を合わせられて 新規設計のほうがよろしいのではないのでしょうか 色々書きましたが、お役に立てなくて申し訳ありません 差し支えなかったら 中心距離を教えていただけますか 条件を更に狭めて再計算して見ます
お礼
私もcadで書いてみましたが結果は同じでした。厄介な質問をして申し訳ありませんでした。尚、中心距離の記載は図面上にありました。有難うございました。 度重ね有難うございます。明確ではありませんが作図していたら図面記載の「C=562ミリ」とあるのが中心距離ではないかと思います。ちなみに「H=20.7ミリ」が歯高では?「NO=103」は想像できません。宜しくお願いします。
昭和初期に採用(検討)されていた圧力角 この時はロシヤが優れた研究を行なっています (戦車の歯車に応用されている) 10° 14.5° 15° 17.5° 20° 22.5° 25° 30° があります 現在は特殊用途を除き20°に規格化されています 今再計算すると18°でtosiyukiさんが述べられた 小歯車はφ95.91基円 大歯車はφ959.06基円の文言から 小歯車 φ95.95674384 大歯車 φ959.5674384 の近似値が逆算されました このときのm=11.210543 です どうも、圧力角もモジュールも特殊のようです 更に、再計算してみます 歯先円弧寸法がマイナスになる 両側から挟み撃ちの計算をしても 矛盾します どうも分からない せめて基準円 基礎円等が確定して 現物寸法が提示されればもう少し 踏み込めるのですが 加工方法の指示は無いのですか ホブ切りかフライス割り出しかによっても 歯形が微妙に異なります
お礼
ここまで詳細に解説していただけると助かります。なんとか前に進めそうです大変有難うございました。
私も回答(1)のDM氏と同様に、色々と計算してみました。 圧力角は14.5°で、更にインチ系寸法とにらんで行ってみましたが、 近い数値になっても、そのものズバリとは行きません。 もう少し、現物を測定しての情報が欲しいなと思います。
お礼
ご尽力有難うございました。何とか先が見えてきたようです又よろしくお願いします。
こんにちわ 推理して逆算してみます 確定諸元 | 小歯車 | 大歯車 モジュール | ? 圧力角 | ? 歯数 | 9 | 90 転位係数 | ? | ? invαb | ? かみあい圧力角 | ? 中心距離増加係数 | ? 中心距離 | ? 基準円直径 | ? | ? 基礎円直径 | ? | ? かみあいピッチ円直径| ? | ? 歯末のたけ | ? | ? 全歯たけ | ? | ? 歯先円直径 | 130.85 | 1031.37 歯底円直径 | ? | ? 不明諸元 C=1106mm H=32.64mm Mc=18 NO=142 歯根径=44.72 歯根径=404.99 推理逆算諸元 メートル系モジュールと仮定して逆算結果 | 小歯車 | 大歯車 モジュール | 11.21054347 圧力角 | 20° 歯数 | 9 | 90 転位係数 | 0.3445 | 0 invαb | 0.017437 かみあい圧力角 | 21.035° 中心距離増加係数 | 0.33609 中心距離 | 558.689 基準円直径 | 100.895| 1008.949 基礎円直径 | 50.447| 504.474 かみあいピッチ円直径| 101.57 | 1015.79 歯末のたけ | 14.97 | 11.21 全歯たけ | 25.12 | 25.22 歯先円直径 | 130.85 | 1031.37 歯底円直径 | 80.59 | 980.23 時間が無いので検算していません もう一度検算してみます 計算精度小数点1桁?有るかな モジュールを採用しているか又はDPかは分かりませんので モジュールとしました歯形は標準並歯インボリュートと仮定 KHK様カタログ計算式にて演算しています あくまで参考数値に留めて下さい 歯数が9枚なので必ず転位しているはずの思い込みで 演算しています減速機なので歯型係数強度等の精密な 計算は必要です、これについては確認していません 半端なモジュールを再計算して現行のホブに合致するか 検討してみます 圧力角14.5°でも検討中です20°ですと歯先とがりに 成るようです 昭和初期だと14.5°が採用されているかもしれません 結論としてインチ系で圧力角14.5°のようです その当時を推測するとJISが確定していないので 歯の各部寸法の数値も決まっていなかったようです 因みに頂隙は現在標準で0.25mですが当時は 数値に幅があったようです こうゆう事は個人的には好きなもんでやってます 考古学みたいで好奇心がそそられます インチ系モジュールと仮定して逆算結果 | 小歯車 | 大歯車 モジュール | 11.21054348 圧力角 | 14.5° 歯数 | 9 | 90 転位係数 | 0.354 | 0.018 invαb | 0.017437 かみあい圧力角 | 15.99699° 中心距離増加係数 | 0.353840664 中心距離 | 558.888 基準円直径 | 100.895| 1008.949 基礎円直径 | 97.681| 976.811 かみあいピッチ円直径| 101.62 | 1016.16 歯末のたけ | 14.97 | 11.21 全歯たけ | 25.02 歯先円直径 | 130.85 | 1031.37 歯底円直径 | 80.59 | 980.2 歯車の計算で面倒なのは変数の中に変数が入るところです 何度か試行錯誤して転位係数を近似値として演算しています 外径が近くになるように試算した結果です さらにホブを決めて新たな転位係数の再計算が必要です 圧力角の規格が14.5°から20°にインチ系がメートル系に なっている現在 これだけ大きな歯車を当時の規格で製作できるところは 限られると思います JISすらDPは旧規格になり載っていません 現状に近い速比モジュールを決めて新規に設計するほうが メンテナンスが容易になると思います 一番近いモジュールが第二系列でm=11が有ります もう少し計算してみます 多分当時ではインボリュート曲線の描画が出来なかったものと思われます 現在でも円弧近似で描画するソフトもあります(殆ど円弧近似かもしれません) 現状のインボリュート歯車の計算式で計算すると歯先円弧幅が5.47に なります現物と違うようですね 検算してみます
お礼
面倒な質問に早速丁寧な回答していただき有難うございました。もっと図面記載の詳細を報告すべきでしたが最悪状態に劣化した図面で判読が困難な為数値は明確に表現できませんでした。圧力角部分についてはインボリュートでもサイクロイドでもないのでわかりません。大歯車はφ959.06基円上から歯元直径φ989.97(歯元幅24? 歯先幅10.5?)を始点としR200で歯先までのR歯面。小歯車はφ95.91基円上の中心点で歯先(歯先幅6?)を始点としR40。同じ基円上の中心点で歯元(歯元幅21.5?)を始点としR20でR40につながる2つのRで歯面が出来ています。説明が下手で理解できにくいかもわかりませんが可能な範囲で追加指導いただけたら幸いです。
お礼
詳細に検証していただきありがとうございます。大変参考になりました。今後ともよろしくお願いします。