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債権総論 差押と弁済期

7月14日のテストに備え、あがき始めた所です。大学で配られた要点確認プリントの問題なのですが・・ 「差押と弁済期に関する問題について、判例はどのような見解をとっているか? この問題に関する複数の判例群によって形成されている判例法理を説明しなさい」 授業のレジュメには、 最判s32.7.19民集11.7.1297 最大判s39.12.23民集18.10.2217 最大判s45.6.24民集24.6.587 の判例と、「大隅健一郎裁判官の補足意見」というのが書いてありました。読んでもイマイチ訳が判るような判らんような・・判例法理って何・・? どなたかお願いします!

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回答No.1

ご質問の論点は、民法511条の「支払いの差し止めを受けた第三債務者は、その後に取得した債権により、相殺を以って差押債権者に対抗出来ない」と規定しているところの、差押とその債権の弁済期の関係で、相殺が制限されるのかどうか、を論じているものです。どれだけ簡単に説明できるかわかりませんが、甲が乙に債権を持っていて、乙も丙に債権を持っています。この時に、甲が乙→丙債権を差し押さえた場合に、丙が乙に持っている債権で、甲の差押の後に、乙→丙債権を相殺できるか?という論点です。(甲を差押債権者、乙を債務者、丙を第三債務者といいます)この場合、以前の判例(最判昭和32.7.19や最判昭39.12.23)では、甲の乙→丙債権の差押時に、丙→乙債権の弁済期が到来している時に限り、丙は甲に相殺を対抗できる(昭和32の判例)としていたり、丙→乙債権の弁済期が乙→丙債権の弁済期より前である時に限り、丙は甲に差押を対抗できる(昭和39の判例)としていました(これらを制限説と呼ぶ)。しかし、最判昭和45.6.24の判例では、丙→乙債権が、甲の差押よりも後に取得されたもので無い限り、乙→丙債権及び丙→乙債権の弁済期の前後を問わず、両債権が相殺適状に達しさえすれば、丙は甲の差押後においても両債権の相殺を甲に対抗できる(これを無制限説と呼ぶ)というように、変わりました。なぜ、制限説とか無制限説とか言うのかというと、511条の文言を無制限に反対解釈をすれば、「差押債権者の差押後に取得した債権でさえなければ、第三債務者は、その差押後でも相殺できる」となり、文言に制限をしないため、無制限説と呼ばれています。一方、511条の文言に無い制限を加えるために、制限説と呼ばれています。次に、両説の解説をします。 1.制限説 民法511条は、債権を差し押さえた債権者の利益を考慮し、第三債務者が差押後に取得した債権による相殺は差押債権者に対抗出来ないと規定しており、これは、公平の観点から認められたものです。また第三債務者の相殺を認めるということは、同じ債務者に対する債権者という立場にもかかわらず、もう一方の債権者である差押債権者に不利な結果となり、債権者平等の原則の例外といえるわけです。このように、債権者平等の原則を排してまで保護されるべき第三債務者は、それなりの正当な相殺の期待が成り立つものでなければならないところ、受動債権のみ弁済期が到来しているとすると、第三債務者は、自分の債務は遅滞を続けておきながら、将来自分の債権である自働債権の弁済期が到来したら相殺できることになってしまい、差押債権者を害してまで保護するに値しないので、そのため、自働債権(前述の丙→乙債権)の弁済期が受働債権(前述の乙→丙債権)の弁済期より先に到来する時のみ、相殺できるとしていたわけです。 2.無制限説 511条には、第三債務者の相殺について、「差押の後に取得した債権では相殺を差押債権者に対抗出来ない」としているだけで、他に制限が無いこと、相殺の期待は、弁済期の前後を問わず保護されるべきであり、遅滞については遅延賠償を負わされるのだから、それ以上の不利益を課すべきではないこと、場合によっては相殺権の乱用で対処できる事、などを理由に挙げています。  以上ですが、本当に法律が理解できていないとわからないかもしれませんが、頑張って解るようにしてください。

noname#12970
質問者

お礼

お礼が遅くなってしまってすみません。回答どうもありがとうございました。この回答を元にゆっくり考えていったら、なんだか納得できた感じでした。刑法の方もとてもすっきりとまとまった説明で目からウロコです! とっても嬉しかったです。本当にどうもありがとうございました!

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その他の回答 (1)

  • puregummy
  • ベストアンサー率39% (9/23)
回答No.2

判例法理というのは、そのテーマ(論点)について、判例がどんな論理構成(根拠)をもとにどのような帰結を述べているかだと思います。 失礼ですが、比較的法律が苦手なように見受けられましたので、刑法の質問でも述べましたが、司法試験予備校の参考書を見るとよいかと思います。 それに何の知識もない状態で判例の文章をそのまま読んでも普通はあまり理解できないと思います。ですから判例の理論を予備校本で確認しつつ判例を読んでみる+予備校本の論証を参考にしつつ、テスト前に試しに書いてみる+書いた論証を覚える・・・という形でいけばいいと思います。 頑張ってください。

noname#12970
質問者

お礼

お礼が遅くなってしまってすみません。回答ありがとうございました! 勉強の仕方がわからなくっていたずらに教科書を眺めては投げ、眺めては投げ・・を繰り返していたので、アドバイスいただけてとても嬉しいです。早速参考にしてみます!!

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